夏休みには友人と二人で屋久島へ行った.
「縄文杉はメジャーになりすぎ。登山者で渋滞していておすすめできない」
と宿の主人が言うものだから、
素直な僕らは「宮之浦岳」という九州一の高さを誇る山を登ることに決めた
早朝5時半に宿を出てレンタカーで登山口へと向かう
その途中、鹿と猿に遭遇
大自然の中に身を置いていることを実感
1時間かけて登山口の広場に到着、車を停める
車の鍵は抜かない
誰も盗まないからキーをつけといたままでいいらしい
さすが屋久島
よし登りはじめるぞっ!
って時に一つの看板が見えた。
「ここから先、山にはトレイがありません」
往復10時間の行程だというのに大丈夫なのか。
腸の調子が急に気になりだした。
そういえば早起きしたから出すものを出してない。
出さなきゃ。
匂いのこもるトイレにこもり無理に便意を呼び起こす
だが、呼び起こされない
しかたないあきらめるか
だが備えは大切、トイレットペーパー1ロールをリュックに忍ばせて登ることにした
お守り代わり
準備も万端
いよいよ登り始める
杉の生い茂る森の中を進む
涼しくてとても気持ちがいい
鼻歌が自然にこぼれる
そうだ音楽を聞こう!
音楽好きの僕らはこの登山にもCDラジカセと携帯スピーカーを持ってきている
多少荷物になったって気にならない
人も少ないし迷惑にならないだろうからCDをかけようぜ!
スピーカーから流れてくる音をわくわくしながら待つ
だが待てども音は流れない・・・
CDラジカセの充電が切れていた・・・
気を取り直してまた登りはじめる
僕らのリュックにはステンレスのマグカップがぶら下がっている
湧き水をすくって飲むために今回購入したのだ
湧き水を発見
のどの渇きも丁度良い
マグカップにすくってゴクゴク飲んだ
味はミネラル豊富だ、鉄の味!
えっ 鉄の味
次に手ですくって飲んでみる
おいしい
鉄の味なんてしない
鉄の味はマグカップの味?
そうです、聞けばマグカップ洗ってなかったとのこと
いくらすすいでもすすいでも鉄の味
マグカップ買った意味ないじゃない
気を取り直して空のペットボトル2本に湧き水をなみなみと入れる
頂上についたらその湧き水を沸かして
カップラーメンとレトルトカレーと味噌汁とコーヒーを楽しむのだ
頂上で食べたらうまいだろうな
お腹がへっても我慢、我慢
草木を分け 湿地を抜け 崖を登り なんとか頂上に到着。
頂上からの景色は本当に最高だ
この宮之浦岳は屋久島の中央に位置しているから
なんと右にも左にも海が見えるのだ
爽快だ!
きれいな景色
岩がクリームパンに見える
木がポッキーに見える
ここまでくるのに5時間以上
お腹もすいたぜ!
リュックの中から食料やコンロを取り出す
いよいよ湧き水を沸騰させよう
そんなとき 「あっ ない」 友人の力ない声
「ガスボンベが ない」
えっ
火がない
湯を沸かせない
食べられない
信じられない
はははと笑って 下山だぜ
同じルートを進み午後5時ごろ無事下山
最後の方はヒザと足の裏が痛かった
でも充実感があった
空腹感もあった
トイレットペーパーを使うことなく
CDを聴くことなく
食料を口にすることなく
ペットボトルには湧き水が満タンのまま
僕らは無事下山
思い出に残る
楽しい登山ができた






