そもそも、お弁当を食べる環境が苦手です。
個人事務所勤務なので、職員が少なく、事務所内で昼食となると、
笑っていいともを視聴しながら女子職員といっしょにお食事をしないといけません。
あの平和な空気感と謎の閉塞感、
男子がいることで、男子よりエグい赤裸々な女子トークができない女子達の鬱屈感、
カップ麺に大量のお湯を注ぐことによってポットの熱湯が急速に無くなり、
カップ麺を作っている最中に熱湯が無くなるてんやわんや感、
等がイヤなので、ほとんど外食です。
近くに市役所があるので、昼はそこが多いです。
いつもパチスロの話をしているおばさん職員、
全身ショッキングイエローのスーツを着たパンチパーマの女性市会議員、
鰻重のようにギトギトの顔をしたベテランアル中職員、
郊外都市の市役所勤めのせいで、明らかに細身スーツと胸ポッケのチーフが浮いているイケメン職員、
いつも、尼崎競艇の話を持ちかけてくる、戦慄のハイテンション一般人男性A、
食堂の隅でいつも微笑んでいる、そのうちライフル銃を乱射しそうなオーラを放つ一般人男性B、
声がやたらとでかい間違ったタイガースファンの一般人男性C・D・E、
アフリカの謎の姉妹都市の謎の留学生30名様ご一行、カレーライス30人前の図など、
カオスです。
そんな食堂で、
いつも独りで弁当を食べている、カピパラのような男性職員がいます。
『カピパラ』
そのかわいらしい外見とは裏腹に、
お弁当はいつも潔くて、
ブリキ箱にパンパンにぶち込まれた白メシにふりかけ2袋を豪快にまぶし、
いっしょに持参している小さいタッパに
ニシン
塩しゃけ
さば煮
などのおかずを好んで入れてきていて、
おいしそうにモリモリ胃袋に掻き込んでいます。
リュックサックからはタイガー魔法瓶が出てきて、
食事の合間にお味噌汁を美味しそうに飲んでいます。
あれを見せつけられると、弁当もいいなあって思ってしまいます。
美味しい白米と焼き魚、みたいなガツンとした弁当がいいなあ。