昨日、「バタフライ・エフェクト-不死蝶-」が幕を閉じた。

奇しくも、人生で初めての全国ワンマンツアーは僕の誕生日である8月5日から始まった。

さあ初日、気張って望んだ日から僕らは壁にぶつかった。

リハでは全然こなしていたKØUの声がライブ中にどんどん出なくなっていった。

セットリストの最後には「Child's Dream」が控えていた為に、彼はMC中に僕の耳元でセットリストを変更したいと申し出た。

気持ちとしては最後までやりきって欲しさで一杯だったが、ここから続く10本以上のライブに響かせる訳にもいかないのでそれを承認した。

体調管理、と一言でまとめてしまえばそうなのかもしれないが、ライブの前日までレコーディングや撮影に制作が立て込んでいたので彼の気持ちは重々に理解出来てしまった。

更に普段からボイトレに喉の管理もしている為、本格的に声が出ないのを見たのは2年振り(2015年の夏に大きく一度壊した)くらいだった。

その悔しさと責任感からだと思うが、楽屋へ戻ると彼は顔をタオルで塞いで事務所の人間に囲まれていた。

僕はそんな姿が見たくなかった。

胸ぐらを掴んで、彼に叫んだ。

そしたら何かが覚めたかのように彼の目の色が変わった。

よっしゃ!!!そう叫んだ彼を見て、いける、そう確信した。

アンコール、皆へみすぼらしい姿を晒してしまったかもしれない。

けれど、僕には、僕の位置から見たKØUは輝いていた。

誕生日に歌ってくれて、ありがとう。


そんな荒波の中、このツアーは出航した。




2箇所目、福岡。

お盆を直撃し、移動で17時間くらい掛かったが無事に到着した。

初日は東京公演だったこともあり、

実質的に初日のような感覚もあった。

ライブ自体は凄く良かったし、オーディエンス、福岡勢のアツさに驚いた。

ただ、ここでも壁にぶつかった。

今回のライブのテーマについてである。

キャプテンを変え、ライブの趣旨を変え、一本ずつファイナルへ走っていくこと。

実質的に地方公演をやってみて気がついたのが、そこの必要性であった。

カバー曲なんかも差し込んでみた上で理解したのが、

僕らはもっとストレートを伸ばした方が良いんじゃないか、ということ。

セットリストや内容の上で変化球を細々差し込んでいくよりも、

シンプルで、もっと刺さるライブをしたいと。

きっと全国各地で色々様々なことをすることがファンの皆へとっても、僕らにとっても刺激的で楽しいかなと企てていたのだけれど、一番早い球を投げられる事の方がきっと全く同じセットリストだったとしても違う景色を魅せられる、そう此処福岡で気付いた。

