良い商品を作っている。
専門知識も、経験もある。
発信も続けている。

それでも、なかなか選んでもらえない。

そんなとき、私たちは商品説明を増やしたり、実績をもっと詳しく伝えたりしようとします。

しかし、見直すべきなのは、相手があなたに興味を持ち、理解を深めていく順番かもしれません。

ClickFunnelsの共同創業者、ラッセル・ブランソンは、そのヒントを意外な場所で見つけました。

バイオリンを演奏しながら踊るアーティスト、リンジー・スターリング(Lindsey Stirling)のコンサートです。

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Lindsey Stirling @ NAMM Show 01 26 2024

彼が注目したのは、演奏の技術やステージの演出だけではありません。

コンサートの途中で流れた、約3分間の短い映像でした。


この記事でわかること

  • ラッセルがリンジーのコンサートで注目したこと

  • 実績の紹介と、関係を深めるストーリーの違い

  • 自分の物語を伝えるタイミング

  • 発信から信頼、購入へとつなぐ導線の考え方


コンサートの途中で流れた、約3分間の自己紹介

ラッセルはPodcast「Marketing in Your Car」の第80回で、妻と訪れたリンジーのコンサートについて語っています。

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ラッセルブランソン Podcast「Marketing in Your Car」

彼の説明によると、リンジーは最初に2〜3曲を演奏しました。その後、衣装を替えるためにステージを離れると、スクリーンに短い紹介映像が流れます。

そこに映っていたのは、幼い頃の彼女や、踊ったりバイオリンを練習したりする姿。今のステージに立つまでの歩みでした。

ラッセルは、この映像によって観客の彼女を見る目が変わり、ファンとしての関係が深まったと感じたのです。

これは観客全員の反応を測定した実験ではなく、ラッセル自身の観察です。それでも、自分の発信を考えるうえで興味深い問いを与えてくれます。

私たちは、自分の商品やサービスを知ってもらうために、どんな順番で情報を届けているでしょうか。

「何ができる人か」の先にあるもの

例えば、ある講師のプロフィールに、次のように書かれていたとします。

「指導歴10年。受講者数1,000人。専門資格を保有」

専門性を判断するために、大切な情報です。

そこに、その人が講師になった理由が加わったらどうでしょうか。

以前は自分自身も同じ問題で悩んでいた。
ある経験をきっかけに、解決の道筋が見えた。
だから、同じところで立ち止まっている人を助けたい。

そうした背景を知ると、読者には、その人の発言を理解するための手がかりが増えます。

「この人は、なぜこの仕事をしているのか」

その答えが見えるからです。

もちろん、経歴を詳しく語れば誰もが信頼してくれるわけではありません。読者にとって関係のある経験や、現在の活動につながる理由を選んで伝えることが必要です。

自己紹介は「タイミング」まで考える

リンジーの事例で注目したいのは、映像が流れたタイミングです。

観客は、先に演奏を体験しています。その後で、演奏している人物の背景を知ります。

ラッセルもこの順番を、自分のビジネスに引き寄せて説明しています。まず入口で関心を引き、入ってきた人へストーリーや人物像を伝えて、関係を深めていくという考え方です。

ここから、私たちの発信にも一つの仮説を立てられます。

役に立つ体験を先に届けると、その体験を提供した人の背景にも関心を持ってもらえるのではないか。

例えば、記事の冒頭から長い経歴を並べる代わりに、読者が困っていることへの具体的なヒントを届ける。

そのうえで、なぜそのテーマを伝えているのかを紹介する。

読者は、すでに得た価値と、書き手の経験を結びつけながら読み進められます。

あなたのストーリーを、読者の関心につなげる3つの問い

では、自分のストーリーには何を書けばよいのでしょうか。

ここからは、今回の事例を日本の起業家や発信者の仕事に置き換えた、私からの実践提案です。

① あなたは、どんな問題に直面していたのか

読者が、自分と重ねられる場面を探します。

「集客が苦手でした」だけでは、状況が見えにくいかもしれません。
「毎日投稿していたのに、個別相談の申込みはゼロだった」

ここまで具体的になると、同じ悩みを持つ人は、自分との接点を見つけやすくなります。

華々しい経験である必要はありません。実際に何に困っていたのかを、事実に沿って書いてみてください。

② 何をきっかけに、考え方や行動が変わったのか

出会った人、学んだ方法、失敗して気づいたこと。その転換点を明らかにします。

例えば、投稿の回数ばかり気にしていた人が、「投稿を読んだ後、どこへ進んでもらうか」を初めて設計した。

この変化がわかると、読者は経験談から、自分でも検討できる視点を持ち帰れます。

③ その経験が、今の顧客支援にどう生きているのか

最後に、過去の出来事と、現在提供している価値をつなげます。

どのような相談に対応しているのか。
何を大切にしてサービスを作っているのか。
顧客がつまずきやすい、どの場面を支えられるのか。

ここが具体的になると、自己紹介が、相手が依頼や購入を検討するための情報になります。

「知ってもらった後」を設計していますか?

