★呂布カルマ インタビュー  vol.1 | ●club buddha/shiva 

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名古屋の老舗クラブ「club buddha」&クラブ系モダンバー「SHIVA」のプログ。 

 

お酒の最大の失敗は免停!!罰金30万!!

バトルがあってその賞金がちょうど30万円だったから、

ちゃんと優勝して賞金額を丸々収めたね(笑)!!

 

- club buddhaで毎月開催<今月は2/20(火)開催>している「日乃丸」の開催のきっかけは?

 

R : 俺が来た時にはもう日乃丸はやっていたからね。

最初は当時他のクラブでやっていた日本語ラップのイベントに、日乃丸2代目オーガナイザーで回していたDJ kim morrisonに出てもらおうという話になって挨拶にきたのが俺は初めてだった。当時ライブが飛び入りOKということで一曲やらしてもらって、そこで声かけてくれたのがスタートだね。

 

-お酒は結構飲まれますか?

 

R : 結構飲むね。

 

-好きなお酒は。

 

R : ジンバックか麦の水割りかハイボール。

 

-泥酔したことはありますか?

 

R : 全然あるよ。でも、あんまり…まぁあるか。最近はそんなにしなくなったかな。

 

-お酒の最大の失敗は?

 

R : 免停だね。錦三丁目のところをパトカーが結構巡回してるらしくて、たまに新栄の方にもフラッと来るみたいで。ちょうどフラッと来た時に俺が乗り込むタイミングで後ろを尾けてたらしく。全然気づかずちょっと行った信号で停まっているところを窓コンコンってされて、ベロベロに酔っ払っていたからもうアウト。

 

-えっそれからどうなったんですか?

 

R : 「君、乗り込むところからずっと尾けてたけど気づかなかった?」って言われて「いや、覆面やし。気付くわけねーだろ。」と。その時社会人で子どももいたから嫁には再三気をつけてと言われていたんだけど、減点と罰金30万円の通知が来て。嫁には離婚だと言われたけど、ちょうど通知が来た翌日くらいに東京で大きめのバトルがあってその賞金がちょうど30万円だったから、ちゃんと優勝して賞金額を丸々収めたね。

 

-結果オーライですね!!

 

R : 結果オーライ…いやでも免許は返ってこないけどね(笑)。

 

-ヒップホップにはまったきっかけは?

 

R : 出会いはスチャダラパーだけど、そこで一回途切れていて、そこからロックをずっと聴いていた。次にミクスチャーに入って、ミクスチャーを聞いている流れでヒップホップにはまっていったかな。最初は妄走族、餓鬼レンジャーに同時期にハマった。一番最初の1曲というと妄走族だね。

 

-最初ヒップホップのどこがかっこいいと思ったのですか?

 

R : 妄走族は当時ラッパーが7人いて、それも結構衝撃的だったし、使う言葉が全然ロックと違うというか。ミクスチャーはまだロックの延長みたいな言葉の使い方だけど、ヒップホップはリリックが全く違った。

 

-リリックですか?

 

R : 当時のミクスチャーってDragon AshがいたからDragon Ashっぽい感じ…Glory系というか栄光や感謝みたいな曲がほとんどで、そういうのに飽きていた時に妄走族の下品で啖呵を切っているような「ナリからツラから全部ナンセンスなんじゃ クソラップ 心技一体(妄走族 - オーバードライブ)」とか、リリック、言葉が今まで聞いてきた音楽と全然違うなって。

 

 

-なるほど。

 

R : あと、インディーズ音楽っていうのもそれまでそんなに聞いていなかったから。まあロックは聞いていたけど、ロックはメジャーでもインディーでもそんなにリリックに差はないというか、メジャーはラブソングでインディーはラブソングじゃないぐらいの差しかなくて。そんなピーが入るようなことを言ってたりはそんなにしてなかった。ヒップホップはドラッグのこととかをモロ言うみたいな。当時若かったから「こんなこと言ってたらこれ捕まるんじゃないの?逮捕されないの!?」って素直に思った。その感じにすごい惹かれたな。

 

-当時僕も思いました。どこの国で歌ってるんだろうって。

 

R : そうそう、こんなん俺犯罪やってますって宣言してるみたいなね。そこで改めてもう1回断絶していたスチャダラパーとかを、大人になってヒップホップのマナーとかルールがわかった上でもう1回聴き直してみると、「あっ、すっげぇ巧みなことやってるわ」って気づいて。一周してから聴いてみると『彼方からの手紙』とか改めてすごいなと思った。

 

-そうなんですね。

 

R : 二重、三重あとから楽しめるなと。語感だけでかっけぇと聴いていたことが、あとから「あっそういうことだったんだ」とか「このスラングってそういう意味だったんだ」とかも面白かった。その「なんでもあり感」に、この手触りないなって思っていた時に、バンドサウンドにぶっちゃけ飽きていた時で、打ち込みの音の手触りっていうのもなかったから。そこに餓鬼レンジャーの「火ノ粉ヲ散ラス昇竜」を聴いて「ライミング!!ヤバい!!」となって。完全にハマったねそこから。

