この本の著者カルロ・ロヴェッリ。
彼は古代ギリシャの哲学者アナクシマンドロスに夢中だと言います。
アナクシマンドロスによれば、始源たる無限なるものは単一であり運動するものである。無限なるものから存在する諸事物は生成され、存在する諸事物は無限なるものへと消滅する。ここでの生成消滅は、対立相反しあうものが永遠の動をつづけながら分離することによるのであり、この円環運動は無限の劫初から行われている。そして人間の営みも存在するものの中に含め、生成消滅を罰と償いで説明しようとした。
※wikiより抜粋
この2600年前に生きた人物は
地球がなんの支えもなしに宙に浮いていることを知っていたとロヴェッリは主張します。
事物は必要に応じて、ほかのものに変わる。
そして時間の順序にしたがって、正義となる。
これは彼が遺した著作の断片。
天文学や物理学はこのアナクシマンドロスの言葉に従って展開し
現象が「時間の順序に従って」どのように起こるのかを理解しようとしてきました。
しかし、前回書いたように時計ごとに刻む時間は異なります。
ではいったいどの時間が「ほんとうの」時間なのか?
この問いには意味がないとロヴェッリは言います。
それは、イギリスポンドの紙幣価値をアメリカドルで表した値と
ドルの価値をポンドで表した値のどちらが真実かと尋ねているのと同じで
「ほんとうの価値」というものは存在しません。
同様に「ほんものの時間」も存在しません。
異なる時計が指している2つの時間があるだけ。
いえ、2つどころか、空間の各点に異なる時間が存在するのです。
唯一無二の時間ではなく、無数の時間が存在します。
この世界は、ひとりの指揮官が刻むリズムに従って前進する小隊ではなく
互いに影響を及ぼし合う、「出来事のネットワーク」なのです。
以上が、アインシュタインの一般相対性理論による時間の描写だそうです。
(さっぱりわかりませんが・・・)
この方程式の中には単一ではなく無数の「時間」がある。
※こちらからお借りしました
物理学では、ものごとが「時間の中で」どのように進展するのかではなく
「時間同士がお互いに対し」どのように進展するかを述べているのです。