先日、あるメーカーのビレイデバイスを購入した。
以前、沢登りに行ったときATCガイドを知らぬ間に落としてしまい、代わりのものが必要となった。同タイプのものを探していたら、軽量で安価があったためそれを購入することにした。
納品されてからすぐに試してみたく、ジムでさっそく使用してみた。ロープをセットした時はいつも使っているATCと変わらない感覚であったが、ビレイをしてすぐにある異変が起こった。
ロープがデバイスのなかでロックし、全く出てこないのである。
クライマーが1ピン目かける時点で異常に気付き、2ピン目をかけた時点でデバイスに異常があることを伝え、登攀を中止してもらった。
何が起こったのかよく分からず、その場にいたクライマーにも事情を説明し、原因を探った。結果、断定は出来ないがカラビナやロープとの相性によるものではなく、デバイスの形状が影響していると判断した。
後日、メーカーに問い合わせたが現時点で明確な回答を得られていない。
今回、事故を起こすまでには至らなかったが、最悪の場合はクライマーをグランドフォールさせていた可能性もあった。
前回、「ビレイヤーとして」で書いたが、ようやく人から信頼してもらえるビレイが出来るようになってきた矢先に起こったことで、異常に残念に思えてくる。
人が命を預ける道具なんだから、もっと考えて設計してほしい。
そして設計者自信が使ってみて、納得のいく製品を世におくりだしてほしいものだ。