記憶のあじ
少しのきっかけ
ふとしたとき
ふんわりと
微笑える
良い時間だったな
なんて。
洩らすため息の合間
現れてすぐに消える
脳の奥でゆっくり
溶けだすように
そこにあった
残り香のように
フワフワな記憶


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泣きたくなるような言葉
空へのびる階段
終わりのない水玉模様
思わず微笑む彫刻
水の中を歩いているような
静かで透き通った時間
シヲオモエ。
ずっとずっと繰り返し
そればかり
波立たぬよう
注意深く


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秋晴れの道
紅葉には早い
外の喧騒は聞こえない
送り人たちの行列
それも聞こえない
遮断された時間
そこだけ異世界
僕の知らない世界
だけど、そこにある
言葉を僕は知っていて
適温なはずのそこで
とても寒くなる。

帰り道
変わらずに秋晴れの空


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