
Steve Mcqueen ~レガシー・エディション / Prefab Sprout
1985年発売のプリファブ・スプラウトのアルバム「Steve Mcqueen」
僕はこのアルバムが発売された当時、はっきり言ってプリファブ・スプラウトは
もうひとつぴんと来ないグループでした。
曲は悪くないというか、いい曲もたくさんあるのに、とにかくサウンドが受け付けない。
正直、トーマスドルビーのアレンジやプロデュースが全く好きになれなかったのです。
「いや、曲がいいんだから大丈夫だろう」と何度もチャレンジしてみるのですが、
やっぱり受け付けないものは受け付けない。
「プロテストソング」というアリバムは今でも大好きで時々聴くのですが、
この「Steve Mcqueen」はもう15年以上聴いてなかったです。
アルバム「Steve Mcqueen」が完成した時、プリファブ・スプラウトの中心人物
バディ・マクアルーンの感想は「まるで他人のレコードを聴いているような気がした」
というもの。
いい意味でとれば、自分たちにはできない素晴らしいプロデュースだと言いたかったの
かもしれませんが、僕はこの感想をあまり肯定的にとらえることができません。
で、先日偶然CDショップでこの「Steve Mcqueen~レガシーエディション」
(2006年発売)というのを見かけて購入しました。
2枚組で、1枚は85年作品をトーマスドルビーがデジタルリマスターしたもの。
もう1枚はバディ・マクアルーンが8曲をピックアップし、アコースティックギター
中心のバージョンにアレンジし直して演奏録音したものが収められています。
僕は
1.もしかしたら、今ならこのトーマスドルビーがデジタルリマスターしたものも
抵抗なく聴けるかも
2.アコースティックギター中心のバージョンにアレンジし直したものはきっと
素晴らしいに違いない。
という期待を込めて購入したのです。
で、結果はというと、1は以前ほど拒絶反応はなくなっていた。
2はかなりいいものを聴かせてもらった。
という感じ。
弾き語りの延長線上にありながら、しっかりと綿密にギターアレンジを施された
楽曲たちは、別の命を吹き込まれたように生き生きとしています。
いずれにせよ、このグループはなんか特異な立ち位置のグループですね。