これはもちろん個体差によって異なる見解ですが、すこし大枠で考えると、家庭や地域、国、人種によっても異なってくるものでもあります。
言い方を変えるとそれは、その大なり小なりの集団下においては、ある一定の統一した価値観を共有しているともいえるかと思います。
むしろ、そういった価値観の共有があるからこそ、集団が生まれるのかもしれません。
そして価値観はまた、感情から生まれるものだけではありません。
一定の尺度で、その集団に与えられている面もあります。
それをルールと言ったり、雰囲気とか、最近では空気とも言ったりします。
そのルールですが、一つの集団の中で取り決められているルールは、他の集団にもそのまま通じるとは限りません。
むしろ、到底受け入れられないようなルールもあるでしょう。
人間と、他の動物との関係がそれかもしれません。
そしてまた、多くの人間が持つ同じ価値観があるとして、しかしその価値観も、別の惑星なり、宇宙に住む生命体の前では、虚しく否定されることもあるでしょう。
そんな、今ひとつ形にできない価値観の相違を間接的に見せ付けてくれる映画がありました。
南アフリカ共和国 出身のニール・ブロムカンプ監督作品、第9地区 です。
この映画はまた、3千万ドルという、特殊効果を使ったハリウッド作品としては例外的に安い製作費でも話題になった作品です。
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突如、巨大宇宙船が飛来し、ヨハネスブルク上空に停止した。航行機関の故障と、疫病により、これ以上の移動が不可能になってしまったのだ。地球人の援助を受け、その宇宙船に登場していたエビに似た宇宙人は地上に降り立つこととなった。
彼らはその外見から、単にエビと呼ばれ、地球人とは隔離されてた地上で暮らし始めた。
それから28年。第9地区と呼ばれる、エビたちが住まう地域の周辺では、一部のエビによる暴力行為や略奪が横行していた。
この宇宙人たちを管理する超国家機関の一職員であるヴィカスは、エビたちを現在の地域からさらに離れた彼ら専用の居住区域である第10地区に移住させるべく、立ち退き要請の同意を得るため第9地区を訪れることになったが、その最中、不用意に触った器具から飛び出した謎の液体を全身に浴びてしまう。
最初は少々吐き出す程度であったが、そのうち、体に変化が訪れてきた。
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総合的な感想は、なんとも中途半端な映画、といったところです。
ストーリも、ある意味で戦いを表現していますが、本格的な戦争というわけでもなく、未知との遭遇といった感動を呼ぶということにも徹していない。
第9地区に潜入するヴィカスを追うテレビカメラの奥で、エビたちの攻撃により人間が上半身を吹き飛ばされているというグロテスクなシーンを写しておきながらも、ホラーに徹しているわけでもない。
# このシーンは、グロテスクさよりも、映像の奥行きを評価すべきかも知れませんが。。。
宇宙船やエビの造詣、カメラワークを含めた人物やエビの機敏な動き、武器の設定等、実写とCGを駆使した要素的な演出はとても巧いのですが、全体が纏まっていないというか、なにか乗り切れない感があるのです。
ほぼ無名の監督が、無名の役者を使って低予算でこのレベルにまで仕上げた作品としては評価に値しますが、何かが足りない感じがするのです。
その足りないものが、もし、経験、だったりすると、この監督の今後の作品に大いに期待が持てます。
書き方よくなかったかもしれませんが、決して、この映画の完成度が低い、というわけではありません。
それなりの高い完成度を以ってしても、各要素の出来栄えが異常なくらいに高すぎて、総合的に栄えない、ということでしょうか。
野球で言うと、巨人軍かな。超有能な選手がたくさんいるのに、常に日本一じゃない、みたいな。
違うかな(^^;
今日はここまで。
第9地区
シャールト・コプリー (出演), デヴィッド・ジェームズ (出演), ニール・ブロムカンプ (監督)