「感謝」「陰謀」山中氏ノーベル賞に中国ブログ
読売新聞10月11日(木)7時17分
【北京=牧野田亨】山中伸弥・京都大教授のノーベル生理学・医学賞受賞決定のニュースは、日本の尖閣諸島国有化を発端にした反日感情の高まりが続く中国でも一斉に報じられた。
インターネットのブログでは、「日本は中国の敵だが、科学技術振興に関しては師とするべきだ」などの意見が目立った。
中国各紙は9日、新華社通信の配信記事を使い、「英国と日本の科学者が賞を分かち合った」(新京報)などとする見出しの記事を掲載。受賞対象となった研究内容を中心に、事実関係だけを淡々と伝えた。
これに対し、あるブログでは「今の状況では、私は日本を拒む人を尊重し、理解する。しかし、より重要なのは日本をののしったり、(日本車などを)攻撃したりするだけではだめだということだ」と指摘。「日本人は東アジア人が欧米列強に劣らないことを証明した。日本人に感謝しなければならない」としたうえで、中国人民の奮起を促した。
また、別のブログは「日本は科学技術に巨費を投じ、財政難でも削減しない。科学技術は日本経済の生命線と考えているからだ」と分析した。
一方、「日本経済はこの10年で停滞しているのに、ノーベル賞受賞の勢いはなぜ逆に高まっているのか」と疑問を投げかけ、「国際的な反中勢力が、中国に悪意をふくらませ、ノーベル賞を利用して日本を持ち上げ、中国人の自信を抑え込もうとしている」との“陰謀説”をとなえる書き込みもあった。
まあいずれ、中国人も科学分野でのノーベル賞を輩出するだろう。スポーツや経済での躍進をみていると国を挙げて取り組めば近い将来可能だ。
しかし、科学の分野では研究の積み重ねによる真実の追究が必要だ。コピー・フィクション・プロパガンダがいくらうまくても真の研究は進まないし、逆に妨げになる。
まず初めにすることは歴史的事実を追求することから始めるよう。事実誤認では歴史認識の違いも何も無いからだ。
事実に基づく研究であれば、日本は喜んで協力する。
未だに1940年代に留まり続ける中国を解放する事にも協力できるだろう。