内定を勝ち取る | もっと「夢」を、「熱い想い」を。「想い」があるから言葉は生きたメッセージ。

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未来への「希望」を見せて!「想い」発信しよう!人を繋ぐのは「言葉」です。「言葉」には、人を動かす力がある。人は幸せになるために生きている。

<第一章 内定を勝ち取る 1-1>


 役員面接を終えた 佐藤誠は、スマート電気の市ヶ谷本社ビルから外に出た。駅に向かう交差点で、信号待ちをしていた時、後ろから華やいだ声が聞こえた。

 「どうでしたか?」

 後ろを振り返ると、人事担当役員の執務室前でパイプいすに腰掛けて待っていた時、隣にいた女性が微笑んでおり、佐藤は、その質問が自分に向けられたものだということをようやく理解することができた。

 「私、小平美術大学の鈴木由美子と申します」

 まるで役員面接の続きのような丁寧な言葉使いとは裏腹に、いたずらっぽい笑顔を浮かている。

 佐藤は、心の中で「この就職難の中、役員面接の後で、なんて余裕なんだ」と思って、女性の顔を見た。緊張していたためにそれどころではなかったが、改めて見ると整った顔立ちである。

 一方佐藤の方はといえば、担当役員の予想外の質問にうろたえてしまい、その後のやり取りを完全に覚えていない状態だった。

 面接の際、役員の第一声は、こうだった。

 「君のメガネフレームは随分と派手だね?」

 佐藤のメガネフレームは、ブルーのチタン製で、側面に基盤のプリント配線のような模様が入っているものだ。デザイナーの卵である佐藤にとって、この程度のメガネフレームは、特に派手ではないと思っていたし、まさかそれが、最初の質問だとは思わなかったのだ。

 鈴木由美子は依然として華やいだ声で続けた。

 「そのメガネフレーム、素敵ですね。私、待っている時からそう思っていたんです。もう、フリーで活躍しているデザイナーみたい。」

 打ちひしがれている佐藤の気持ちも知らず、既に人事担当役員から内々で内定をもらったかのように、鈴木由美子は楽しそうだ。

 「私、緊張して喉が乾いちゃった。一人で喫茶店に入るのもなんだから、一緒にいかがですか。」

 佐藤は、「何言ってんだこいつ」と思わなくもなかったが、そう言われてみると、自分も喉がカラカラであることに気が付いた。