お久しぶりです。カスの極み3落ちです。
このブログはもともとマジシャンズデッドというアーケードゲームについて話すブログでした。でも、マジシャンズデッドというコンテンツ自体がもうすでにほぼ死に絶えてしまったので、あまり書くことがなくなってしまいました。
じゃあどうしようかな・・ということを考えながら、最近のゲーセン自体の減り具合と、新規アーケードタイトルの撃沈具合を見て思いついたのが、『これからの時代、流行るアーケードゲームって何だろう?』っていうテーマです。
そういうわけで、自分なりに、ゲーセンの魅力を、スマホゲームと比較した上でつらつらと書いて行きたいと思います。スマホで大量の無料コンテンツが触れる時代に、今更ゲーセンなんて・・と思う人も、ゲーセンをどうにか盛り上げたいけど方法が分からない・・という人も、ちょっと見ていって下されば幸いです。
ちょっとと言えないくらいの大長文ですが・・
目次
1・1 スマホゲームがクソ強い理由
1・2 ピーク・エンドの法則〜180度違うチュートリアル方式
1・3 15秒 VS 1時間
2・1 アーケードゲームは、単なるゲームだけを提供してはならない。
2・2 ズバリ、流行るアケゲーとはこの4つの要素で決まる。
2・3 4つの要素を取りまとめる『リアル』
最後に アケゲー業界を盛り上げたい人に言いたい2つのこと
オマケ ゲーセンは無くならない。
目次を見て、『長っ・・』って思った人は、2・2から入ってくだされば、大まかにこの記事の言いたいことがわかると思います。
では、行きます。
1・1 スマホゲームがクソ強い理由
アーケードゲームは面白いぞ!っていくら言ったとしても、
「いや、スマホで無料でゲームができんのに、なんでわざわざゲーセン行って100円両替してゲーム始めなきゃいけないんだよ?草」
と返されてしまえば撃沈するしかないので、それを論理的に反論するためにも、まず、『スマホゲームがなんでこんなに今流行るのか』ということを超ざっくりとまとめていこうと思います。ただ、これについてあまりにも詳しく書くと、論文ができちゃうので、それはまた要望があったらにします。
まず、ゲームの面白さは個々それぞれなので置いておいて、スマホゲームで一番強い点は、『基本無料』がほとんどだということですよね。ではなぜ『基本無料』でスマホゲームは遊べるのでしょうか?
それは、スマホゲームが、『95%の無課金勢と、5%の課金勢』で成り立つゲームだからです。もちろん微課金勢とかもいますが、ここでは便宜的に95%のほうに含めます。開発費用とランニングコスト(運営していくために必要な固定の費用です)が圧倒的に低いことを利用し、まずバーっとたくさんのユーザーを集めて、その中の5%の心にクリティカルに刺さるゲームを作ることが、いまのスマホゲームのメジャーなスタイルとなっています。
さらに、そのシステムならば、最初は無料で遊んで、そのあとにじっくり見極めてそのゲームにお金をかけることが出来るので、ユーザーにとっても非常に嬉しい設計になっています。だから、タッチ1つでダウンロードできる手軽さと合わせて、とても流行っているわけです。
1・2 ピーク・エンドの法則〜180度違うチュートリアル方式
前の項では、『スマホゲームは、最初にバーっとユーザーを集めて、その中でわずかな課金勢を得ることを目的として作られているから、ユーザーとしても、無料で遊びつつお金をかけるか決められて有利』という話をしました。では次に、その考え方が、ゲームで最も重要なセクションである、『チュートリアル』において、アーケードゲームと比べてどんな違いにつながっているのかを軽くまとめようと思います。
スマホゲームは、最初にいかに沢山のユーザーを集められるかが全ての鍵となるので、チュートリアルと、序盤のゲーム攻略のしやすさにとても力をかけます。そもそも遊んでくれなければ、課金勢もへったくれもないですから。で、そこで使われている手法が、『ピーク・エンドの法則』ってやつです。え?法則?
