
ロイヤル ストレート フラッシュ / 沢田研二

A LONG VACATION / 大瀧詠一
このまえ三大ギタリストのことに触れたので、今日は二大作詞家の話。
日本のポップミュージックの二大作詞家と言えば、誰がなんと言おうと
阿久悠さんと松本隆さんに決まっているじゃないか!!
(「八野英史も結構イケてるよ!」という全国数十名のb-flowerファンの暖かい声援が・・・)
ロックもフォークも歌謡曲もポップスもヒップホップもR&Bも全てひっくるめて
この二人が突出してると僕は思います。
これは根拠なく言っていることではなく、結構確信があります。
というのも、僕はとても気持ちの悪いことに
1. 13歳から24歳くらいまで毎月、雑誌「明星」を購入して付録の歌本(その月に発売される
ヒット曲や注目曲がほとんど網羅されている)に載っている歌詞を隅々までチェックしていた。
2. 平行して、18歳くらいから以降は、ジャンルを問わず、気になったアーティストの
アルバムをレンタルで借りて、歌詞カードを隅々までチェックしている。
つまり、ちょっと普通では考えられない数のポップミュージックの作詞家(アーティスト
自身が作詞をしているのも含めて)の歌詞を僕は意識して耳に(目に)
してきていると思うのです。
別に当時から、僕は作詞家やミュージシャンになろうと思っていた訳ではなく、
いわゆる歌詞オタク(オタクという言葉もなかったですが)であったのです。
幾分、好みというのも介入する余地はあるにせよ、そこそこ冷静に分析できてるような
気がしています。
よって、このお二人の突出してすごいところの一片は、もちろん簡単に伝えられます。
優れた歌詞は、どこをどう1部分だけ切り取っても優れているのです。
たとえば、阿久悠さんの突出ポイントの1つは、すぐに自分が主人公になってそこに入り込めるところ。
(沢田研二さんのベスト版 「ロイヤル ストレート フラッシュ」 より)
「壁際に寝がえりうって 背中で聞いている やっぱりおまえは出て行くんだな/勝手にしやがれ」
たったこの2節で、目の前の壁の色や臭い、部屋の空気の湿り気まで感じながら、強がっている
自分がそこ(映画の一場面みたいなところ)に登場しちゃいます。
松本隆さんの場合は、たとえば心象風景の描き(大瀧詠一さん「A LONG VACATION 」より)
「時はまるで銀紙の海の上で溶け出し 僕は自分が誰かも忘れてしまうよ/カナリア諸島にて」
音楽とこの言葉が一緒になることにより 突然、想像と現実の境界線があいまいになってきます。
もちろんこれはほんの一例。ね、スゴイっしょ、このお二人!
まあ、あらためて僕がいう必要がないほどのことではありますが・・・。