この日、このクリニックで7度目、人生で8度目の採卵日を迎えた。家を出た時、どこからともなく黄色いナナホシテントウが飛んできて、私のシャツにとまった。羽化したてのナナホシテントウは黄色い。何か良い兆しのような気がして、束の間、駅までの道をシャツに乗せたまま歩いた。
さて、私の卵巣といえば、難儀なヤツで、これまで、DHEAを飲むと卵胞が爆増するものの、卵子回収率が低くなる、という謎の性質を持ち合わせていた。そのため、卵子回収率の低さに悩んだ私は、前回、前々回、DHEAを抜いて採卵に挑んだほどだ。しかし、DHEAの効果が完全に抜け切ったと思われる前回の採卵では、そもそも卵胞が育たず、採卵数は史上最低を記録。又、何より某氏の「DHEAを飲むべき。卵胞がいくつ見えて、そのうちどれだけ取れる、と言った過程よりも、最終的に採卵でいくつ獲得できるかが大事。採卵において数こそ正義。」という一貫した姿勢に後押しされ、今回、再びDHEAに頼っての採卵をすることにした。
採卵当日、DHEAを飲まない時よりは確実に、最終の獲得数が得られることはわかっているので、卵胞数に対する回収率は気にしないつもりであった。しかし、やはり気にはなってしまうもので、診察室の前で待機している間は気もそぞろだ。
診察室にて、某氏が第一声、こう言った。
「いい知らせと悪い知らせがあります。」
ϵ( 'Θ' )϶ フリーズするわたくし。。。。
「卵子は20個取れました。」
∑(゚Д゚)!!!
想像もしていなかった数字に、椅子から転がり落ちそうなくらいの驚きがあった。
黄色いナナホシテントウは、本当に吉兆だったのかもしれない。某氏は卵子回収率100%という快挙を成し遂げてくださった。獲得できた卵子数は、採卵決定時点の診察で見えていた10ミリ以上卵胞数とちょうど同じだった。採卵数としても過去最高。卵胞の大きさなどから、更に1日刺激日数を延長したご明断も功を奏したと思われる。
また、どうやら私の卵胞は少し曲者で採りにくいようだが、刺し方も工夫してくださったようだ。
悪い知らせは、夫の精液所見の結果だった。精子濃度が低く、ZyMotも使えない数字だった。20個全てをIMSI、PICSI付きの顕微授精へ。全てを培養室の方々の手に託す。
夫婦二人とも調子が良いのが一番だが、夫婦は二人で1チームなので、どちらかが調子の悪い時は、もう一方が補えれば良い。私の卵子の数が夫の調子の悪さを少しでも補える結果になれば良い、と思う。
こうして、長いようで短いような、7回目の(人生で8回目の)採卵周期は終わった。糖化対策も運動もBMIのコントロールもサプリメントの服用も注射も、できることはやった。悔いはない。
そして何より、某氏をはじめ、関わってくださる全ての人に、心より感謝したい。