ピーク・エンドの法則とは、行動経済学で用いられる専門用語です。一言で言うと、『人は、過去の体験について、めっちゃ気持ちよかったときのピークの時と、それがどうおわったかだけを認識する』ってものです。一言じゃないですね。
わかりにくいので、例で示します。簡単なものとしては、『星4確定10連ガチャ!今だけ無料!』みたいなやつですね。それを序盤でユーザーにやらせることによって、ユーザーは、『ガチャが当たった!』という『ピークの気持ちよさ』と、『石がないから終わった・・』という『終了の条件』を、意識していなくても、目と脳に焼き付けてしまいます。
まあ、ここまで分かりやすい例じゃなくても、大抵のスマホゲームは、チュートリアルで最初に『ピーク』を与えて、その後ユーザーがその『ピーク』を欲しがり課金するようにできてます。
一方、アーケードゲームのチュートリアルは、一言で言うと、「操作方法はこう、こう、こうだからね。はい、説明はしたから、あとは自分で楽しんでね。」という、単純な『説明』方式になっています。これはわかりやすいので、特に例はあげません。まぁ、だいぶ前からこの方式は変わっていません。
まとめると、それぞれのチュートリアルは、
スマホゲーム「このゲームの最高に楽しいタイミングはここだよ!楽しみ方はこうだから、とりあえず『無料で』やってみてね!」
アーケード「操作方法はこうだよ!はい、あとは『お金を払って』自分で楽しみ方を見つけてね!」
って感じになります。この良し悪しは、あとでまた取り上げたいと思います。
1・3 15秒 VS 1時間
前項では、スマホゲームとアーケードゲームのチュートリアルの違いを説明しました。次は、さらに違う観点から、スマホゲームとアーケードゲームを比べてみたいと思います。
突然ですが、皆さんは、あったかい飲み物が飲みたい時、15秒でお湯が沸くポットと、1時間でお湯が沸くポットがあったら、どっちを使いますか?
まあ、15秒のポットですよね。1時間を選ぶ人は、修行僧か何かなのかもしれません。
では、ゲームをやりたい時、15秒で起動できるスマホゲームと、行くのに一時間かかるゲーセンのゲームでは、どっちをやりますか?
まあ、この問いだけ言われれば、15秒の方を選択するのが普通だと思います。でも、ゲーセンに行ってみると、いまでもゲームをやっているユーザーは沢山居ます。なぜでしょう?
とんちをやりたいわけでなく、そこがとても重要なのです。ゲームをしたい人が、ポケットにスマホを入れたまま、ゲーセンに足を運ぶのはなぜなのでしょうか?
1つの答えは、『ゲームの質』です。スマホゲームで再現できないクオリティや音を、ゲーセンの筐体は出すことができます。でも、本当にそれだけで、15秒と一時間の差、有料と無料の差を埋められるのでしょうか?
一時間かかっても、やるたびに100円かかっても、ユーザーがゲーセンに足を運ぶ理由。
それは、全く違う魅力が、『ゲーセンという場所』にあるからだと、僕は考えています。
一言で言うと、ユーザーは、ゲーセンに『ゲーム』をしに行ってるのではなく、『体験』をしに行っているのです。そこに、ゲーセンの本質があります。
次の項から、核心に入って行きたいと思います。
2・1 アーケードゲームは、単なるゲームだけを提供してはならない。
いきなり断定口調のサブタイトルですみません。ここでは、前の項で最後に触れたことについて、詳しく書いて行き、なぜこのようなタイトルなのかを説明したいと思います。
ゲーセンに行く時、ユーザーは、ただゲームを遊びたいから行くだけでなく、『体験』をしたいと思って行きます。『体験』とはどのようなものかと言うと、例えば、『ゲーセンの扉を開けた瞬間の音の洪水』だったり、『居ないと思ってたゲーム友達がたまたま居た時の嬉しさ』だったり、『ツイッターで時間を合わせて一緒にやる約束をしている友達と会う』と言ったことだったりです。
これはダイレクトな例ですが、僕の言う『体験』とは、ゲームをすることだけでなく、ゲームにまつわることで何か事象が動く、という現象全般を含むので、例えば、『ゲームをするためにわざわざ移動をすること』も、『合間にゲーセンでコーラを買うこと』も、全部『体験』に分類されます。難しい言い回しですみません。とりあえず、ゲームをするって行為以外に色々くっついてる出会いとか行動が全部アーケードゲームの一部なんだよね、ってことです。
もちろん、一人で黙々とゲームをすることも多々ありますが、それは往往にして、最初に書いた『体験』をするための『準備』だったり、『体験』の質を高めるための『土台・地位固め』だったりすることが多いです。
