大勢の方から旅に関するご質問を頂きます。
可能な限り、ご質問にお答えさせて頂いております。
「車椅子を使っているけどハワイに行きたい」の100倍、難易度が高いのです。
1.当社(ベルテンポ)は「お宿だけの手配」や「情報だけの提供」はしていません。
杖や車イスを使われる、お足元の悪い方が温泉に入るには、
不安を取り除き、欲しいと考える充分な情報が必要です。
何が不安で、どんな情報が欲しいかは人それぞれですので、
これは「直接、宿に聴く」に限ります。
間には人を入れないように、
必ず直接電話をして問い合わせましょう。
中間に私たちのようなエージェントを入れると
「伝言ゲーム」みたいになってしまいます。
私たちはあなたさまのことを良く知りません。
ぜひ、直接、ご自分の希望や不安をお伝えください。
2.こちらの様子を具体的に伝えましょう。
電話をして
「父が車イスなんですが、そちらはバリアフリーですか?」
のような掴みどころのない質問はやめましょう。
「はい、バリアフリーです」
なんて言われて、行ったら多目的トイレがあるだけだった、
みたいな笑い話はたくさんあります。
まずはこちらの状況をしっかりと伝えて、電話口の先方が、
見たことも会ったこともない私たちのことを「イメージ」できることが大切です。
「杖があれば少し歩けます。」
「車椅子からは自力では立ち上がれません。」
「ポータブルトイレを持ち込みます。」
など、様子を具体的に伝えましょう。
3.「絶対条件」と「十分条件」を自分の中で交通整理しましょう。
この旅行に行くにあたり、絶対に譲れないことは何か。
逆に「叶えられたらラッキー」くらいに考えていることは何か。
しっかりと頭の中を整理しておきましょう。
「都心から1時間以内で、介護用ベッドがあり、客室に露天風呂があり、部屋から海が見えて、食事も美味しくて、孫が遊べる屋内プールがある宿。予算は安ければ安いほど助かります。」
笑い話ではなく、実際に当社に寄せられたご希望です。
失礼を承知で言えば、これは結婚相手に臨むこととして、
「東大卒で、一部上場企業勤務で、転勤も残業もなく、土日は休みで、子供が好きで、趣味があり、私に優しくしてくれる人。年収はできれば2000万円以上」
という叶わぬ夢と同じです。
誰も指摘しませんが、
バリアフリー旅行に関わるお問合せに以外と多いのが
「100点満点の150点が必須」と考えるご質問です。
4.準備は万全に。でも当日は緩やかに。
その強い想いにお応えして、
準備調査にあり得ないほどの時間をかけ、
どんな細かな質問にもお答えし、
万端整えて当日を迎え、
夕食の席でお父様は上機嫌で久しぶりにお酒を。
お酒が進み、すっかり上機嫌のお父様に
「さあ、飲み過ぎないうちにお風呂に入りましょう。」と声をかけると…。
「おお、もう今日は風呂はいいわ。」
「え?あんなに準備して、万障繰り合わせたのに、入りましょうよ。」
「いや、いい。もう寝る。」
お風呂に入ることだけに血眼になり、
準備に準備を重ねたのにも関わらず、
当日体調不良やお疲れで、
実際には入浴しなかった事例を、少なくとも50例は知っています。
ほどほどがいちばんです。
お父ちゃんが
「今日はもういいわ」と言ったときのご家族の落胆ぶりと言ったら。
私だって思います。「勘弁してよ」と。
お風呂は目的ではなく、
旅の満足度を上げるひとつのコンテンツ
くらいに考えておいたほうが良いのではないかと、
私は経験上、考えます。あくまで私見です。
5.ご家族が楽しめる旅を。
ご助言を差し上げるとき、必ずお伝えしていることがあります。
当事者であるお父さまやお母さま
(時にはご子息ということもあります)
への想いは判るのですが、
私は、ご家族全員が、楽しかったーと
笑顔で帰宅できる旅をして欲しいと願っています。
仮にお風呂に入れても、
ご家族がくたくたでは、「次」がありません。
【ベルテンポが好きな、バリアフリー対応の宿】
おススメと決めつけてしまうと
「へえ、こんな宿があるんだ」と知って頂ければ幸いです。
それは玉の湯さんには「経験」がたくさんあるということです。
20年、バリアフリーに取り組まれていますから、
大勢のお足元の悪い方が、ほとんど毎日宿泊されています。
車イスを利用する宿泊客がいない日はないでしょう。
- 玉の湯さんのバリアフリー貸切風呂「はるの湯」
- 玉の湯さんのバリアフリー特別室。
- 玉の湯さんのバリアフリーツインルーム。とても使い勝手の良い、温かみのあるお部屋です。
文責:ベルテンポ代表 高萩徳宗