(以下ネタバレ注意!)
「分別」のある姉エリナーと、「多感」な妹マリアン。エリナーが思いを寄せるエドワードは、ぱっとしないが誠実な青年。マリアンが激しい恋をするウィロビーは、美貌と気品を兼ね備える情熱の男性。この似合いのカップルに、それぞれ不似合いな人物が複雑に絡み、姉妹の結婚への道は紆余曲折する。(以上文庫裏表紙から引用。)
複雑に絡みあった人間関係を怒涛の展開で巻くし立てて読ませ切ってしまうのが、ジェイン・オースティンの凄さ。
また、ひとりとしてキャラクターが似かよった人物を描かない(ひとりひとりを綿密に描き切る)のも、オースティンならではの面白さ。
さて、『分別と多感』では、マリアンも魅力的だが、私は、断然エリナーを支持する。世の中を渡っていくには、「分別」が大事だと繰り返し教えてくれるのがエリナーだから。人からどう見られるか、また、人をどう判断するか、という難しいけど慎重にならなければならない点においても、エリナーは、私のお手本になってくれる人物だ。エリナーの分別を見習いたい。
登場人物が多く、それゆえ事件も多い小説で(登場人物の人間関係を把握するのだけでも結構時間がかかってしまった)、エリナーとマリアンが幸せになれるのか気を揉んだのだけど、オースティンらしいエンディングで胸をなでおろした。
約200年前の小説に、恋愛だけではなく世渡りの術まで教わった気分だ。
読み進めやすい現代的な訳で、いろんなタイプの人間を描いているので、人間関係に関して少~し悩みがあるなぁ、という方に読んでみて客観的に人を見てみてほしいかな。分別と多感 (ちくま文庫)/ジェイン オースティン

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