
「TOKOSHIE」sakana hosomi
2013.11.6 Release
https://pureheartlabel.stores.jp/#!/items/52176e02a95dcbccf90000fe
http://www.pureheartlabel.com/とこしえ/
もう既にSNS上では多くの方々の絶賛を浴びているこの作品。
「どうなんだろなぁ。買おうかな、どうしよっかな。」なんて思ってる人がいたら、買ってから考えたらどうでしょう。
この段階で「気になってる」ならその直感は間違いないですよ。
魚さんから「とこしえ」の完パケを聴かせてもらったのは今年の2月。
SARO(細海魚、世奇音光のユニット)の「彼は誰時、極月の魚。」と一緒に僕ん家に送られてきました。
SAROの方は90年代の録音の発掘盤で、SEEDS RECORDS からの発売が決まってたんだけど、魚さんのソロ「とこしえ」の方も「もしかしたら八野くんとこ(SEEDS RECORDS)でお願いしなきゃならないかも」なんて。
僕は「とこしえ」を自宅で聴いて、なんか居ても立ってもいられなくなって、そのまま車を走らせて琵琶湖まで行って、湖岸を歩きながらiPhoneで3時間近くもリピートして聴き続けました。
これだけはおそらく間違いのない事実だと僕は思うんだけど、この5年間に限って言えば、細海魚の作った音楽を最も多く聴いているのはこの僕です。
なぜなら Livingstone Daisy というバンドで「33 Minutes Before The Light」というアルバムを一緒に作ってたから。
僕はそのアルバムの曲(全曲さかなさん作曲)に詩をつけるのに、本当に何百回、何千回と聴いていました。アルバムに入ってる曲もそうでない曲も含め、魚さんの音楽に触れなかった日はなかったんじゃないかな。
いや違うな・・・「詩をつける」というのはあんまり正しい表現じゃないな。
魚さんの音楽の中には既に詩が織り込まれていて、僕はそれを「心の表面を嘘のない状態に保ちながら何度も何度も川のように流して読み取っていく」という作業・・・とでも言うのかな。
それはとても深い夢の中に入り込んでゆくような心地よい体験であると同時に、少しでも読み取りを間違うと音楽そのものの輝きが急激に褪せてしまうのではないかという怖れとの戦いでもあったような気がします。
もちろん自分の曲に歌詞をつけるのとは全く違うし、b-flowerで岡部くんの曲にポップスやロックのフォーマットで詞を載せるのとも全く異なる作業。
できあがった時の快感もまた別種の最高感。
「とこしえ」のCDのジャケットは魚さんの父上の版画作品。内ジャケットには白樺の木の前で母上と魚さん。北海道の中標津でのこれらの風景が魚さんにとっての原風景なんでしょうね、きっと。
このアルバムを聴いて僕自身もなんか自分が子どもだった頃のことを色々思い出しました。
僕の原風景は魚さんと真逆かも。大阪 高石の埋め立て地の臨海工業地帯に並んだ赤白煙突からもくもくわき上がる排煙(笑)。
なんかそんな2人が同じ音楽を素晴らしいと感じて作ってるなんて不思議ですね。
最後に「とこしえ」は弱小SEEDS RECORDSでの発売ではもったいなすぎる(SAROもだけど)と思ってたので、新居昭乃さんの Pure Heart レーベルからのリリースは本当によかった!
にいさん、名盤やね、やったね!