 

-単純にラップの響きのカッコよさみたいなものも。

 

R : 口に出してみて、今まで好きだったバンドとかは、好きだけど自分では歌えないなーと思っていて。ラップは真似して口に出すだけで気持ちいい。「口が気持ちいい!!この言い方!」みたいな。今まで知っていた言葉が全然違って響く感じが衝撃だったな。入り口を通ってしまえば「むっちゃあるやん!こんなにあるの、全然知らなかった。」という部分もすごい面白かった。当時ブームだったしニトロ(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)とかも流行っていたことから、掘っても掘っても毎月どんどん出ていたし。底なし感がすごい面白かった。

 

-懐が広いですよね。キャラが立ってたらとりあえずオッケーといった感じで。

 

R : 複数MCたちのやつを聴いて最初声の聞き分けが出来なかったけど、段々聴き分けられるようになってきた時の嬉しさね。

 

 

-2018年1月に「ヤングたかじん (track by Mr.蓮)」と「悪い夢 (track by KOJA)」の両A面限定7inchアナログ盤が発売されました。先行発売された両A面盤のジャケット、両方とも最高です。

 

R : 写真の方もいいでしょ、普通の家の前で撮っただけだけど。小雨交じりの中嫁さんに5枚位撮ってもらって「寒い寒い、もうこれくらいでいい。」って。

 

-「ヤングたかじん」について、たかじんのどういった部分に惹かれたのですか。

 

R : たかじんは…俺大阪に住んでいたからたかじんは完璧にテレビの顔だったんだよね。だから、惹かれるというよりは「テレビの象徴」みたいな感じで。関西のローカルスターというとたかじん。男はたかじんで女は上沼恵美子というイメージ。

 

-曲とかはどうですか?

 

R :曲はそんなに聴いていないけど生い立ちというか。不良っぽさもずっと残しつつ、芸人とかミュージシャンとか関係なくみたいな感じだったからスタンスとして憧れていたというのはあるかな。最初俺は「ヤングたかじん」を芸名としてつけようとしていた。結局呂布カルマになったけど、呂布もそうじゃん。三国志で1番強いやつ。「力の象徴」みたいな感じかな。

 

-「圧倒的な力」のような存在が好きな印象を受けました。

 

R : 好きだね。努力で埋まらないものが好きなんだよね。俺が努力が苦手というのもあるけど、逆に努力できるというのは才能じゃん。コツコツやれるというのは才能だからさ。努力すればいいじゃんって言うのは実は結構残酷でさ、できない人もいるわけよ。そういうやつはじゃあ努力が最上だったら努力が出来ないやつはもう勝てないのかってなってくるじゃん。

 

-興味深い話ですね…

 

R : その一発逆転が才能だと俺は思っているから。「努力が出来ないけどぶっちぎった才能があります」芸術の世界では結構それだけで勝負できるところがあるから、そこは俺は救われているかもしれない。そういうのがあってよかったなと思っている。だから、努力して積み上げているやつを才能あるやつが蹴散らす瞬間が最高なエクスタシーでしょ。

 

-個人的な印象ですが、新井英樹の「ザ・ワールド・イズ・マイン」登場人物、モンちゃんに重なる部分を感じます。

 

R : 新井英樹は極端にゴリゴリのカリスマ(才能)と凡人の対比を描いているから、そこに感情移入できるかどうかというところが楽しみ方だと思う。俺は、まあ思い上がりもありつつ完全にカリスマ側に感情移入して読んでいるからやっぱ面白いんだよね。

 

-初期の頃の曲は、シーンに対する不満やイライラといった感情が表現された曲が多かったように感じますが、最近は自分を客観視・冷静な部分も表現されているように感じます。

 

R : それはあるかな。最初はイライラというか、今いる人達をどかして「俺を見ろ、俺のほうがヤバい。」といったところだったけど、今はヒップホップの界隈だけだったら一応ちゃんと認知はされているから今それを言っても攻撃対象になる人があまりいない。

 

-以前はいたのですか?

 

R : 当時は俺が攻撃対象にしていたのは自分より上の立場の人だったんだけど、別に依然シーンに対してイラつくようなことはあるけど、それって俺より下の世代だからこれを今言うのってどうなんだろうなって思って。そこはちょっと変わってきたかな。自分より下のヤツに言うことはない。「まあそれが正解だと思うんだったらやってごらん。」みたいな感じかな....続く。

 

聞きて : 岸ソケット 編集構成 : 太田孝次  撮影者:藤原連(名古屋学芸大学 メディア造形学部 映像メディア学科2年) @BAR SHIVA

 

呂布カルマ出演!!

2/21(火)「日乃丸」@club buddha

OPEN : 21:30  ADM : ¥1500(1D) <♪邦HIPHOP>

http://www.clubbuddha.com/b_schedule.php