「パタリロ西遊記!」 |  なんとなくクラシテル

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にはまってるんですよ。
 「パタリロ!」は好きだし、「西遊記」は大好き~~!というわけで、これの合体版ってどうなんだろうか?あるのは知ってたんですが、いささかおっかなくてなかなか手が出なかったんですが。
 いざ、手に入れて読んでみたら、さすが魔夜峰央さん、上手い!!夢中になってしまった!!あっしが知ってる西遊記の翻案の中で、一番面白いんじゃないかなあ。

 日本人が知ってるようで知らない物語って、まずは「源氏物語」、んで「西遊記」でしょうか。西遊記といえば、三蔵法師と孫悟空、猪八戒、あたりの登場人物は、まあ、知ってる方多いでしょうし、天竺にお経を取りに行く話、で、途中に妖怪がぞろぞろ、というのも、知られているでしょうけども。
 ねえ、もう、沙悟淨の影が薄い・・・・のを主人公にして書かれたのが中島敦の「悟淨出世」「悟淨歎異」。で、「八戒」の名前の由来ですが。三蔵法師に仕えるために、五葷三厭を食べない、とゆう精進潔斎を続けていたんですよ。食い物に目がない、というキャラ設定なだけに、ストイックな事を頑張ってやってたんだなあ、としみじみ・・・・・・。ちなみに、この五葷三厭ってなにか、というと、五葷=ニンニク・ねぎ・ショウガ・ニラ・ラッキョウ、三厭=鳥・獣・魚の肉なのだ。ストイックだよなあ~~。

 これねえ、あっしも、部分的にはやってますね。ニンニクは滅多に食べないし、ネギというか、玉ねぎは嫌いじゃないけど、食べると翌日なんか具合が悪くなるもんで、食べないようにしてる。カレーライスも玉ねぎ抜きなわけ。で、これを人に説明するのに「八戒みたいな事をやってるんですよ~~」って言うんだけど、もしかして理解されてないのか?、と最近気づいたりしてるんですが。


 で、西遊記。これは、高校生の時にむさぼり読んでた。学校の図書館にあった「中国文学全集」の中で見つけて。あんまり何回も借りては読むもんだから本が傷んじゃって、修理までされてしまった・・・・・。まずいなあ、と思ってるうちに卒業、あーもう、西遊記、読めないのかあ、と思ってたら、新所沢西友(ここまで覚えてるんだからすごい)の古本市にてバーゲン本で売ってたんですよ、「奇書シリーズ」っていうペーパーバック版で。これを逃したら、もう、この本には出会えないんじゃないか、と思って、当時としては大枚の3千円で購入。一番いい買い物、の一つだろうなー。何回読んだかなあ・・・・・、すごく影響も受けている、と思う。この翻訳は、講談調で読みやすいし面白いし、注もしっかりしていて、翻訳者の方のご苦労がしのばれる傑作。
 その後、岩波文庫版が出ましたが、で、それも読んだんだけど、やっぱ、平凡社の方が面白く感じられるんですよ。岩波文庫と平凡社、元の本が違うんですけどね。岩波が完全版、ということになってるんだが、なぜか「玄奘三蔵出生物語」が抜けている。平凡社版の元になってる「西遊真詮」にはこのお話が、かなり詳しい。このあたりが面白いんですが。

 というわけで、西遊記、1回読んでみると面白いと思います。色んな冒険物語の原型チックでもあるし、登場人物が魅力的だし。なんでもかんでもすぐ宴会、とか、お茶会、とか、やたらオーバーな距離感とか、破天荒で、楽しいんですよ。