不妊治療のクリニック通院を再開している。クリニックが使っている予約や呼び出しシステム(アットリンク)がサービス停止中で、少々不安だった。が、予想外に院内で過ごすのは快適だった。即席で作られた呼び出しシステムは、機械が番号を読み上げてくれるので注意分散の負担が少なく、イライラしなかった。アットリンクが復活したあとも、呼び出しだけはこの方式が継続されると良いと思った。また、待ち時間もいつもより少なかった。採血もあったのに、院内滞在は2時間以内だった。クリニックからしたら来院する患者人数が読めないので、普段より多めのスタッフを配置しているのかもしれない。ありがたい。


 今回は、様々な検査をする検査周期で、移植のデモンストレーション周期みたいなもの。移植の時と同じ方法で排卵させた後、子宮内膜の胚の受け入れ準備状態を調べる。それ以外にも、子宮内膜の様子をカメラで調べたり、子宮内の慢性炎症の有無やフローラの種類を調べるらしい。

移植方法は

・単一胚移植

・自然周期

の予定で、今回もそれに合わせて行う。

(人によって家庭環境や体質が違い、合う方法はそれぞれ違う。)

次の通院で慢性子宮内膜炎の検査をするが少し怖い。一年半前に採卵と一緒にやった時は、採卵で弱っていたところに検査でトドメを刺され、ぼろぼろ涙を流してしまったので少々不安だ。泣かないようにしよう。



(追記:以下、痛みを和らげる脳内物質としてドーパミンをあげていましたが、ランナーズハイを起こしたり、痛みを和らげる作用が一番大きいのはエンドカンナビノイドとβ-エンドルフィンらしいです。訂正します。)

 不妊治療をしているうちに、過去の出来事への内省が進み、自分の、痛みに対する耐性に関する考察が深まってきた。

おそらく、私は自分で痛みの強度をコントロールできる状況や、自分の内部から徐々に起こす痛みに関しては、エンドカンナビノイドやβ-エンドルフィンやドーパミンが強く働くタイプでめっぽう強い。第一子の出産の時、夫の立ち合いもなしで、泣き言を言わず、とても静かに産み落とした。陣痛が徐々に強まるにつれ、エンドカンナビノイド、β-エンドルフィン、ドーパミン分泌も、ともに高まっているのがわかった。(バイクを長時間漕ぎ続けているとだんだんハイになってくるのと同じ。)自然分娩だったので、もちろん痛みはあるが、それ以上に長期間お腹に納めていた息子を外に出せて、身体の底から湧き出す排出欲が満たされたようで、産み落とす瞬間は気持ちがよかった。また、筋トレ中や筋トレ後の痛みは、筋肉組織が強くなる証拠なのでむしろ嬉しい。

一方で、外から与えられる痛みが苦手だ。コントロールできないし、予想もつかないし、身体が痛みに対して準備ができないのでエンドカンナビノイド、β-エンドルフィンなども出ていない。

例えば、出産後に退院前診察がある。入院病棟の廊下の一番端に外来とは別の診察スペースがあり、経過の順調な出産後の人が集まる。診察スペース前の長椅子数脚は、束の間の井戸端会議場となっていた。診察の場所とはカーテンで仕切ってあるだけなので、会話は丸聞こえだ。会陰を縫った糸を抜くのが嫌すぎて騒いで断っていたのは私1人だった。「溶けることは溶けますが、時間がかかるので糸を抜いたほうが楽ですよ。引き攣れがなくなるので痛みが和らぎますよ。」と医者に何度もしつこく言われたが、「いいです!お願いだから、触らないでください。」と断り続けて逃げ切った。エコーだけで泣きそうだった。出産の時は向かいの部屋の人も隣の部屋の人もあんなに騒いでいたのに、みな平気そうだった。周産期医療センターだったので周りの方に比べて年齢が下だったせいか、診察後に皆さん集まって来て、「大丈夫よ。出産に比べたら全く痛くなかったよ。」「糸を抜いてもらったほうが絶対いいよ。」と親切にも声をかけてくれた。いや、パツパツに腫れてるのに痛くないとか嘘だろう。理解不能だった。


要は、私はどうやら人とは痛みを感じるタイミングがズレているのかもしれない。