他院で6回目の手術を受けたのですが
希望とはかけ離れた結果となり、
修正希望で来院されました。
この患者様の今までの手術は
L型シリコンプロテーゼ留置術2回、
I型シリコンプロテーゼ留置術+耳軟骨移植術
I型シリコンプロテーゼ交換術+耳軟骨移植術
そして最後が鼻背部肋軟骨移植術+肋軟骨による
鼻中隔延長術で
記憶にない不明な手術を含め
計6回の手術でした。
他院6回目のオーダーは
鼻根~鼻背を低くし、
鼻尖を現状の高さのまま
鼻柱を下方に延ばすことでしたが、
砕片肋軟骨によって鼻背がさらに隆鼻され、
肋軟骨による鼻中隔延長術で、
鼻尖・鼻柱が挙がり、鼻先が高くなりました。
手術から約1ヶ月後、
7回目の手術を希望され来院されました。
患者様から以下について相談がありました。
①「鼻先があまりにも高く、尖ってしまった。
鼻先の皮膚は薄くなり、将来が心配。
マスクなしでは生活できない。」
②「鼻が硬すぎ。笑えない。食事しにくい。
日常生活にかなり支障がでている。」
③「執刀医からは、まだ手術から1ヶ月なので
経過見るようにと言われた。」
④「モニターなので、手術を受けたクリニック名は
言えない。」
⑤「鼻中隔軟骨を採取した上、肋軟骨も採取した。」
これらについては以下のように
お答えしました。
①について
→(6回目の術前、
この患者様は手術先選定中で
当院にも相談に来院されていました)
あの段階ですでに鼻尖皮膚が薄かったので
真皮脂肪移植が必要、
今の皮膚の薄さでは筋膜移植は拘縮の可能性があるため
適応はない、とお伝えしました。
②について
→クリニックによっては、複数枚の肋軟骨で
強固なつくりの延長術を行うので、
その場合は鼻尖の自由度は小さくなることが多いです。
また延長移植軟骨の位置によっては、
表情が制限されます。
③について
→術後1ヶ月は浮腫があり、鼻尖が大きく見えますが、
鼻尖トップ~鼻柱基部と鼻柱基部~赤唇縁の
比率は今後あまり変わりません。
触診と鼻腔内の狭小化範囲より
強固なつくりであり、今後鼻先の高さは
低くなることはなく、
高さを受け入れることが今後可能かが
重要なポイントになります。
④について
→モニターの契約書にクリニック名を口外できないと
記載されていれば、名前は出せません。
(モニター契約書にこのような記載は珍しいと思います)
⑤について
→鼻中隔軟骨と肋軟骨を採取し、延長術を行うことは
珍しいです。
一般的に延長術では、どちらかの一方の選択になります。
両方の軟骨を採取された場合、考えられることは、
肋軟骨が骨化し、使える軟骨が少なく、
やむを得ず鼻中隔軟骨も採取した可能はありますが、
通常、術前に肋軟骨の骨化を調べるので
実際に両方採取されたのは疑問です。
この患者様には以下の手術を
行いました。
1回目手術:
鼻尖部皮下剝離術、鼻尖部頭側移植肋軟骨減量術、
鼻尖部移植耳軟骨摘出術
2回目手術(1回目手術の1週間後):
鼻背部移植肋軟骨減量術、延長移植軟骨減量術、
左右下外側鼻軟骨移動術、鼻尖部耳珠軟骨移植術、
鼻尖部真皮脂肪移植術
↓左:術前 右:術後6ヵ月
*2回に手術を分けたのは、
鼻尖皮膚が透けており、真皮脂肪移植を
行うことによって、鼻尖皮膚が伸展され、
術後血行障害の発症が考えられたためです。
今回術後に皮膚血行障害は認めませんでした。
↓術前 正面
↓術後6ヵ月
真皮脂肪が生着し、
尖った鼻尖は改善しました。
↓術前 斜位①
↓術後6ヵ月
鼻尖は希望の高さになりました。
↓術前 斜位②
↓術後6ヵ月
希望通り鼻柱が下がりました。
↓術前 側面
↓術後6ヵ月
鼻背は低くなりました。
術後6ヵ月、笑顔を取り戻し、
6回目の手術前の仕事に
完全に復帰することができていました。
手術料金
1回目手術
・遷延術(鼻尖部皮下剥離術):330,000円(税込)
2回目手術
・鼻背部移植肋軟骨減量術:330,000円(税込)
・延長移植軟骨減量術:440,000円(税込)
・左右下外側鼻軟骨形成術+耳珠軟骨移植術:550,000円(税込)
・鼻尖部真皮脂肪移植術:330,000円(税込)
別途術前検査料、診察料、
麻酔・薬剤料金がかかります。
*2023年10月時点の料金です
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銀座すみれの花形成クリニック
院長 横山才也
日本美容外科学会(JSAPS)専門医、評議員
日本形成外科学会専門医
日本形成外科学会 美容外科分野指導医
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ホームページ
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手術サテライト
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