八月半ばあたりに “Percy Jackson”(1-5)の本を渡してから、息子はどハマりし、電車の吊り革につかまりながら移動中も続編を読み続けている。“Heroes of Olympus” (1-5) も読破し、更なる続編の “The Trials of Apollo” (1-5)の4巻目を読んでいる。これらの話にはギリシャ神話の神々やローマ神話の神々が登場する。

 先日「任意の2つのcultureを、様々な側面から比較しなさい。(アカデミックライティングの形式で)」という宿題が出た。ギリシャ神話とローマ神話は古代ギリシャ時代、古代ローマ時代の神話なので、息子は「古代ギリシャと古代ローマを比較する!」と言い出し、古代ギリシャと古代ローマを政治、宗教、言語、アート、食などの側面で比較し始めた。特に面白かったのが、パーシージャクソンの世界にハマっている息子が、古代ローマが古代ギリシャを吸収したことから、ギリシャ神話の神々がローマ神話の中で、見た目や性格を変え現れることに着眼し、古代ギリシャと古代ローマの人々がそれぞれ神話に求めたものを考察していた点だ。


 これまで息子の興味は理科的な方面に偏っており、地理や歴史にはあまり興味がなかった。日本の歴史などの本を与えると、どの巻も人が戦い、死にまくるので、「僕は歴史を読むと悲しくなっちゃう。」と言って本棚の奥にしまい込んでしまっていた。ところが今回、パーシージャクソンの世界から、古代ギリシャや古代ローマの歴史や政治に興味を持ち、夢中で調べ出したのが嬉しかった。


 古代ギリシャと古代ローマの言語を調べると、古代ギリシャでは古代ギリシャ語、古代ローマではラテン語が使われているとわかる。インターネットで「古代ギリシャ語翻訳機」というのがあり、そこに “The Trial of Apollo”に出てくる予言を入力して、これは本当は古代ギリシャ語やラテン語で書かれていたはずだ、と言ってラテン語や古代ギリシャ語を眺めたりもした。


そして、「ラテン語を僕は意外と知っている!」と翻訳されたラテン語を見ながら息子が喜んでいた。確かにラテン語の “sept” は英語でも7の意味であり(“September” は7番目の月、という意味である)、 “semi” は英語でも “half” の意味であり、という風にラテン語が英語の中に単語の一部として機能している。「英語の単語の一部はギリシャ語・ラテン語由来だからだよ。」と、英単語の語源集も引っ張り出した。


 今日は息子の誕生日。12年前、渋谷区の広尾日赤で生まれた。ぺとぺとした温かい重みが胸の上に乗せられた感触を今も覚えている。子供が大きくなると、色んな話が通じるから話すのが楽しい。これは夫においては特に顕著で、小さい頃は可愛がってはいたが、遊んでいてもあまり間が持たない感じだった。徐々に、将棋やボードゲームができるようになったり、少し複雑な話が通じるようになったりすると、息子との時間をとても大切にし始めた。母性と父性の発現の仕方は少し異なっていて、父性は息子が人間らしくなる毎に強くなるみたいだ。


息子の成長記録も兼ねて長々と書いてしまった。

息子に伝えたいことは一つだけ。


息子よ、生まれてきてくれてありがとう。