夜通し降っていた雨が止んだ。
靴底で踏み込む草は、たっぷり水分を含み
スニーカーの生地を濡らす。
空気も、木も、人工物も
全てが雨で洗われ
雲の切れ間から
差し込む朝日に反射している。
風に、
秋の匂いが混ざってきた。
吸い込む空気が冷たくなってきたのだ。
誰もいない公園を
ひとり
歩いている。
もう15年か・・
高田城のお濠の風景は
引っ越してきたあの時と変わらない。
景色は変わらないけど
おれは変わった。
この街に馴染んだ
それまで、
『帰る』といったら
生まれ、育った故郷だったのが
今は
『帰る』と定義する場所は
ここ、上越である。
一緒に移住した子供達は上越を離れ
憧れていた地で
それぞれの夢に向かって歩き出した。
彼女達にとっても
『帰る』場所は、
ここ
上越である。
だけど
帰ってきて一緒にまた生活することは
もうないだろう。
先日も遊びに行って
それは感じた。
おれは本社系列の子会社に左遷された身であり
異動先が上越だった。
収入面で大幅なダウンではあったが
収入以外の面では、
最高に幸せを感じている。
いや・・普通に生活ができているから、
収入面でも不満はない。
収入が減った分、
会社で頑張るのをやめた。
仕事を頑張るのをやめた分、
手に入ったものは大きかった。
チープだが
旅をする回数も増えた。
チープだが
飲みに出る回数が増えた。
チープだが
色んな音楽に触れる回数が増えた。
そして
もっとも大きく手に入れた幸せは
仲間が増えたこと。
それは、旅をする仲間であり
それは、音楽仲間であり
飲み友達なのだ。
高田城の桜並木をすり抜けてくる風は
穏やかである。
もう少しすると、
風にリズムが生まれる。
刻むビートが、日ごとに速くなってくる。
16ビートまでUPすると
それは冬がすぐそこに来ている合図
不思議とね、
降り始めると、静寂が訪れる。
雪は全ての音をかき消してしまう。
寒くなると
人恋しくなる。
仲間が集まって
鍋を囲んだりして
昔話なんかで盛り上がる。
なんてね・・
もう
そんな季節が近づいているのだ。
妙高山が赤く色付くのも近いな・・
温泉が恋しくなる。
来週末、
燕温泉の宿に予約をした。
燕温泉は、おれの隠れ家的存在なのだ。
年に数回は、温泉とお酒を楽しむため
ひとりで
お気に入りの本を持って泊まりに行く。
楽しみだ。
やっぱ、上越に来て良かったな。
おっと、
気が付くと、近況をこんなに書いてしまった・・
そうそう、
書こうと思っていた本題があった。
これ!!
『ろくろうLIVE at 空き家BASE』
10月6日(土)
Open 17:30 Start 18:00
オープニングアクト 中村賢一
というわけで
オープニングアクトで演奏します!!
それにしても
ろくさん、久しぶりだな〜
贅沢な夜になりそうです。。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