本編を終え、これじゃない、と。

急遽アンコールの曲順も全部変えスピーディーで流れるような展開に変更した。

そこでこれだ、と気付けたんだ。

本当にオーディエンスの皆が素晴らしかったおかげで、良いライブが作れた。

その日、気付いた大きなテーマを皆で語りながら夜走りで広島へ向かった。




3箇所目、広島。

覚えている、起きたら非常に晴天で気持ちが良かった。

けれど、過去に3回くらい?しか足を運んだ事のない広島公演には一抹の不安があった。

そして初日とは大きく違うセットリスト。

真夏の太陽照りつけるなか搬入をし、皆でリハーサルをこなした。

ケータリングがむさしのお弁当だったので、とても感謝をした。

全員が庵くんに扮するという面白い企画の中、僕は子分感が凄い庵くんになった。

そして臨んだ広島ワンマン。

登場から大きな声に迎えられ登場したのを覚えている。

凄くスピーディーで、物凄い熱量の中、汗だくになりながら気付けばライブを終えていたような記憶がある。

そして皆でこれだ、と共通認識を得た。

僕らにとってとてもターニングポイントだったな、福岡そして広島。




4箇所目、柏。

昨年行ったレイヴとのツーマン以来、おひさし柏。

たっちゃんが飾り付けを頑張ってくれて。笑

福岡広島の経験から、一通り組んでいたセットリストを全部バラし、

変化球でない、ストレートをどれだけ極められるか。

そこに着眼し始めた此処柏。

たしか、Oneも初披露したんじゃなかったかな。

この曲が、のちの今ツアーの肝になってくる。

それこそ会場の熱が今ツアー最大だった気がしてる。

本当にオーディエンスが倒れるんじゃないか、凄く心配して袖に何度も冷房を最大にしてくださいと伝えたにも関わらず最大です、、と。。

幸い、大事に至らずに済んだのだけど、帰り際に庵くんが「おでこ触って?」と。

めちゃめちゃ熱い、、これは、、

物凄い熱量のライブから生まれたものかと思っていたけど、

その後最早伝説化しているカンピロバクターだとは。




5箇所目、新潟。

広島同様、とても新鮮な土地。

前日はラジオにも出演させて頂き、地元の子達も見に来てくれてほんと嬉しかった。

セットリストも流れもストレートをベースに、曲間や微妙な調整を冬真ちゃんが施してくれた。

だから感覚も全然違ったし、それで今まで試さなかった事も試せたし、色んなやってみないとわからない部分が浮き彫りになった。

自分達もやっと型にはまってきて凄く良いライブだった。

すごく情熱的で、本当に行って良かった。

イベントでも近頃新潟って少ないけど、しっかりライブをやっていきたい。




6箇所目、札幌。

2日間あるということ。まずこれがテーマだった。

2日の中で全く違う曲を並べる事は容易だった。

ただ、それが今目指すファイナルへの道筋へ正しいものなのか。

2日の中で同じベーシックのライブで違う景色を見せること、

これが今目指すべきだと皆で話し合った。

その意気込みが伝わったのか、このツアーで初めてダブルアンコールを受けた。

掛かったから出る、そんなことはしたくない。

けれど挨拶はしよう、感謝を伝えて2日目に繋げよう、皆で楽屋で話してステージへ戻った。

どうもありがとう、僕は伝えたけれど皆が求めていたのはそうじゃなかった。

曲だった。

心から感じた、邪心はひとつもなく、もっと音を届けたい、僕らもそう思った。

あの日の我武者羅はまさにガムシャラであった。




7箇所目、札幌。

前日がありきとして勿論初日のみ、2日目のみ、両日とも、の子達がいる上で、ストレート球で違う景色を見せる事に重点を置いたライブ。

それが、どっちがいい、じゃなくてどっちも良かった。その結果を産めたんだと思う。

ラーメンとカレー、ベクトルが違うからどっちも好き。みたいな。

とにかく基本の構成は同じながらに違う景色が見られた。

僕ら自身初日同様の新鮮な気持ちがいい演奏を届ける事が出来たと思う。

ツアーも折り返し地点に差し掛かり、

たまにしか来れない札幌ということもあり、

アンコールでは少しセンチメンタルになった。

札幌は音楽処の店長さまも凄く暖かい方、祖母の顔を見る事もでき、92歳、まだまだ元気だなと。100歳までいってもらわないと。素敵な出会いもあり、帰るのがとても寂しかった。

