ドイツ訪問記 ⑥ ゲッティンゲン編 2018
2018年5月3日(木)から10日(木)まで、ゲッティンゲン大学を訪問してまいりました。いつも患者さまには大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。今回の旅行は、来年の9月に、ジルケ・キャメロン先生が主宰してゲッティンゲンで行われる第5回ISJKM(国際漢方医学会)の打ち合わせが主たる目的です。今回は、まずベルリンに入り、4日の金曜日の夜、1日遅れで到着した川島先生と一緒に「ベルリン・コーミッシェ・オーパー」に出かけました。この歌劇場は、1947年、当時の東ドイツにフェルゼンシュタインが設立したオペラ劇場で、そのユニークな演出で一躍世界中に知られる存在となったところです。その後、芸術監督も指揮者も演出家も代替わりしましたが、舞台は前衛的で、とても興味深いものです。私たちが訪れた日は、ロッシーニの『セヴィリアの理髪師』が上演されていました。小さな劇場なので、客席と舞台が近く、目の前で歌い演じる姿を見るのは楽しいものです。コーミッシェ・オーパーで演じられたロッシーニの『セヴィリアの理髪師』の一場面この写真は、コーミッシェ・オーパーのホームページに掲載されているものです。もともとオペラブッファなので愉快な内容である上、演出の斬新さもあって、最後まで笑いの連続で、楽しい時間を過ごしました。この上演のプロモーション・ビデオがネット上に公開されていて、これもとても楽しい内容です。(場所はベルリンの空港)https://www.youtube.com/watch?v=9Lr_72Xr2IQ5月5日(土)朝8時にベルリン中央駅で川島先生と待ち合わせし、電車でゲッティンゲンに向かいました。ゲッティンゲンに着くと、若い友人のリサが迎えに来てくれていて、車に乗ってジルケ(Dr.ジルケ・キャメロン)の家に向かいました。ジルケの家を訪問するのは、これでもう3度目になります。4階建ての最上階(ベランダ付き)で、鳥のさえずりの聞こえる素敵なお宅です。すでにここにはリサの同僚のケヴィンと、日本語の達者な薬学者ケニー・クフタ先生が待っていたのですが、今回は、さらにハノーヴァーからクロッゲル夫妻がお客さんとして来てくれていました。ジルケの部屋でお茶を飲んでくつろぐ一同右端がクロッゲル先生クロッゲル先生は、ドイツのミュンヘンに本拠地を置く『フラウンホーファー研究機構』のハノーヴァー研究所の所長で、大の親日家(奥様が日本人)で、日本の話題で盛り上がりました。『フラウンホーファー研究機構』は、ヨーロッパにおける最大かつ最先端の応用技術研究機関であり、企業からの委託研究や独自の研究において科学的専門知識を実用化に結び付けることを目的として、様々な活動を進めています。(「MP3」はこの研究機構が開発)ジルケの家に集合して一休みした後、みんなでゲッティンゲン大学の植物園に遊びに行きました。この植物園は、ゲッティンゲン大学の創設時からの植物学・解剖学・外科学の教授であったアルブレヒト・フォン・ハラ―(1708-1777)によって設立されたもので、ドイツでも歴史ある植物園として知られています。この植物園の創設者・アルブレヒト・フォン・ハラ―(1708-1777)の銅像ハラ―はスイスの生理学者、解剖学者、医師、植物学者、詩人1737年に創立されたゲッティンゲン大学の解剖学・植物学・外科学の初代教授に任命され、植物園や解剖学教室を設立した。生理学者として後世に残した功績は大きく、『人体生理学原論』を著して、筋肉の収縮や近代的神経系理論を構築した。ゲッティンゲン大学の植物園での一風景池の植物を見ながらゲッティンゲン大学の植物園での一風景中央がクロッゲル夫妻その右がジルケ植物園の中の喫茶店で一休みそれぞれお気に入りの飲み物を飲みながら楽しく歓談この日の夜は、町の中のイタリアンレストランに行き、みんなで食事を楽しみました。ゲッティンゲンの緯度は高く(北緯51.32)、日本の北端よりも高いので、今の季節は昼がとても長いのです。このレストランでの夕食も夜の8時頃からだったのですが、とても明るくて気持ちの良い雰囲気の夕食となりました。イタリアンレストランでの食事風景夜8時なのに明るい光の中で楽しく食事5月6日(日)この日は、朝食を食べた後、ゲッティンゲンから30㎞程離れたハン・ミュンデンに行き、ジルケが新しく内科部長として赴任する「ハン・ミュンデン病院」を訪れ、そこで小さなシンポジウムを開きました。ドイツの研究、日本の研究を互いに紹介し合い、実り多い時間を過ごしました。写真は、その際の記念に撮ったものです。ハン・ミュンデン病院の会議室で行われた小シンポジウムの記念写真ハン・ミュンデン病院の正面玄関まだ工事中で、開院は今年の6月2日とのことシンポジウムを終えて、みんなでハン・ミュンデンの街を見物しました。人口は2万4千人足らず。中世の面影を色濃く残す小さな博物館のような街で、歩いているだけで楽しくなります。この街は、17世紀から18世紀にかけてドクター・アイゼンバートという名医が活躍したことでも知られています。街角にはドクター・アイゼンバートに扮した人が立っていて、観光案内をしていました。ドクター・アイゼンバートに扮した人と話をするジルケ観光客が興味をもって集まってきている私たちは、来年の9月にこの街でISJKM(国際漢方医学会)を開催するのです。開催するホテルも見学し、受け入れ態勢を確認し、来年に備えることになりました。来年(2019)のISJKM(国際漢方医学会)の開催される「ホテル・パックホフ」これも歴史的な建造物印象深かったハン・ミュンデンの町に別れを告げ、ゲッティンゲンの町に戻った私たちは、翌日、マックスプランク研究所を見学した後、ベルリンに戻り、帰国の途に着きました。旧交を温め、研究成果を確認し、来年の計画を練り、充実した滞在でした。