丸い鼻先が垂れているため
当院で鼻尖形成を行い、
同時にシリコンプロテーゼを挿入しました。
術後5日目、鼻部に発赤・腫脹を認め、
シリコンプロテーゼ摘出と洗浄術を行い、
鼻孔縁には
ドレナージチューブを挿入しました。
また抗生物質を変更しました。
術後7日目
発赤と腫脹が増悪し、
残念ながら移植軟骨をすべて摘出しました。
↓術前 側面
鼻尖は下垂していました
↓術直後
鼻尖を引き上げることができ、
患者様は術直後より満足されて
いました。
↓術後7日 正面
鼻根から鼻尖まで腫脹し、
鼻先は赤くなっていました
↓術後7日 側面
術直後の鼻先の高さより
急激に低くなっていました
感染増悪による移植軟骨の
融解あるいは萎縮が
考えられました
移植軟骨を摘出したところ
感染のため
2/3以下に小さくなっていました。
このあと
毎日洗浄を続け、
感染は軽快しました。
細菌培養の結果、
MRSAが検出されました。
MRSAとは
多くの抗生物質が効かない
多剤耐性ブドウ球菌(化膿菌)です。
ちなみに
この患者様は
術後2日目に
抗生物質か鎮痛剤の
アレルギー症状で
救急病院にてステロイド注射を
受けていました。
↓術後1ヵ月 側面
術後の感染によって
手術前より鼻尖は低くなり
鼻柱も頭側にあがりました。
感染から1年2ヵ月後
後退した鼻柱を
形成しました。
↓修正再建3ヵ月後
MRSA感染症を発症しなければ
問題なく過ごせたのですが、
ここまで来るのに
1年6ヵ月も要してしまいました。
当院の
プライマリー手術の患者様における
術後感染症は
この5年で1名のみですが、
その1例がこの悲劇的な
多剤耐性MRSA感染症でした。
銀座すみれの花形成クリニック
院長 横山才也
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
ホームページ
http://ginza-sumirenohana.com/
修正再建手術専門サテライト
https://ginzasumirenohana.wordpress.co