前回から、漫画ワンピースの原作者、尾田栄一郎さんの宿命を観ています。

 

 

 

 

 

 

玉堂星といえば、穏やか、かつ正当な入力機能というイメージですが、ふたつ以上あれば、龍高星に近い性質を帯びてきます。

 

また、玉堂星ふたつはじぶんの考えに忠実にはなりますが、鳳閣星・調舒星という出力星を剋すために、主観を離れた冷静な感情を醸成します。

 

 

 

尾田氏の場合、その玉堂星はふたつとも中殺を受け、これは開拓精神になります。

 

ワンピースの主人公、ルフィは任侠映画に出てくるような侠気(おとこぎ)あふれる義理堅い海賊。

 

 

尾田:

『座頭市』も全部見てると思います。

任侠モノは大好きです。

 

鈴木プロデューサー:

ほんとうの事言うとね、『ワンピース』読んでね、最初の感想「なんだこれ、ヤクザ映画だな」と思ったんですよ(笑)。

わかったの、あれ。『ワンピース』ってすごい日本的。

任侠モノだよね、はっきり言うと(笑)。

 

※ここから抜粋させていただきました。

 

 

まさに海賊は未知なる世界に漕ぎ出す開拓者と言えるでしょう。

 

 


 

陰占を観ると、起点は日支中元の龍高星の改革的知力。

 

ここに害があるので、この知力や改革力は摩擦なくスムーズに発揮されます。

 

 

これが本元鳳閣星(客観的表現力)に入り込み、それが自分の本分である月支車騎星・純粋な一気(一本気・天啓)を打ちます。

 

改革的観察力・表現力から生まれるインスピレーションが、年支本元の玉堂星中殺→中元中殺石門星→中殺調舒星に流れ込みます。

 

この調舒星(じぶんの気持ち)を、天干にある玉堂星中殺が激剋して空にして入り込みます。

 

 

この年干玉堂星(目上・伝統)こそが王道「少年ジャンプ」であり、「少年漫画」そのものなんでしょう。

 

ここに中殺があるのは、『既存にはない』「初代創造」を、より自由に達成するためなのかもしれません。

 

 

神干火性・玉堂星

内面に大きな矛盾と葛藤を持っている。不遇の中で創造力、知力が高まる。幸福時の創造ではない。「初代創造」無から有を生み出す力、この世に存在していないものを生み出す力で、単なるアイデアではない。神に生かされていながら神に味方してもらえない。その悲しみが形を変えて創造の原点となる。動乱期の知恵、策士。自然界の小さな法則から学ぶ。学問よりも実体験的な知性のほうが身につくので、現代の高等教育が備わるほど真価を発揮し難い。    
 

 

そして、この天命を受けた玉堂星が、龍高星から巡りめぐって最終的に中殺調舒星が創造した「ワンピース」に形を与え、月干石門星(丙)に流れ込みます。

 

石門星はじぶん(丁)と同等の存在。

 

 

この石門星は、尾田氏がなによりもたいせつにしている「読者」。

 

ワンピースに胸踊らせる少年たちであり、ワンピースとともに育って今は親になり子どもよりもワンピースを楽しみにしている大人たち(私もここに入る)であり、子供の頃から少年漫画を愛し続けている尾田少年自身なんでしょうね。

 

 

 

 

尾田氏の宿命には前剋(司禄星・禄存星)がありません。

 

これは一業に向かうための仕掛け。

 

後ろ剋も月支の車騎星ひとつだけ。

ほぼ自分循環で、じぶんの思いを外す生き方はできません。

 

 

 

実は以前、尾田氏の高校時代の担任をされていたM先生とお話をする機会がありました。

 

大学進学に関しての面談時、尾田少年は「漫画家になりたい」と言ったそう。

 

M先生は、まあ当たり前ですが「漫画家は厳しい世界。そんな甘いもんじゃない。やめたほうが」的アドバイスをされたそうです。

 

 

後年、そのことをとても後悔されていました。

 

まさか、ギネスにのるほどの漫画家になるなんて、尾田少年本人も想像もしていなかったでしょうし、しょうがないですよね。笑

 

 

 

今回、尾田氏のいろんな語録を読んで、あ〜こりゃ中殺だなと思ったのが、この発言↓

 

「ぼく、初めて読んだ松本さんの作品が『鉄コン筋クリート』だったんですが、アレは空想バリバリの作品ですよね。主人公の子供たちが鉄パイプを持って暴れまわるのが大好きで。

 

最近自分の作品でも使っちゃいました。彼ら(エース、サボ、ルフィ)が、鉄パイプを手に戦っているのは『鉄コン筋クリート』の影響なんです。「やっぱり子供には鉄パイプだよなー」って

 

 

「やっぱり子どもには鉄パイプ」笑

 

こういうイカれた感覚は同じ中殺者だなあと感じます。