
North Marine Drive / Ben watt
1982年に発売されたベンワットの「North Marine Drive」の話。
リアルタイムでこのアルバムを聴いた印象は「なんて静かな音楽なんだ」
という驚きでした。
この頃のイギリスの音楽状況はセックスピストルズやクラッシュに
代表されるパンクやのニューウェーブの嵐が過ぎ去り、デュランデュランや
ABCといったコマーシャルなグループが日本でも人気を博していた時代。
何か僕は自分の心のよりどころになるような音楽がなくて、とても居心地の
悪い音楽生活を送っていました。
そんな僕の心の荒れ地にヒョロッと小さな芽が生えてきました。
それがこのベンワットでありトレイシーソーンであり、あるいはザ・スミス でした。
優れたポップミュージックに普遍性があることは一般的にもよく言われている
ことだけど、このベンワットのアルバムにはさらに何か特別な、時代に左右されない
輝きが宿っています。
27年経過した今も、その輝きの質が変化していないのが素晴らしいです。
朝の3時くらいから海へドライブする時に聴くのが好きでした。