クリニックの開業と経営をサポートしている社会保険労務士・行政書士の鈴木慎一(シン)です。
「売上が上がれば大丈夫」と思っていませんか?
これからクリニック開業を考えている先生へ。
事業計画をつくるとき、いちばん気になるのは「どのくらい患者さんが来るか」かもしれません。
でも、開業準備で本当に大事なのは、そこだけではありません。
実は、開業後に苦しくなる先生の多くは、
売上の問題というより、お金の流れの見立てが甘かった
というケースが少なくありません。
どれだけ理想のクリニックを描いても、資金計画が甘いと経営は苦しくなります。
逆に、最初の立ち上がりが少し遅くても、運転資金と事業計画がしっかりしていれば持ちこたえられます。
今日は、クリニック開業を考える医師が、事業計画をつくるときに必ず押さえたい5つのポイントを、わかりやすくお伝えします。
1.開業当初は利益よりキャッシュフロー
開業当初に一番大切なのは、利益ではなくキャッシュフローです。
つまり、「今、手元にお金があるかどうか」です。
クリニック開業では、内装、医療機器、採用、広告など、最初に大きなお金が出ていきます。
その一方で、売上は最初から思った通りには立たないこともあります。
しかも診療報酬の入金にはタイムラグがあります。
このズレがあるので、黒字の予定でも資金繰りが苦しくなることがあります。
だから、事業計画では
「いくら儲かるか」より
「毎月いくら残るか」
を先に見ることが大切です。
2.年ではなく月で見る
事業計画を年単位で見ると、良さそうに見えることがあります。
でも実際の経営は毎月動いています。
たとえば、
- 開業直後は患者数が少ない
- 祝日が多い月は売上が下がる
- 採用や広告で支出が増える
こうしたことは、年で見ると隠れてしまいます。
だから、クリニック開業の事業計画は、月次ベースでつくるのが基本です。
毎月の売上、支出、返済、残る現金まで見えているか。
ここがとても大事です。
3.診療日数を甘く見ない
売上計画を立てるときに、意外と抜けやすいのが診療日数です。
「1日何人診るか」だけでなく、
「その月に何日開けるのか」をしっかり決めておかないと、売上予測はずれます。
祝日、学会、休診、スタッフ体制。
実際には、思ったより診療日数は減ります。
しかも、開業したばかりの時期に無理な診療体制を組むと、院長もスタッフも疲れてしまいます。
事業計画では、
続けられる診療日数かどうか
を必ず確認してください。
4.運転資金は生活費込みで考える
ここはとても大事です。
運転資金を考えるとき、事業のお金だけで見てはいけません。
開業後しばらくは、院長の手元に入るお金が想像より少ないことがあります。
それでも家族の生活費、住宅ローン、教育費はかかります。
つまり、開業準備では
事業の運転資金+家族の生活費
の両方を見ておく必要があります。
この視点がないと、経営が落ち着く前に気持ちも資金も苦しくなります。
少し厳しめに見積もるくらいがちょうどよいです。
5.金融機関に説明できる計画にする
融資を受けるなら、金融機関が納得する事業計画が必要です。
ここで大切なのは、立派な数字を並べることではありません。
なぜその数字になるのかを説明できることです。
- なぜその患者数なのか
- なぜその売上なのか
- なぜその借入額なのか
- なぜ返済できるのか
これが説明できると、事業計画の信頼性が一気に上がります。
金融機関は、「夢が大きい先生」より、
現実を見て準備している先生を評価します。
まとめ
クリニック開業の事業計画で大切なのは、次の5つです。
- 開業当初はキャッシュフロー重視
- 年ではなく月で見る
- 診療日数を現実的に設計する
- 生活費込みで運転資金を考える
- 金融機関に説明できる計画にする
開業準備では、つい理想を追いがちです。
でも、実際に経営を守るのは、地に足のついた資金計画です。
事業計画は、見せるための書類ではなく、開業後の自分を守る地図です。
最後に
これから開業する先生ほど、
「何となくの売上予測」で進めず、
「毎月のお金の動き」まで見える事業計画をつくってください。
そこが整うと、融資にも強くなり、開業後の不安もかなり減ります。
必要なのは、派手な計画ではなく、続けられる計画です。
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