CLOUDNOTE-雲の旋律-

イロイロと少し立て込んできた今日この頃、なかなか夜空をじっくり見る機会が無かったのだが、久し振りに素晴らしい星空に巡り合えた。

そもそも静岡の宵のうちの晴天率はかなり悪いので、期待と不安半々だったのだが、高原に到着してみると、快晴。
月明かりも無く、綺麗な天の川と夏の大三角、南に横たわるさそり座と、季節はダイナミックな夏の夜空へと変貌をとげていた。フォトはちょうど天頂付近で、対角線上に天の川が流れている。

スペースシャトルが現役を退き、次の宇宙機を作り出せないでいるNASA。日本も東日本大震災によって否応無く宇宙関連の予算も削減されてしまうだろう。
天文学は観測技術によって宇宙の果てまで見渡そうとしている。今や一般の俺達も390光年先のアルビレオという美しい二重星や1500光年先のオリオン大星雲という華やかな星雲を見る事が出来る。それにもかかわらず、人類は未だ地球から38万kmまでしか行けていない。
自然エネルギー利用とは言い換えれば宇宙エネルギー利用に他ならない。宇宙開発を推し進めて少しでも効率良く身近な恒星である太陽のエネルギーを取り入れられないものだろうか。
せめて、軌道宇宙港や宇宙エレベータなどの建設を行い、一般人も青い地球や大気の無い本当の星空を見れる・・・そんな時代が来てくれる事を願いたい。

願いは通じるはず。だってこの日は特別に流星が多く、火球が落ちたり、望遠鏡の視野内にも流れた(初めての体験だった)位だから。

だからついでに・・・自分の人生も少しでも良い方向に変わってくれる事を願ってみたのだ。


CLOUDNOTE-雲の旋律-


CLOUDNOTE-雲の旋律-

大阪は阿波座の”カフェマーサ”にて矢野絢子のライブに参加してきた。
この日は高速休日1000円の終了2週間前ということもあったし、名古屋にも行きたかったので車で片道6時間かけて行って来た。

お目当ては勿論、きっと矢野さんにとっても思い入れの強いだろうファーストアルバムの歌。
そしてマーサに設置されたスタインウェイ。

前回、浜松で楽器博物館に行って年代物のピアノ達に出会ってしまった俺は、その後のライブがキーボードだったが為にどうしても生ピアノの音を聴きたいと思っていた。(キーボードが嫌いな訳ではない)
そんな俺の思いを読み込んでいたかのように
ピアノは一級品。このライブがあり、しかもたまたま休み、しかも土日連休、という最高のお膳立て(高速割引終了間際ということも含めて)をされていたなら、もう行くしかないでしょう。

ライブはアルバムめぐり「ナイルの一滴」という事で、1stアルバム全曲を順番を変えて行い、ゆっくりと間に当時のエピソードを交えながら進んでいった。 音楽以外のバイトでことごとく失敗した事、音楽しかないと必死で曲作りをした事、メジャーデビューへの戸惑い、不安、自分が無くなってしまう事への恐怖。
時々笑いも交えながら語ったそれらの事は、きっと当時は笑うどころでは無かった筈で、矢野さんの輝きの原点を知れた気がした。

アンコールでは最新アルバムより「唄の舟」「まっすぐブルース」を歌ってくれた。
矢野さん自身も”歌っているうちに当時の気持ちが蘇ってきた”と言っていたその後での『漕いで漕いで漕いで・・進むんだ』『折れ曲がって捻じ曲がって・・まっすぐ行こう!』というフレーズはこのライブの締めにはふさわしい説得力を持っていた。

そしてそこに乗るスタインウェイのまろやかな響き。
ピアノの音は諧調が広く、現代の録音技術をもってしても完全コピーするのは至難の技と聞いた。
その場だけの声、その場だけの音。歌い手の思いと観客の思いを乗せながら最高の盛り上がりを見せた。
まさにライブ=生きている瞬間。

そうは思いながらも、不純かも知れないが、このライブは高音質で録音してCDorDVDにして欲しい・・そんな気持ちにもなった。

つまり、耳も心も大満足だったのだ。


CLOUDNOTE-雲の旋律-

6月16日4時22分は皆既月食だった。
天気は曇りということで、期待は薄かったが、当日休みという事もあり、
西伊豆スカイラインから駿河湾を御前崎方面に臨む高台で待ち構えていた。

今回の月食では皆既になると同時に地平線に沈んでしまうという「月没帯食」である。
つまりなるべく高いところから、西側が開けた場所で見ないと皆既を長時間見るのは難しい。
勿論、九州や沖縄など西に行けば行くほど見えやすくなるのだが、仕事終わりに行く距離では無いので近場で、山の上で西側が低い所を探したらそこだったのである。

本当なら、その条件に合う場所は家の近くだと”富士山新五合目”がベストなのだが、今は夜間通行止め。そこだったら雨雲の上に出られたかも知れなかったが・・・。

全く厚い雲で月の影も見えない状態だったが、運を天に任せて出発すると、伊豆に着いたらなんと月が出ているではないか。少し朧になっていたが、月面も分かるくらいくっきりと出ていた。しばらくすると星まで・・・。

すぐに雲に隠れてしまうだろうと思っていたが、3時頃まで完全に姿を隠す事は無かった。これは、もしかするともしかするのか・・・?

と思っていたら、あれよあれよと分厚い雲がやって来て、3時15分には完全に隠されてしまった。なんと食が始まる7分前である。

というわけで、上のフォトは3時13分の”食が始まる10分前の”月。
実に悔しい敗退であった・・・。