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トンデモ奮戦記 ~オカンとボクと、ときどきマルチ~

理系大学生が、ニセ科学に踊らされる両親を説得するべく奮闘するブログ
(更新停止中。新ブログ:http://ameblo.jp/you-manavee/)

こういう話を聞いたことがないだろうか.
1を3で割り算して小数で表すと,0.333…となる.
一方,1を3で割ったものとは分数で表すと1/3のことである.すなわち,
1/3=0.333…
この両辺に3を掛けると,次の式を得る.
1=0.999…

誰もが聞いて,何だか腑に落ちない感じを受けると思う.0.999…っていくら9を続けたところで,1になるわけないやないかと.
しかしこの「モヤっと感」は,実は無限に続く小数(無限小数という)を表すとき使う記号「…」の本当の意味を理解していないことから来ている.
それをちゃんと理解すれば,上の式「1=0.999…」は腑に落ちないどころか「当たり前の式」にしか見えなくなる.

そもそも,「0.999…っていくら9を続けても1にならないからおかしい」という論理で言えば,「1を3で割ったものは0.333…である」という主張に対しても全く同じ反論ができることに気づくべきである.
小学校で習ったように商と余りを使って書けば,

1/3
=0.3 余り0.1
=0.33 余り0.01
=0.333 余り0.001
=…

となる.つまりどこまで割っていっても,0.00…01という僅かな余りが生じてしまうわけで,結局0.333…といくら3を続けても絶対1/3にはならないのである.
(にも関わらず,我々は「小学校でそう習ったから」という理由で思考停止し,このような不条理を見逃してしまう.)

というか,そもそも0.333…というふうに「ずっと3を続ける数」とは一体何だろうか.そんな数が存在するのだろうか.
実はこれは「実数とは何か」という問題にも繋がってくる,ある意味では深遠な話である(と言っても,今の例ではただの有理数だが).

数直線上でその位置を特定しようにも,「とにかくずっと3を続けろ!」なんて言われてはどうしようもない.
3がどこかで途切れていれば,「1を10等分したもの3つと,それをさらに10等分したもの3つと,そのまた…」という風にやれば何とかなるが,それを無限にやるなんてできるわけがない.
結論を言えば,そもそも文字通り「3をずっと続ける」とか「9をずっと続ける」なんて数は存在しないのである.

では,小学校で「1÷3=0.333…」と習ったのは,あれは何だったのだろうか.まさか嘘を教えられたわけではあるまい.
実は,この「…」という記号には,単に「ずっと続ける」というのとは違う,もっと合理的な意味があるのだ.

それは,「続ければ続けるほど,いくらでも近づいていく(その先の数)」という意味である.

先ほどの1÷3の例をもう一度見てみて欲しい.先ほど書いたように,この割り算はどこまで割っても余りは0にならないが,しかし確実に小さくなっているのが分かるだろう.
実際,0.333…の末尾に3を一個付け足すたびに,余りは1/10になっていく.
つまり,1÷3の真の答えである1/3と,「(0.333…と)3をn回続けた数」とのが(nが1増える毎に)1/10になっていくのである.

くどいようだが,0.333…と3をいくら並べたところで絶対に1/3にはならない.しかし,3を続ければ続けるほど,1/3にいくらでも近づいていけるのである.

トンデモ奮戦記 ~オカンとボクと、ときどきマルチ~-0333


これは文字通り「いくらでも」だ.
先ほど書いたように,「差が1/10になり続ける」という近づき方だから,それがいつか目的の数である1/3に一致したり,追い越したりすることはない.
しかしだからと言って,どこかで近づくのがストップしてしまうこともない.
近づくステップの大きさは次第に小さくなっていくが,それでも確実に,いくらでも近づいていくのである.
たとえその差を「百万分の1にしろ」と言われようと「1千億分の1にしろ」と言われようと,我々は有限個の3を並べることでその注文に応えることができる.

そう,これこそが記号「…」の真の意味なのだ.
最初に取り上げた0.999…にしろ,これは「9がずっと続くような数」という意味ではなく,「9を続ければ続けるほどある数Xに近づいていきますから,そのXのことを表してますよ」という意味である.

ここまで来ると,もはや冒頭の式
0.999…=1
は不思議な式でも何でもないだろう.「9を続けるほど近づいていく数Xって何だろう?」と少し考えれば,それが1であることは明白である.

分かりづらい人は,
1 - 0.99…9 (←n回続けた)
という引き算の結果が,nを増やしていくとどうなるか考えてみればいい.


(補足)
さて,今の話では循環小数(0.333…とか1.0101…とか,同じパターンを繰り返す小数)しか扱わなかったが,それ以外はどうだろう?
例えば√2という数は,
1.4141356…
と循環しない小数で表されるが,この場合の「…」も先ほどと同じ意味なのだろうか? 答えはイエスである.

しかしこの場合「…の後何を続けたらいいか分からないじゃないか」と思うかもしれないが,そこに並ぶ数字たちだって何かある決まったルールに従って並べられているはずである.
(ただし,循環小数のときと違ってその数字の並びをいくらじっと眺めても「決まったルール」は見えてこないが.)

例えば√2の場合,「この4の次に1が来ても,まだ大丈夫(2乗して2を超えない).しかしそこに1ではなく2を入れてしまうと,2乗したとき2を超えてしまうから駄目だ.ということは少なくともこの4の次は1で確定だな」といった具合だ.