昔は、オンライン対戦が無かったので、ゲーセンのゲームは、すべてそれらの『体験』に基づいて動いていました。友達や、他の人がいなければゲームは成り立たないので、ゲームをすることと、友達と会うとか、話すといった『体験』は同じ意味だったのです。
しかし、オンライン対戦が導入されてから、ひたすら黙々と台の前に座って、オンライン上の相手と対戦し続けるゲームスタイルが主流になり、ゲーム内での『体験』の割合も減って行きました。ゲーセンは、『体験』としてのゲームではなく、『ただクオリティの高いゲーム』としてのアーケードゲームを提供する場になっていったのです。
でも、『ゲーム』としてのアーケードゲームのクオリティは、年々、家庭版のゲームや、スマホゲームに追いつかれるようになってきました。『15秒』と『一時間』の差、『無料』と『最低100円』の差を、クオリティだけでカバーすることが出来なくなってしまったのです。これが、いまのゲーセンが、スマホ時代に取り残されている本当の原因です。
だから、アーケードゲームは、今こそ、もう1段階アップグレードされなければいけません。ただのクオリティの高いゲームを提供する場から、もう一度『体験』という視点を取り戻して、ユーザーがゲーセンに足を運ぶ本質を見つめ直すべきです。
サブタイトルは、こんな意味を含めてつけました。
では、具体的にどうしたらいいのか?次はそこに移りたいと思います。
2・2 ズバリ、流行るアケゲーとは、この4つの要素で決まる。
イントロからここまで飛んできた方はこんにちは。
前項では、『ゲーセンは、ゲームだけでなく、ゲームを通して友達と会ったり、場所を移動したりする『体験』自体を提供している。だから、その『体験』の価値を高めるようなアーケードゲームの姿を考えなければならない』という話をしました。
では、体験の価値が高まるゲームとは一体なんでしょうか?
それは、『交流のできるゲーム』です。体験とは、基本的には、他人とのコミュニケーションに基づいています。なので、ゲームを通じて沢山交流のできるゲームを作ったほうが、成功します。
では、どうやったら、ユーザーが交流ができるゲームが作れるのでしょうか?それは、この4要素で決まります。
1 コミュニケーション
2 コミュニティ内でのアイデンティティ
3 キャラ
4 チュートリアル
これらの質が高ければ、交流ができるゲームは作れます。
それぞれ、どういうことか説明します。
1 コミュニケーション
コミュニケーションとは、会話のことですが、ここでは特に、ゲームを通じた会話のことを指します。ゲームの前、間、後、観戦中にする会話が沢山あるゲームは、流行ります。
2 コミュニティ内でのアイデンティティ
これは、ゲームのコミュニティにおいて、自分の役割がはっきりと確定できるようなゲームが良い、ということです。例えば、俺はスナイパー使いだ!とか、俺は前線に切り込む盾役だ!と言ったロールから、俺は闇討ちが好きだ!とか、耐えてから一気に反撃するのが好きだ!といった動きも含めたいろんな「自分を飾るアイデンティティ」を多く身につけられることが、コミュニケーションの増加に繋がります。
3 キャラ
そのままですが、キャラが魅力的なゲームが流行ります。なぜなら、ゲーセンにわざわざ足を運ぶ理由に、『キャラが本当に好きだから』という要素がかなり関わるからです。ゲームをやりたいから行くのではなく、そのキャラに会いたいから100円を投げ入れに行く、というキャラ愛勢は実は思ったより沢山います。さらに、キャラが立っているということは、そのキャラを通じたコミュニケーションも、そのキャラを愛する自分も確立されることになるので、1と2の要素の補強になります。
4 チュートリアル
これは、1・2で述べたことに関わります。1・2では答えを保留しましたが、これからの時代、アーケードゲームこそ、今の「操作方法はこうだよ!はい、あとは『わざわざお金を払って』自分で楽しみ方を見つけてね!」というボロっちいチュートリアルではなく、「このゲームの最高に楽しいタイミングはここだよ!楽しみ方はこうだから、とりあえずやってみてね!」というスマホゲームっぽいものに移行するべきです。
そもそも、チュートリアルで楽しみ方を伝えて、それで奥深さを感じられなくなるようなゲームは、アーケードとしてのクオリティに達していません。潰れるので、開発をやめたほうがいい。
このように、4つの要素をそれぞれ強化すれば、『交流できるゲーム』は作れると思います。でも、本当の意味で『体験』を提供し、アーケードゲームならではの強さを生かして流行るには、これでは足りないと僕は思います。
