陥穽 -7ページ目

陥穽

陥穽(かんせい):落とし穴
詐称・詐欺・偽装・・・世の中はさまざまな陥穽に溢れている
騙されちゃいけない、なんて事書こうと思ったけれど・・・
感想文が多くなってしまった(^^;


これの紹介が途中でしたw

先の項↓
滾る血の拳?B・B(横須賀偏)
http://ameblo.jp/closevia/entry-10795865888.html
穢れざる拳?B・B(闇世界偏)
http://ameblo.jp/closevia/entry-10809187716.html

前回にも書いたのですが、前回分までのネタバレは避けられません。
極力影響の無い程度に留めますが、やっちまった際にはご容赦下さい。

大好きなボクシング漫画BBの第三部です。
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因縁の試合から、マフィアに追われる身となったBB
緒戦から彼を支援してきた正体不明のマジシャンと名乗る男の手引きで、首尾よく闇ボクシングの会場から脱出を果たす。
アメリカ全土に渡ってその勢力を伸ばすマフィア一派から逃れる唯一の場所として、マジシャンBBを連れてきたところ、そこは、CIA直轄の傭兵訓練施設施設だった。
ここで、傭兵としての訓練を受け、大統領に最も信頼を受けている傭兵部隊『眠れる羊たち』に入隊し、それなりの成績を挙げれば、アメリカの市民権を得る事も可能だという。
そんな場所を紹介したマジシャンはいったい何者なのか、そんな疑問を余所に、早速、教官ウヅィの指導の元、バイブルソウルマンエッジと名乗る新入りと共に、傭兵の訓練が開始された。
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トンデモ系、というより、もうボクシングですらなくなってしまっています。
今回紹介している第三章は、起承転結の、転の部分に当たりますが、なんかもう転びすぎ、ってな感じです(^^;

とはいえ、実は私はこの章がとても気に入っているのです。

最初は、傭兵という、日本人に馴染みの無い題材が刺激的でかっこよく感じたのですが、話が進むうちに、傭兵が使われる社会的な背景や、過剰な表現はあるにせよ実際の傭兵としての役割や仕事ぶりがリアルに描かれていたので、表現が適切ではないかもしれませんが、勉強になりました。

戦後しばらく経った日本という平和な時代と国に生まれて気付き難かった、諸外国で実際に行われている恐らく事実に近いであろうエピソードが実に生々しく、これほどまでかとショックを受けました。

漫画では、これでも多分に少年誌で表現できる程度に抑えているのだろう、現実にはもっと悲惨な状況に違いないことは、連載当時社会に出て間もない頃の当時の私でさえも、容易に想像できてしまったのです。

そんな戦場で、頑なにボクシングというスポーツの精神と己の拳の信念を守り抜くBB

- コーヒー工場での少年少女の不法労働。
- 貧困さにより銃を持たざるを得ない若者。
- 奴隷酷使による砂漠の緑化計画。

こういった現場で、平和な目で見れば悪者に属する金持ちに雇われて傭兵という仕事を続けるBBは、善と悪という概念を、市民権取得というエゴのために仕事という枠に収めなければならない事に悩み苦しみ、そして成長する姿が、とてもかっこよく映ったのです。

一方、天敵同士と互いに認め合うライバルの森山は、BBとは別の苦しみを乗り越え、ボクシングの世界で頂点を目指していきます。

来るべき最終章へ向けて、二人の巨星が、転換期を迎えるこの章。白熱必至です。

今日はここまで。

今回も、古すぎて画がありません。。。
最近の若手のなかで、注目している俳優がいます。

二宮和也

ご存知の方も多いかと思いますが、ジャニーズ事務所のアイドルグループ“ ”のメンバーです。
歌やダンスはもちろん、演技の上手下手さえもゲージュツに関しては一切わからない私ですが、気に入っています。

彼の特徴的なところは、役になりきっていない点です。

つまり、すべての役どころにおいて、二宮和也自身を何かしら出している、といったほうが判りやすいかもしれません。
微妙な言い回しですが、なりきれていない、とか、出てきてしまっている、ではない、というところがポイントです。きちんとセルフコントロールしている(ように見える)のです。

もちろん役者であるからには、役になりきることが重要な要素ですが、役になりきれてしまうと、誰がやっても同じになってしまいます。
敢えてそこに、自分にしかできないクセとか表現を入れ込むことで、その人にしかできないオリジナルのキャラクターが出来上がるはず。

そういう意味では、同じジャニーズ事務所の先輩である木村拓哉 も、自分を混ぜ込むコントロールをしていると思われる俳優です。しかし、木村拓哉氏の場合は、ブランドとしての「木村拓哉」を出しすぎている感があるのです。

