ひとりでバンドやろうぜ外伝
音楽小学校0年生・第2楽章
大人の自由研究
01.「From A」…Aから始まる物語
昔ありましたねフロムエーって雑誌。知らない?バイト情報誌ですよ。今で言うタウンワークですね。音楽理論と何の関係が?うんありません。でもフロムエーなんですよ音楽も。
まずはここで「ある音」を鳴らしてみます。
「ポーン」…でっていう。
とりあえず音はしましたが、名前がついてません。適当につけても別に構いませんが、他の音との区別をつけなければなりません。ここで音の高さである「周波数」を測ってみます。
「ポーン」…440Hzと出ました。
この音を「A」と名付けます。おなじみの読み方だと「ラ」ですね。これを「音名」と言います。「音程」でも「音階」でもありません。
近代西洋音楽(=ポピュラーミュージック、邦楽も含めいつも聴いてる音楽)は、このA(ラ)を基準に全てが決まって来ます。だから楽器をチューニング(調律)する際にはまずここを合わせます。ほらフロムエーでしょ。ギターだと5弦開放、または6弦5フレットの音にあたります。
ちなみにクラシック音楽の世界などでは場合によって442Hzだったり415Hzだったりするそうですが、そういう場面にでくわしたら従ってください。
とりあえずA(ラ)が決まったので、次は880Hzの音を鳴らしてみましょう。
「ポォーン↑」…さっきより高い音がしました。
実はこれもA(ラ)です。そうです「1オクターブ上のA(ラ)」ですね。
440Hzから周波数が少しだけ上がるとB(シ)、また少し上がるとC(ド)としていき、周波数が2倍になった時またA(ラ)に戻ります。また「オクターブ」とは「8」を意味します。ABCDEFG(ラ〜ソ)で7つ、次のAが8つ目なので1オクターブです。
てことは440Hzから880Hzを8つに分けたらAからAまで完成なのか。いやそれが違うんですよ。8つとか言ってるわりにAからAまでは13段階に刻まれています。
音楽理論の最初の罠がこれです。
実はABCDEFGAのうち、BC間とEF間以外は「中間の音」があります。これらは、#(シャープ)やb(フラット)で表します。
するとこうなります。
1.A(ラ)
2.A#/Bb
3.B(シ)
(ここにB#/Cbは存在しない)
4.C(ド)
5.C#/Db
6.D(レ)
7.D#/Eb
8.E(ミ)
(ここにE#/Fbは存在しない)
9.F(ファ)
10.F#/Gb
11.G(ソ)
12.G#/Ab
13.A(1オクターブ上のラ)
ねー面倒くさいでしょ。全部違う名前でいいじゃないですかねこれ。まーそう決まってるんで覚えましょう。そしてA#/Bb等は同じ高さの音で「異名同音」と言います。音の解釈によって言い換えるのですが「こういう時はBbと言う」などの話ははるか先なので、とりあえず不要です。
ついでに「音程」も覚えましょう。英語だと「インターバル」です。BとCの間は隣接してますね。これを「半音程」と言い、AとBの間は1つ飛ばしてるので「全音程」と言います。ギターだとフレットひとつ分で半音程、ふたつ分で全音程です。この音と音の距離を「音程」と呼んでいます。そういやカラオケで歌って「音程を外す」とかよく言いますが、音の距離なんて名前がないだけで「BとCの間の間の間」とか無限に存在するので、あれは「狙った音程を外す」の方がより正確なんじゃないかと思うのです。
さてこのAからAまでを改めて鳴らしてみましょう。ギターだと6弦5フレットから17フレットまで順番に弾くと鳴らせます。
「べべべべべべべべべべべべべー↑」…なんすかこれ。
無味乾燥で全くつまらん音の並びですが、これぞ近代西洋音楽の母たる神聖な「音階(スケール)」であり、基本的にはこの12個(厳密には最後のAを含まないので12個になる)の音で音楽が成立しています。これを「半音音階」、英語だと「クロマチックスケール」と言います。もちろんオクターブ上や下があるので12個のみってわけでもありませんが、ギターなんか24フレットあっても最大49個(4オクターブ)の音しか出せない(音域と言う)ので、その中でやり繰りしていくことになります。ちなみにピアノは最大88鍵で7+1/4オクターブ。さすがは楽器の王様ですね。
てことはひとつずつ飛ばして全音程で鳴らすと、それは「全音音階」なのか。そうですよ。英語だと「ホールトーンスケール」です。ただめっちゃマニアックというか使い所が限られるのであんまり使われないですけどね。
まとめ
音名:AからG#/Ab まで12個ある音の名前。
音程:音と音の距離。A-B間は全音、B-C間は半音。
音階:1オクターブ間の音の並び。半音12個を順番に全部鳴らすと半音音階(クロマチックスケール)。