ピアノ教師ひとすじだったころ、毎年発表会を開いていました。

 

子どもたちが発表会で弾く曲は、「これが弾きたい」という要望がない限り、教師である私が決めていました。

 

 

選曲は楽しいのですが、かなり時間をかけます。

 

まず考えるのはその子の特性とイメージ。

 

運指が軽やかな子に、ゆっくりした曲も悪くはないですが、せっかく持ってるものが活かせないともったいない。

 

力強い音が出せる子には、そのスケールを活かした重量のある曲を。

 

まだちょっとたどたどしさが残る子には、連弾やバックミュージックを使い、拡がりのある曲を選んで音楽性の豊かさをプラスしたり。

 

 

毎日いろんな楽譜を開いて試し弾きしたり、レコードを聴いたりして選んでいました。

 

 

 

でも、いちばんたいせつなのは、発表会のあとに、技術や音楽性がワンランクアップしていること。

 

だからその子が苦もなく、すぐ弾けてしまうような曲は選びません。

 

「これが発表会の曲だよ」と弾いて聴かせる段階では、必ずほとんどの子が

 

「え〜〜〜むずかしい〜!こんなの弾けない!」

 

と言います。笑

(なかには、えっこんな曲弾けるの?嬉しい♡という子もいましたが希少種。笑)

 

 

でも、難しすぎて他の曲に変更したことは一度もありませんでした。

 

発表会までに全員、かならず、弾けるようになるんですよね。

 

 

 

そして、もうひとつやっていたのが、途中から弾き始める練習。

 

発表会って、ご両親だけでなくおじいちゃんおばあちゃん、兄弟姉妹、ときには友人も聴きに来ます。

 

いつもと違う場所と雰囲気の中で、いつも弾けてる曲なのに間違ってしまったり、忘れてしまったり、演奏が止まってしまうこともあります。

 

そんな時、通しの練習しかやってなかったらつぶしが利かないんですね。

 

通しでじょうずに弾けるようになったら、必ず途中から弾き始める練習をしました。

 

すると、どこからでも弾ける、という自信から、子どもたちも間違うこと自体少なくなっていったように思います。

 

 

 

中年期天報星らしく、今はピアノを教えることから遠ざかっていますが、いい経験だったなあと思います。

 

調舒星大運から始めた音楽の仕事。

 

大運終わりごろから自分の子どもが次々に増えて、調舒星の中身が「音楽」から「子ども」に置き換わってしまいましたが。笑

 

 

 

なぜ今頃、ピアノを教えていた時のことを思い出したかと言うと、なにごともなにか目標があるほどモチベーションが上がって力もつくよね・・・、なんてことを考えていたから。

 

最初はできるなんて思っていなかったけど、やってみたら意外と身についていて案ずるより生むが易しだったってことも多い。

 

昔、じぶんが子どもたちに教えていたことを、今頃しみじみと自分自身が感じているっていうのもなんかおもしろいなって考えていました。