ジム・コリンズ、ジェリーポラスの「ビジョナリー・カンパニー」を読んでみました。
ビジョナリー・カンパニーとは
ビジョナリー・カンパニーとは、ビジョンを持っている企業であり、未来志向の企業であり、同業他社の尊敬を集め、世界に大きな影響を与える企業のこと、です。
一言で言うと、超一流の企業のことです。
どんな企業かというと、
IBM
ウォルマート
3M
ボーイング
ソニー
ヒューレット・パッカード
ウォルト・ディズニー
などといった企業です。
あれ
マイクロソフトは?
グーグルは?
アップルは?
入っていないんですね。
ちょっと古い本で、1994年に書かれているということと、創立から50年以上続いている企業、という条件があったのです。
IT企業は、調査対象とするにはちょっと若かったようです。
ビジョナリー・カンパニーはここがちがう
ビジョナリー・カンパニー、とは、ビジョンを持っている企業であり、未来志向の企業である、とお伝えしました。
ですから、ビジョナリー・カンパニーが事業を始める際には、やっぱり、アップルのスティーブ・ジョブズのようなカリスマ的指導者が、すばらしい先見的なアイデアを実現していった、と思いますよね。
私は、そう思っていました。
「アイデアが一番大事でしょ」って。
ところが、意外に事実は逆でした。
逆 なんです!
すばらしいアイデアがあってはいけないのです
どういうことかと言うと、もちろん一流企業の中には創業者が素晴らしいアイデアを持ち、世に出た時から一気に成長していく企業もあります。
ところが、企業として早い時期に成功すると、ビジョナリー・カンパニーにはなれないようなのです。(本文では「逆相関している」と表現しています)
その理由は、「すばらしいアイデア」にこだわってしまうからです。
ビジョナリー・カンパニーになるために最も重要なこと
創業者がアイデアにこだわると、そのアイデアが失敗した時、会社まで諦めてしまう可能性があります。
ビジョナリー・カンパニーの創業者たちは、組織にこだわりました。
例えば、現在パソコンなどを製造しているヒューレット・パッカードという企業があります。
この企業の創業者ビル・ヒューレットとデーブ・パッカードは、ふたりとも工学部出身で、製品を設計する能力は十分ありましたが、早々に自分たちの仕事を「組織を設計する」ことに切り替えました。
つまり、トップの自分たちがアイデアを出すよりも、優秀な人材が自由にアイデアを出せる環境を作るほうがよい、と考えたわけですね。
じっくりと時間をかけて成長した企業の方が、組織をしっかりと作っていけるようです。
組織がしっかりしていれば、優秀な人材が出してくれるアイデアは尽きることがありません。
組織を作るってどういうこと?
あなたは、組織を作る、と言うと、何を想像しますか
優秀な人材を募集して、
指揮系統を整備して、
トップの意志が企業全体に伝わるようにして、
従業員の意見を吸収できる機能を整備して・・・
なんて、難しいことを考えたりしませんか?
多くのビジョナリー・カンパニーにとって、組織づくりとは、企業の基本理念を徹底的に社員に教育することのようです。
この本では、その様を「カルトのようだ」と表現しているほどです。
企業の基本理念とは、国における憲法のようなものです。
ただ、憲法のように長くはなく、普通5~6文ぐらいです。
例えば、こんな感じです。
「顧客の期待以上のことをする」 ウォルマート(大規模小売店を経営)
「航空技術の最先端に位置し、パイオニアになる」 ボーイング(航空機産業)
「われわれは人々の生命を維持し、生活を改善する仕事をしている」 メルク(製薬産業)
企業の基本理念や独特の慣習が自分にあっている人には、ものすごく居心地がよく、その企業のために献身的に働きます。
ところが、基本理念や独特の慣習に疑問を感じてしまう人に居場所はありません。早々に退職することが求められます。
ただし、教育といってもガチガチに社員の行動を制限するものではなく、基本理念に沿った行動をする限り、各自の判断で行動することを奨励しています。
社員それぞれが権限を大胆に移譲されており、やりたいことがのびのびと出来る風土があります。
ですから、ビジョナリー・カンパニーは、困難な状況にも社員一丸となって対処することができ、同時に、社員が生み出す様々な発想を上手く製品化することができるのですね。
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