アルトゥル・シュニッツラーの日記

Arthur Schnitzler Tagebuch(1879–1931)

シュニッツラーが偉大な日記作家であった件
 

 シュニッツラー(1862-1931)は世紀末ウィーンで活躍した小説家、劇作家、医師。映画「アイズワイドシャット」の原作である「夢小説」が代表作として知られています。

 

 ウィーン大学医学部を卒業。専門は喉頭ですが、フロイトの精神分析学に大きな影響を受け、当時のブルジョワ社会の無意識の病(性と死)をテーマにした文学作品をいくつも書いています。

 

 実は、シュニッツラーは17歳の1879年から、69歳で亡くなる1931年まで、およそ52年間にわたり、ほぼ毎日欠かすことなく日記をつけていました。その数は16000に及び、偉大な日記作家ともいえます。その日記が2019年にデジタル公開されました。

 

 シュニッツラーは生誕から亡くなるまでウィーンに住み続けた生粋のウィーン人。ホフマンスタール等当時のウィーン社交界との交遊関係が大変華やかであり、日記は読みごたえがあります。ウィーン人らしく、自分でピアノを弾いたり、演奏会に通ったり、最愛の作曲家グスタフマーラーへの言及など音楽の話も出てきます。

 

 日記はその人の真性や時代をよく写しだしているので、ご関心がある方はサイトを覗いてみてください。当時のウィーンにタイムスリップできるはず🎵

 

【日記のおおよその体系】

その1

1879 ~ 1882 年 青春日記 17歳-20歳

1882–1902/03 家庭を築くまで 20歳-41歳

1902/03–1914 第一次世界大戦まで 40歳-52歳

1914 ~ 1918 年 戦時中 52歳-56歳

1918 ~ 1931 年 離婚と晩年 56歳-69歳

その2

1879 ~ 1887 年 日記はほとんど構造化されていない。17歳-25歳

1887 ~ 1899 年 統合: 日記はより定期的に書かれる。25歳-37歳

1900 ~ 1920 年 日記がより物語的になる。38歳-58歳

1921 ~ 1931 年 日記がよりプロトコル的になる。59歳-69歳

 

◎Österreichischen Akademie der Wissenschaften

https://schnitzler-tagebuch.acdh.oeaw.ac.at/