二宮和也の場合、そのバランスというか、配合具合が、少なくとも私の好みに合致しているように思います。

彼の作品を初めて観たのは、以前紹介した 青の炎 という、蜷川幸雄 監督作品です。
この内容でアイドルが主役?と思ったものの、原作の勢いで観てしまったのです。

同じくヒロインで出演していた 松浦亜弥 は、集客用アイテムとしての期待通りの演技で、やはりな・・・と嘆きましたが、二宮和也 は違っていました。

当時、嵐の二宮和也 に対して、明確な個性のイメージを持っていなかったのも幸いしたのかもしれませんが、彼の演技は、原作の人物を理解した上で、自分のものとして演技しているということを強く感じたのです。

義理父に向かって「ぶっ殺してやる!」と叫ぶシーンで、アイドルがここまでやるか?と、鳥肌を立てた覚えがあります。

と、前置きが長くなりましたが、そんな二宮和也 が主演している映画を最近見ました。

"GANTZ"と"GANTZ Perfect Answer"の二本立て作品です。
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就職面接を控えた大学生の玄野計(くろのけい)は、地下鉄のホームで、幼馴染である加藤勝を見かける。
加藤は、転落した酔っ払いを救うために線路に下りそれを助けるが、その後ホームに戻れず手間取っていた。
それまで、他人を装って傍観していた玄野は、電車が迫って来る直前に加藤に手を貸すが、逆に転落し、そのまま二人とも轢かれてしまう。
しかし、その直後、二人は見知らぬマンションの一室に居た。
そこには彼らの他に、一抱えもある黒い玉と、数人の人間が居た。
高校生、ヤクザ、サラリーマン、教師、フリーター。。。面識はなく、職業も異なる人間たち。
そこに、突然音楽が流れ出した。
あーたらしーいーあーさがきた♪
同時に、黒い玉の表面に、文字が現れた。
「てめえ達の命は無くなりました。 新しい命をどう使おうと私の勝手・・・」
そんな理屈から、黒い玉GANTZより、星人を殲滅する指令を受けた。
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私のヒネた尺度からすると、前編のワクワク感がたまらなく、ヒートアップしすぎた挙句に期待しすぎてしまったがために、後半で失速したかなぁという印象です。

前半の本編終了直後に後編の予告があったのですが、なにせ副題が「Perfect Answer」(完全な答え)で、さらに字幕で「全ての謎が解ける」とあっては、嫌が応にも盛り上がるというものです。

しかし、後編。

確かに、更なる盛り上がりという面では期待以上の展開を魅せたのですが、その風呂敷を広げた分の回収が出来きっていないような気がして、拍子抜けしたという思いが拭えませんでした。
どちらかというと、後編で発生した新たな謎に対して、一部の答えしかなかった、というのが正しいかもしれません。
つまり前編の謎はほとんど解決していませんし、後編に発生した謎もすべてを回収しきれていないのです。

そもそも、全編を通して私が疑問に思っていた根本的な疑問が解決されず、私としては「Imperfect Answer」(不完全な答え)ってな感じでした。

とはいえ、なんとなくドラゴンボールっぽい死者の扱いや定義、逆にそれにはない敵キャラの設定等は面白く、また、恐怖を感じさせるシーンの中にちょっと困った感じ(ネタバレさせずに説明するのが難しい)の笑いを入れるなど、見せ方にかなりの工夫を凝らしているので、画的には非常に興味深い作品です。

まぁ、各種星人をやっつけるときのグチャグチャ感(なんだそれ?)は、結構気持ち悪いですが。。。

前後編で合せて4時間半強となる作品ですが、観ていて時間を忘れるくらい熱中してしまいました。

なお、主演は二宮和也 の他、松山ケンイチ が勤め、吉高由里子田口トモロヲ山田孝之 らが脇を固めています。
また、R12指定ですので、12歳以下のお子様は、親御さんとご覧ください。

最後に、二宮和也 は、ここでも二宮和也 ですw

今日はここまで。


GANTZ
二宮和也 (出演), 松山ケンイチ (出演), 佐藤信介 (監督)
陥穽-GANTZ


GANTZ Perfect Answer
二宮和也 (出演), 松山ケンイチ (出演), 佐藤信介 (監督)
陥穽-Perfect Answer


*****小説50本紹介達成記念*****

お待たせしました。誰も待ってないよ。ああそうかね。って誰だ私は?
地震前以来になってしまいましたが、しばらくぶりの紹介記事です。

いや~いったんサボり癖がつくとなかなか治りませんですなぁ。
いえね、一時期地震で滅入ってしまって、書く気が失せていたのは本当なんですが、最近はただ単に億劫になってまして、なんとなく始められなかったんですよ。別に具合が悪いとか仕事が忙しいとかじゃないんでs....