けどまた来る。絶対にワンマンやるから、また遊びにおいでね。




8箇所目、仙台。

初めて踏み入れたライブハウスenn 3rd。

このツアー唯一のキャビネットがMARKBASSだったのでびっくり。

前日には友達のライブをMACANAに見に行ってたこともあり、テンション感が凄く良かった。

今回のストレートの球速も少しずつ上がっている体感があった。

皆へ「音楽」を届けるという事にメンバーの想いがどんどん高まっていた。

今ツアー全箇所同行してくださったcom agent加藤さん、桜井さん。

ふと桜井さんが「リハ終わってもずっと弾いてるよね、CLØWD。」って。

良い子ぶりっ子したいわけじゃない。誰かに見せたいわけじゃない。

けど、少しでも上質な音を皆に届けたいという意識が皆に滲んできたのかもしれない。

凄く意欲的で良いライブだった、仙台。

ちなみにたっちゃんがNEVER ENDING STORYで伝説を残したのも、仙台。笑

これは皆の胸の中に。




9箇所目、名古屋。

ワンマン2度目の名古屋。

前回よりも大きな会場でこれまた不安を感じながら(今思えばどこでも感じてたのか、、僕、、)けれど前回のワンマンの熱量を思い出しながらリハーサルをする。

入りしたら照明さんもずっとイヤフォンをしていた。きっと楽曲のきっかけ(照明を切り替えるタイミングなど)の最終チェックをしてくれていたんだろう。

凄く愛のあるスタッフさん方で、背中を押される。

何よりも登場したときの声の大きさ。

これは抜群に背中を押されたよ。

フロアを埋め尽くした皆がWorry?の波に乗る姿は最高潮でした。

ごちそうさまでした。

皆と作った名古屋、確実に塗り替えたと思います。

最高。




10箇所目、大阪。

こちらも二度目の大阪ワンマン。

一番来た回数の多い土地は、多分大阪だよね。

どこのバンドもそうだと思うし、

当たり前だけど大阪を拠点にするバンドさんだって多い。

その中でCLØWDが好きだから見にいくっていう子により素敵な体験を還元したいと思うし、

ああ最高のライブだった、来て良かった、と思って帰ってほしい。そう感じた。

もうファイナルへの導線は出来上がっていたし、セットリストも最終調整。

あとは自分達の直球をどこまで伸ばせるか、だった。

登場し、フロアを埋めたオーディエンスに僕は既に目頭がアツくなった。

初めて大阪に来た時、動員10人居たか居ないかだった。

同じくCLAPPERで2マンをしたとき、埋まってるとは言えなかった。

だから。

ステージに登壇しただけで、僕は嬉しかったんだ。

ライブは口にしてしまえばその方が安くなってしまうような、

最高の一体感を皆と作る事が出来た。

そしてこの日はCLØWDの所属事務所である、MAVERICK DC 大石会長がワンマンを見てくれた。

最後に見た時から格段と良くなった、いいツアーを回れているみたいで期待しているよ。と。

サウンドも此処までで一番良いものを届けられたのが大阪公演だった。

個々の成す音をまとめるのがPAさん、フロアに降りPAさんと相談しつつ理想に近づける作業を冬真ちゃんがいつも施してくれている。

そのまとまりがかなり仕上がった実感があったのもここの大阪公演。

大阪、またすぐにイベントで行くから、どうぞ待っててね。またやろう!




11箇所目、代官山。

僕らも、皆も?なかなか馴染みの薄いライブハウス。

だけど下見もしに行き、ライブのイメージは掴んでいた。

結構天井も高いし、距離感もそれなりにある。

生ぬるいライブなんてしたもんじゃ、皆の熱気に食われるなと。

ぶっこんでいこうぜ、そう掲げて1曲目にWorry?を持ってきた。

応戦するオーディエンスの波に、今日は最高の1日になると確信した。

演奏中、あ、あの子地方で見たな、とか、撮影会参加してくれてたな、とか、

いろんな情景がフラッシュバックされた。

皆がいつ、ライブに参加すると決めたかはわからないけど、

今日に繋がったこと、それは間違いじゃなかったんだなと感じたんだ。

感情に身を任せて音を届けながら、皆と目で対話をした。

すごく良い笑顔なんだよ、本当にみんなは。

きっと、普段いろいろ抱えて生きてる。

僕らだってそうさ。

明るい、前向きな歌を歌っているから、ポジティブだけが人生じゃない。

だけど、こうして1つの曲で、1つのバンドで、数百人が同じ空間にいて、

1つの時間を作り上げてる。

これって本当に簡単に味わえない瞬間だと思うんだ。

CDとは違う、スペシャルな空間。

セットリストも流れも、今ツアーの全てを汲み取ったベストを皆で組んだんだ。

福岡で気付いて、向かう方向をシフトチェンジして此処まで走ってこれたこと。

回り道をしたから気付けたこと。

沢山学んだ事があった。

一歩ずつでいい、

もう無理な背伸びはしないでこうして皆と一段ずつ上がっていきたい。



いよいよ僕らの目指す次なるステップは来年1月8日のTSUTAYA O-WEST。

3周年記念ワンマン。

必ずソールドアウトさせる。

皆で誓ったこのリベンジ。

全11公演で出会った全ての皆をこの船で連れて行くよ。



皆もたくさんのCLØWDをこの夏、味わってもらったと思うから、

これからも遠慮なくツイッターとかでコメントしてほしいし、

お手紙も届けてほしいし、

皆と一度結んだ紅い意図を、

解かないでいたいな。

そして、必ずまたワンマンで行きます。

絶対に、そのときまた会おうね。約束だ。



長くなったけど、本当に全11公演ありがとうございました!

まだ終わったっていう実感もないんだけど、

もうきっと3周年へのカウントダウンは始まってるから、

アクセル全開で飛ばしていくよ!

改めていおきち、おたおめ!!!!!



猟平


<2018年1月8日TSUTAYA O-WEST>