シカはイノシシと並び称されるジビエですが、脂が少ないのが難点です
何度か話題にしたように、牛肉の場合は霜降りから赤身へと嗜好が移っており、それを思えばシカ肉も時流に乗ってはいるのですが、さすがに脂が少なすぎて、おいしいと思える要素を見つけにくいのですね
でも、シカをおいしく食べる方法というのもちゃんとあります
今回はそれを紹介しましょう
まずは、シカのあばら肉のロースト
いちばん肥っている時季のシカは、あばらのまわりに、かなり脂の乗った肉をほんの少しだけつけます
これをあばらごと外して塩コショウし、好みでハーブなどをかけ、オーブンに入れて焼きます
そして焼き上がったら、あばらを1本ずつ外しながらかぶりつくのです
これはうまいですよ
要するにシカのスペアリブですね
シカ肉のいちばんおいしい食べ方といってよいと思います
ところで前にもお話ししましたが、シカのシーズンは北海道では冬、伊豆半島や九州では夏です
おいしいシカ肉を食べるには、やはりそれぞれの土地の旬の時季に獲れたシカを手に入れるのが第一です
猟師たちはシーズンに獲れたシカ肉を冷凍して保存し、シーズンオフにも食べられるようにしているものです
そこで次に紹介するのが猟師の食べ方、シカのルイベです
まず、卵の黄身にショウガとニンニクとネギを刻んだものと、好みで唐辛子を入れ、そこに醤油を注いでタレを作ります
そして半解凍状態にしたシカ肉を薄く切り、このタレにつけて食べます
これはもう、おいしくていくらでも食べられます
同じ生肉でも、刺身とはまったく違ったおいしさがあります
この二つが、私の考える最もおいしいシカ肉の食べ方です
ちなみに、シカの赤身肉をローストする場合、豚の網脂を買ってきてシカ肉をくるんで焼くとよいでしょう
こうすると脂が程よく補われ、おいしく食べることができます
お話ししているうちにシカのあばら肉が食べたくなってきました
シカの旬になったら知り合いの猟師に頼んで、鉈であばらごと切り取ったものを送ってもらうことにしましょう
それでは次回もお楽しみに