こうしてある決まったルールに従って数を並べていくと,その小数が「いくらでも近づいていくある数X」というのが必ずたった一つだけ存在する.
その理由を説明するのは難しいが,とりあえずは実数の公理の一つのようなものだと思って欲しい。

[厳密な説明:そもそも実数とは,「有理数の(コーシー)列(の極限値)の集合」として構成されるものだからである。]

我々人間は,世の中の色々な量を数で表そうとしているうちに,有限小数で表せない量や,分数で表せない量があることに気が付いた.
だから,あらゆる量を表すのに十分な「受け皿」として「有限小数と無限小数で表される数の集まり」を実数と呼んで使ってきたのである.


※記述の中に何かおかしな点がありましたらご指摘ください.


★次回予告「対角線論法を救え」お楽しみに!
福島第一原発で、放水によって使用済み燃料棒が冷えても、放射性崩壊が止まるわけじゃないのに放射線量が減るのはどういうこと? という質問がネット上で多く飛び交っている。

僕は情けないがその辺の話に詳しくないので、温度や圧力によって崩壊の速度が変わるのか、変わったとして意味のあるオーダーなのかといったことが全く分からない。
しかし大体色々なところを見る限り、放射線量が減っているのは冷えたからではなく、放射線を吸収してくれる水が増えたからというのが正解らしい。



それにしても、近くのスーパーであそこまで絶望を味わうことになるとは思わなかった。

①コーヒーが飲みたいが、水が切れている。買いに行こう
 ⇒水がない!

②納豆(注:僕の生命線の一つ)が切れた。買いに行こう
 ⇒納豆もない!

③主食であるパックご飯(注:僕の部屋に炊飯器などというものはない)が切れた。買いに行こう
 ⇒パックご飯もない! 赤飯とかは残ってるけど……う~ん……

④仕方ない、卵でチーズオムレツ(注:僕が唯一作れる料理)でも作って食いつなぐか
 ⇒卵もない!

⑤仕方ない、カップ麺でも食うか
 ⇒作ろうにも水がない!

⑥実家から持ってきたインスタント味噌汁……
 ⇒だから水!

ひょっとして、僕は今生存の危機に立たされているのではないだろうか。
まあ、被災地の人たちはもっと過酷な環境にいるのだということを考えればこれぐらいは……

しかし、流石にもう餅だけの昼飯はイヤだ。
明日はまた牛丼でも食いにいくか……。


まあ、水道水でコーヒー沸かしたって別に問題ないだろうけど。
乳児が長期間に渡って使用したらヤバイって話で、成人男性が飲んだって問題ないそうだから。
にしても、東京の水道水はカルキ臭いので僕は普段から市販の水でコーヒーを飲んでいる。

とはいえ、乳児のいる家庭にとっては重大な問題なのだから、ここは僕もおいしいコーヒーは諦めるべきだろう。
スーパーでこぞって買い溜めしているのは、果たして皆乳児のいる家庭の人たちなのだろうか?
にしては減りが激しすぎやしないだろうか。

今回原発を襲った地震のマグニチュードは、原発設計時に想定されていたものより0.7も大きかったそうだ。
マグニチュードは地震のエネルギーの尺度であるが、エネルギーの大きさに比例はしない。
マグニチュードの数値が1大きくなると、エネルギーは10の1.5乗(≒31.6)倍になる。
(詳しくはwikipedia参照)
マグニチュードが0.7大きいということは、エネルギーとしては大体11.2倍である。想定の10倍以上のエネルギーの地震が襲ったことになる。

また、その後襲った津波にやられて、予備の冷却水用ポンプがダウンしてしまった。しかし、津波が来ることぐらいは予想できたはずである。
僕は技術的なことはよく知らないので、そのような配置にしたのには何が理由があったのかもしれないが、もし予備のポンプを高い場所に置いていたならこんなことにはならなかっただろう。


以下、各原子炉ごとの簡単なまとめ。

1号機、3号機
・水素爆発で建屋損傷。格納容器は無事だから、炉心溶融しても放射能漏れはない。
・ヨウ素、セシウムの放射性同位体が混じった水蒸気が爆発で放出され、一時的に放射線レベルが上昇したが、すぐに拡散して下がった。
・3号機の使用済み燃料プールで水蒸気と見られる白い煙が発生。それだけでは何とも言えないが、18日の報道で「水蒸気量減っている」とある。もし使用済み燃料棒がプールから露出したらヤバイ(理由は前回の記事参照のこと)。

2号機
・燃料棒が2度露出。炉心溶融の可能性あり。
・格納容器の一部であるサプレッションプール(圧力抑制プール)で原因不明の爆発? 損傷
 ⇒もし炉心溶融してたら、放射能漏れの危険(前回も書いたが、格納容器は放射能漏れを防ぐ最後の砦)
・爆発の原因は不明だが、もし水素爆発だとしたら燃料棒のジルコニウムが腐食、放射性物質が漏れている可能性がある。

4号機
・15日、使用済み燃料プールで水素爆発(?)、建屋損傷
・水素爆発だとすれば、燃料棒のジルコニウムが腐食している? としたら放射性物質漏れている可能性がある。
・しかし16日、プールに水があり、燃料棒が全て浸かっているのが目視で確認された。だとすれば水素爆発はおかしい(?)


不正確と思われる記述があればご指摘願います。