百田尚樹さんの「ボックス」を初めて読んだのは中学3年の春でした。
当初はまだ本を読むことに親しみがなく、ただ「ボクシングってカッコいい!」「自分も強くなりたい!」という感想を持っただけでした。そういえば、ボクシング部のある高校を探したりしましたね。懐かしい。
久しぶりに読んでみると、心に残るシーンというものが変わっていました。
今回印象的だったのは、ボクシングの天才と言われる鏑矢が、努力で強くなった幼馴染の木樽に完敗したあと、木樽を鍛え上げるために自分の身を削ってトレーニングに付き合う姿です。
「『誰かのために自分を捧げる』というのはこういうことか」と商売の基本となる姿勢を感じました。
思えばこれまでの人生、いつも「自分が何をしたいか」「何を楽しいと感じるか」ばかりを考えていました。だからなのか、「人のために何かをする」ということを上手く想像できません。本当に心から「この人のために何かしてあげたい」と思ったことは無いみたいです。このままでは商売やお金稼ぎなんて言っている場合ではありません。社会や人と真正面から向き合っていかないといけないなと思いました。