2・3 4つの要素をまとめる『リアル』
前の項では、
1 コミュニケーション
2 コミュニティ内でのアイデンティティ
3 キャラ
4 チュートリアル
がどういうことかを説明して、交流できるゲームとはどういったものかを説明しました。そして、それでは足りないとも言いました。なぜなら、前に言ったようなことは、別にPCゲーやスマホゲーでも頑張ればできることだからです。
なので、アーケードゲームが流行るためには、この4条件を満たした上で、もう一捻り加えなければいけません。それが『リアル』という観点です。つまり、リアルなコミュニケーション、リアルなコミュニティ、リアルなキャラ、リアルなチュートリアルを考えるということです。これが一番のキモなので、お疲れだと思いますが、見ていってください。
リアルなコミュニケーションとは、ゲームをしながら、または観戦しながら、はたまたゲームの間に一緒にご飯を食べながら、一緒にいるプレイヤーと話す行為のことです。声だけのコミュニケーションであれば、いまはスカイプなどがあるので、PCでも代用できます。でも、表情を交えたり、ご飯を食べたりしつつ、ゲームの世界に浸る会話をできるのは、ゲーセンのゲームでしかなかなか生まれません。だから、コミュニケーションのできるようなイベントや、そもそも同じ店舗から出ることに意義があるようなゲームであることがとても大事なのです。
次の、リアルなコミュニティとは、ツイッターなどでつながるだけで無く、ゲーセンそのものに根付いたコミュニティがあることを指します。店舗そのものを愛するユーザーが増えれば増えるほど、コミュニティは活性化します。ホームの店舗でやることにボーナスをつけるようなシステムがあっても面白い。リアルに誰かがプレーして待っていてくれるからこそ、ホームのゲーセンにも行きたくなるものです。
リアルなキャラとは、その名の通り、スマホゲームでは再現できないようなリアルさでキャラを描写することです。これはPCや家庭用ゲームにも真似されてしまうので、例えば、ゲーセンに通うごとに持ちキャラの対応が変化して行くとか、ゲーセンに『行く』という行為と、『キャラ』を結び付けられたらかなり有効だと思います。リアルさにも色々あります。
最後に、リアルなチュートリアルとは、人から人へ教える形のチュートリアルのことを指します。例えば、講習会などです。人と人との関わりの中で体得したスキルはかなり忘れづらいので、店舗側が、積極的に、ゲームのチュートリアルを補うようなことをしていくといいと思います。
まとめると、リアルな場面で関わりがもてる方向で、4要素を調整しましょう、ということです。長くなりすいません。読み飛ばしてしまった方も多いと思うので、最後に、本当に言いたいことをまとめて終わりたいと思います。
最後に アケゲー業界を盛り上げたい人に言いたい2つのこと
シンプルにまとめたいと思います。
流行るアーケードゲームを作りたいのならば、、
1 最初にゲームを作るな。そのゲームに人がどのように集まって、どんな会話をして欲しいのかをまずイメージしろ。
2 チュートリアルをまず革新しろ。説明をするな。1000円あればゲームの楽しいところがほぼ味わえるようなゲーム設計にしろ。『理解しろ。』とユーザーを試すのではなく、ゲームの面白さを全力でぶつけるチュートリアルを作れ。
以上です。
オマケ ゲーセンは無くならない。
私は、このスマホ時代でも、ゲーセンは無くならないと思います。なぜなら、スマホやPCはゲーセンにあらゆる面から勝てないからです。
1つの理由としては、スマホやPCはもともとゲームのために作られたものではないので、そのためだけに作られたアーケードゲームに、ハードとしての質は劣るからです。例えばスマホはタッチしかできないし、P Cはクリックとキーボードタッチしかできません。
しかし、アーケードゲームのインターフェースは、実に多様です。最近潰えたマジシャンズデッドは、手そのものを使って攻撃するゲームでしたし、自分がハマっていたガンスリンガーストラトスは、銃を使って遊ぶ形式のものです。9月にリリースされる星と翼のパラドックスでは、自分の持ちキャラとタッチパネルを通してハイタッチをする機能が盛り込まれています。
このように、アーケードゲームは、無限の可能性を秘めているので、ゲームをツールとしてコミュニケーションをしたいのならば、ゲーセンという『体験の場』は、これからの時代に最もマッチする場所なのではないでしょうか。
本当に長くなりました。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。