さて

昨年の末ごろ、北方謙三 氏の小説「楊令伝 」が、ハードカバー15巻を以って完結しました。

この「楊令伝 」は、それ以前に北方 氏が書いた小説「水滸伝 」の続編に位置し、「水滸伝 」から完全に独立した、北方 氏完全オリジナルの作品として、小説すばる に連載されていた作品です。

水滸伝 」は、ハードカバーにて最終巻の19巻が出た後、約一年後から、毎月一冊ずつ、19ヶ月掛けて文庫本化されていました。
当時、それを毎月の発売直後に購入しては、読んでいました。
途中で「楊令伝 」が発刊される旨のニュースが入り、壮大な物語をしばらくは愉しめるなと、ほくそ笑んだものです。

しかし、当然といえば当然ですが「水滸伝 」の文庫版最終巻が発刊されても、「楊令伝 」はまだ連載が終わっておらず、文庫本で読みたい私は、しばらく待つ事を余儀なくされました。

そして、とうとう、文頭の状況になった次第です。

おそらく「楊令伝 」も同様のペースであろうことを見越し、年明け少し過ぎた頃から「水滸伝 」の再読をしていたのです。
少しずつ読み進め、約半年経過した6月中旬ごろ全19巻を読み終えたのですが、そこで「楊令伝 」文庫化のニュースを見つけました。
しかも、6月下旬!
ギリギリ間に合った次第です(笑)

そして、現在文庫の発刊ペースで「楊令伝 」を読み始めていますが、先月末に発売になった5巻目を読み終えたところでして、紹介には至れません。
# ちなみに、北方謙三 氏は、完結した「楊令伝 」の続編として「岳飛伝」を執筆すると発表したようです。

ですので、今回は、前作である北方謙三 版「水滸伝 」を紹介します。
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中国、北宋時代末期。
の浪費癖により税金が高騰すると共に、政は賄賂によって成り立ち、役人の不正が横行する時代となっていた。
貴族と民との間での貧困差は、拡大する一方となった。
宋国は腐り始めていたのだ。
そんな中、鄆城(うんじょう)の役人である宋江(そうこう)は、自らの経験と考察を用いて人としてあるべき志を語り、宋国に反意を持つ者を密かに募っていた。
流浪の坊主・魯智深(ろちしん)、開封府の商人・慮俊儀(ろしゅんぎ)、滄州の名家の家長・柴進(さいしん)らをはじめとし、官民を問わず、徐々に「同志」を増やしつつあった。
そんな中、魯智深は、来るべき決起に備え、武力の要とすべく、禁軍の師範を務める王進(おうしん)の元を訪ねる。しかし、王進は、自分の仕事でもなければ、その器でもないと、誘いを断る。
その一方、王進が出した『禁軍の質を上げるために入隊希望者に試験を課す』という内容の上申書は、禁軍の将軍高俅(こうきゅう)の陰謀によって捻じ曲げられ、謀反の意ありとして、軍に狙われてしまう。宋江魯智深 とは既に繋がりを持っていた弟子の林冲(りんちゅう)は、王進その母の逃亡を手助けする。
しかし、その後、高俅の罠にかかり囚われの身となったり林冲は、李富(りふ)と名乗る男に宋国内部における不穏な動きについての尋問を受ける。
林冲は、高俅よりも李富に警戒心を持った。
李富は、宋国直下の諜報機関である青蓮寺(せいれんじ)の幹部であった。
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中国というと最近は、パクリとか、隠蔽とか、情報規制といった、マイナスなイメージがあります。

一方、儒教 が生まれた国であり、家族や仲間を大切にする志や、それらを守るために密かに己を鍛え、武術を極めてゆくといった性質もまた、中国の特徴でもあります。

北方水滸伝 は、12世紀の中国、徽宗(きそう=北宋の第8代皇帝)時代、(そう)と呼ばれていた時代を舞台に、先の二つの相反する中国の性質を、戦という形で書き表した作品とも捉えることができます。

この場合、マイナスイメージの方が国家であるで、もう一方が反乱組織である梁山泊(りょうざんぱく)です。

原典である中国四大奇書 の『水滸伝 』では、大きくはこの二つの戦いになるのですが、北方水滸伝 では、ここに、青連寺という組織がスパイスとして加わります。

青連寺も宋国の一機関であり、宋国のために情報を集めるのですが、しかし、目指しているところは反乱軍である梁山泊と似通っていて、たとえば賄賂などの不正は許さない、といった態度をとるようになります。

不正を善しとする、国の腐りように絶えかねて反乱を起こす梁山泊、そして、梁山泊の志が間違っていないと認めつつも梁山泊を潰そうとへの操作を試みる青連寺

“官”対“民”の戦いを記した『水滸伝 』でありながら、  正史 の『三国志 』をも髣髴とさせる展開は、先に三国志 を己が手で書ききった北方謙三 氏ならではの物語だと思います。

この後に続く「楊令伝 」(全16巻)と、更に執筆を宣言している「岳飛伝」と、おそらく40巻は越すであろうことは予測に難くない大作ですが、現代文体で読みやすい作品です。

ぜひご一読。

今日はここまで

水滸伝完結BOX
北方-謙三(著)
陥穽-北方水滸伝セット