ひとつ 光

ひとつ 光


震える光のみを 見つめ

描けども指をすり抜ける 千切れた雲の如き幻想を

内なる火種に 歩き続ける

くるぶしを浸す 失意の泥に

足をさらわれて しまわぬよう

心を冷やされて しまわぬよう


夜空に星と見ゆるは

幾万年を旅せし 光の亡霊

私が縋る その光も

何かの残像にすぎぬやもしれぬ


我が子とて

我に属すと思ったことはない

この強引な手招きが 許されるのならば

一つの輝きを放つ 一つの凛たる個として

私という「通路」を使い

この世界に 

生まれてきてほしい


ひとつ 光

ひとつ 光

かそけき光