私たちが旅を企画する際に、

完璧なバリアフリーを意識することはしていません。

 

ちなみに「完璧なバリアフリー」とは、

旅行中に段差が一段もなく、

移動はすべてリフト付きの福祉車両が準備され、
行程の途中すべてに多目的トイレがある。

 

そんな状態です。

 

出来ればそれに越したことはありませんが、
設備面に意識を向けすぎてしまうと
目的と手段が逆転してしまいます。

 

昔昔、ある大手旅行代理店が

大々的にバリアフリー旅行事業を始めた際、

作成されたパンフレットに

 

 

リフトバス利用!
ホテルやレストランに多目的トイレ有!

 

と大きく書かれてみたのを拝見して、

いかりや長介さんではありませんが、

 

「ダメだ、こりゃ」

 

とひそかに思いました。

 

だって、旅に出るのに

 

「あなたもバスに乗れますよ」

 

とか

 

「トイレに行けますよ」

 

が売りっておかしくないですか。

 

旅のアピールポイントはそこじゃない。

 

これって、昔、旅行会社でブームになった

熟年海外旅行で、

 

「夕食には日本茶をご用意します」

「3日に一回、和食メニューです」

 

に近い、ピントのズレ方です。

 

昨日、くらぶベルテンポファミリーのお客様から

「立山黒部の旅に興味があるけれど、自分が参加して迷惑をかけるんじゃないか」

とご連絡をいただきました。

 

迷惑なんてとんでもないです。

ぜひぜひ、ご一緒したいです。

 

とは言え、立山黒部アルペンルートには

階段もありますし、バリアフリーなホテルなどありません。

 

それでも、その階段を頑張った先にある

絶景は人生、見て置く価値があります。

 

「大舟は出せませんが、小舟に乗った気持ちでお出で下さい。」

 

とお返事させて頂きました。

 

ベルテンポは大規模な旅行会社さんと違い、大きな舟は出せません。
ちょっと揺れて船酔いすることもあるかも知れません。

船長(私)がすっとぼけて、とんちんかんな振る舞いをする可能性も

否定できませんが、ベルテンポはなんだかんだ、「楽しかった」と思って頂けるような、

そんな緩い旅を創っていきますので、安心してご参加ください。

 

ご主人が気難しいとか、
そんなことも含めて、心のバリアフリーを実現して行きましょう。

 

小舟には小舟の良さがあると信じて、

今日も旅の企画を詰めていきます。

 

私たちは、お客様からどんなことであれ、

ご連絡を頂けるのが本当に嬉しいのです。

 

体調を整えて、旅行当日までの準備期間も楽しみましょう。

 

高萩徳宗