夫が胸椎破裂骨折の大怪我をしてから丸3ヶ月。今日、夫が会社のある他県に戻って行った。留守を守ってくれた従業員が待っているから。

長かった。しかし、貴重な時間だった。


 我が家は家族形態が変わっている。2拠点で生活しており、一つは東京、もう一つは会社のある他県。夫の仕事の拠点は、他県と東京の二ヶ所。息子の教育拠点は東京だ。

先週、塾の夏期講習の帰り道、

「もうパパは帰っているかな。」

「帰ったらパパがいるかもしれないから、急いで帰ろうか。」

こんな会話を息子としながら、このありふれた会話が、我が家では初めてだな、と気づく。

これまで、夫が東京での仕事のために家にいる時も、私たちより帰宅が早いことなんて一度たりともなかった。

そもそも、海外旅行に行った時を除き、息子は連続して二週間以上の期間を夫と同じ屋根の下で過ごしたことがない。夫が今月18日に退院し、今日まで、生まれて初めて、長期間同じ家にいたことになる。


 息子と何百回と読んだレオ・レオニの「スイミー」の中に、好きな場面がある。


スイミーは かんがえた
いろいろ かんがえた
うんと かんがえた
それから
とつぜんスイミーはさけんだ

「そうだ!」

「みんな いっしょに およぐんだ
うみで いちばん
おおきな さかなの ふりして!」

スイミーは おしえた
けっして
はなればなれに ならないこと
みんな もちばを まもること

みんなが 一ぴきの
おおきな さかなみたいに
およげるように なったとき、
スイミーはいった
「ぼくが めに なろう」



私たち夫婦は今日からまた、日常へと戻っていく。

それぞれがそれぞれの持ち場でやるべきことをやる、それが私たち夫婦の形だ。それが一番、それぞれの力を発揮できる形だから。一粒種のかけがえのない息子に、最善の環境を与えてやれる唯一の方法だから。