発信を続けていると、どうしても入口の数字が気になります。

表示回数、フォロワー数、動画の再生数。

入口を増やすことは大切です。そのうえで、次の流れも確認したいところです。

段階読者に届けたいもの初めて知る自分に関係があると思えるテーマ読んでみる疑問への答えや、小さく試せるヒント書き手を知る経験、価値観、その活動を続ける理由理解を深める関連する記事、動画、具体的な事例購入を検討する自分に合うか判断できる商品情報

これは、すべての読者が同じ順番を進むという意味ではありません。

大切なのは、関心を持った人が、次に知りたいことへ進める状態を用意しておくことです。

良い記事を読んだのに、書き手が何を提供しているかわからない。

プロフィールを開いたのに、自分の悩みに関係する情報へたどり着けない。

そんな途切れがないか、自分の発信を読み返してみましょう。

今日の一歩:自己紹介に「理由」を加えてみる

まずは、プロフィールや自己紹介文を一つ開いてください。

そこに、次の問いへの答えは書かれているでしょうか。

「私はなぜ、このテーマを伝えているのか?」

肩書や実績に加えて、その活動につながった経験を短く添えてみます。

そして、その自己紹介をどこで読んでもらうと理解が深まりそうかも考えてみてください。

記事の末尾なのか。
登録後の最初のメールなのか。
セミナーで役立つ内容を届けた後なのか。

書く内容と、届ける場所。その両方を見直すことが、次の改善につながります。

ストーリーを、ビジネス全体の流れにつなげるために

今回の事例を通して考えたいのは、短い動画の作り方だけではありません。

関心を持ってもらい、価値を体験してもらい、理解を深めてもらう。
その先に、必要な人が商品やサービスを検討できる流れをつくる。

これが、私が日本の起業家に伝えたい、ファネルを学ぶ価値の一つです。

一つの記事、一通のメール、一つの自己紹介も、ビジネス全体の中で役割を持っています。

「良い情報を発信しているのに、その先につながらない」

そう感じているなら、それぞれの発信をつなぐ設計に目を向けてみてください。

『ファネルハッカーBook』は、ラッセル・ブランソンらのFunnel Hacking Liveでの講演をもとに、ファネルやオファー、プレゼンテーションなどを学ぶためにまとめた書籍です。

今回の話をきっかけに、ストーリーや情報発信を、商品が選ばれるまでの流れへつなげたい方へ。

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あなたの商品やサービスは、説明が始まる前に、どのように受け取られているでしょうか。

広告の一文、プロフィール、紹介の言葉、登録後の案内。お客様がオファーにたどり着くまでの情報も、見直す価値があります。

この「伝える前の設計」を、心理学の研究とファネルの実践から学びたい方へ。
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Q1.リンジー・スターリングとは、どのような人物ですか?

リンジー・スターリング(Lindsey Stirling)は、バイオリンの演奏とダンスを組み合わせたパフォーマンスで知られるアーティストです。今回の記事では、ラッセル・ブランソンが彼女のコンサートで注目した、約3分間の紹介映像を取り上げています。

Q2.本当に3分間の動画だけで、観客がファンになったのですか?

これは、ラッセルがコンサートで感じた変化を語ったエピソードです。観客の反応を測定した科学実験ではありません。演奏に加えて、幼少期や練習風景を通じて彼女の歩みを知ることが、人物への理解や親近感を深めたとラッセルは捉えています。

Q3.「アトラクティブ・キャラクター」とは何ですか?

ラッセルが伝える、読者や顧客が関心を持ち、継続して話を聞きたくなる人物像の考え方です。経験や価値観、活動の背景を伝えることで、「この人から学びたい」「応援したい」と感じてもらえる関係を目指します。自分の実際の経験をもとに伝えることが大切です。

Q4.自分には特別な実績や劇的なストーリーがなくても、活用できますか?

はい。顧客と共通する悩みや、仕事への姿勢が変わった経験も題材になります。「何に困っていたか」「何をきっかけに行動が変わったか」「その経験を今の顧客支援にどう生かしているか」の3点から整理してみてください。

Q5.ストーリーを、商品の購入につなげるにはどうすればよいですか?

読者に役立つ情報を届け、そのテーマに取り組む理由を伝えたうえで、関連する商品を次の選択肢として案内します。読者が「自分の課題にどう役立つか」を判断できる説明が必要です。発信から商品提案までの流れをさらに学びたい方は、ファネルハッカーBookの内容をご覧ください。

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参考資料
Russell Brunson, Marketing in Your Car, Episode 80: What I Learned At A Lindsey Sterling Concert

※リンジーのコンサートに関する記述は、ラッセル本人のPodcastでの説明に基づきます。後半の記入例・実践手順は、本記事での応用提案です。