代表選に紛れてこっそり発表「福島原発周辺の高汚染実態」
福島第1原発から半径100キロ圏内の土壌汚染の実態を文科省が発表した。南側に位置する大熊町など6つの市町村の土壌からは、チェルノブイリ原発事故を上回る高濃度の放射性セシウムが検出された。
解せないのは、とっくに分かっている重要な汚染実態をなぜ今ごろ発表したのか。
チェルノブイリ基準なら居住禁止
番組ナレーターは「昨日(2011年8月30日)明らかになった」としたが、実際に発表されたのは29日。翌日の朝刊は民主党代表選の結果に紙面を割き、朝日新聞は5面でさらりと伝えた。大きく取り上げてほしくない政府の姿勢が透けて見えてくる。
それによると、福島第1原発周辺30キロ圏内の大熊町ではセシウム137(半減期33年)が1平方メートル当たり最も高い1545万ベクレル、浪江町、双葉町などの市町村でも148万ベクトルを超えていた。148万ベクレルはチェルノブイリでは居住禁止管理基準となっており、事故から25年経った今も東京都の面積の約2倍の地域は立ち入り禁止が続いている。
高い濃度は30キロ圏内だけでない。福島市内ではセシウム137が55・5万ベクレル以上という数値を検出している。この数値はチェルノブイリでは妊婦や子どもの強制避難の対象になっている危険な数値。それが原発から北西に向けて福島市や郡山市の一部にまで広がっているのだ。
除染作業に20~30年。費用10兆円
日大生物資源科学部の小澤祥司講師は、「今までは戻れるとか、戻るってことが前提になっているが、これで明らかになったことは、戻れないという前提を含めて今後の計画を作る必要があるということです」と指摘する。
小澤講師によると、除染しないとは最低200年は住めないという。除染をするにも作業に20~30年がかかり、それまでは住めない。費用は処分場の建設費、土砂の運搬費などで10兆円を超えるという。
テレビ朝日の玉川徹ディレクター「政府も専門家もとっくに分かっていた。これが現実なので受け入れるしかない。集落ごとに移転するのがベターと思う」
今回は放射性セシウムの数値だけが発表されたが、原発事故では27の放射性物質が放出されるという。ウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使用した3号機も爆発しており、半減期が2万4000年というプルトニウムの検出がなかったのか疑問だ。
解せないのは、とっくに分かっている重要な汚染実態をなぜ今ごろ発表したのか。
チェルノブイリ基準なら居住禁止
番組ナレーターは「昨日(2011年8月30日)明らかになった」としたが、実際に発表されたのは29日。翌日の朝刊は民主党代表選の結果に紙面を割き、朝日新聞は5面でさらりと伝えた。大きく取り上げてほしくない政府の姿勢が透けて見えてくる。
それによると、福島第1原発周辺30キロ圏内の大熊町ではセシウム137(半減期33年)が1平方メートル当たり最も高い1545万ベクレル、浪江町、双葉町などの市町村でも148万ベクトルを超えていた。148万ベクレルはチェルノブイリでは居住禁止管理基準となっており、事故から25年経った今も東京都の面積の約2倍の地域は立ち入り禁止が続いている。
高い濃度は30キロ圏内だけでない。福島市内ではセシウム137が55・5万ベクレル以上という数値を検出している。この数値はチェルノブイリでは妊婦や子どもの強制避難の対象になっている危険な数値。それが原発から北西に向けて福島市や郡山市の一部にまで広がっているのだ。
除染作業に20~30年。費用10兆円
日大生物資源科学部の小澤祥司講師は、「今までは戻れるとか、戻るってことが前提になっているが、これで明らかになったことは、戻れないという前提を含めて今後の計画を作る必要があるということです」と指摘する。
小澤講師によると、除染しないとは最低200年は住めないという。除染をするにも作業に20~30年がかかり、それまでは住めない。費用は処分場の建設費、土砂の運搬費などで10兆円を超えるという。
テレビ朝日の玉川徹ディレクター「政府も専門家もとっくに分かっていた。これが現実なので受け入れるしかない。集落ごとに移転するのがベターと思う」
今回は放射性セシウムの数値だけが発表されたが、原発事故では27の放射性物質が放出されるという。ウランとプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使用した3号機も爆発しており、半減期が2万4000年というプルトニウムの検出がなかったのか疑問だ。
ドイツのTV局ZDF「フロンタール21」シリーズが 8/26 放送した番組
ドイツのTV局ZDF「フロンタール21」シリーズが 8/26 放送した番組
Die Folgen von Fukushima (7分55秒)
福島第一原発から80キロ離れた本宮の農家大沢さんは、自分の栽培する野菜の検査を市民放射能測定所に依頼した。県の食品衛生検査所では受け付けてもらえなかったからだ。検査の結果、大量のセシウムが発見される。
「これはもはや食べ物ではなく放射性廃棄物です」
<日本語字幕の書き起こし>
この美しい風景が悪夢の舞台です
日本屈指の豊かな農地福島県
都会の人の観光地としても人気だ
原発事故でその広域が汚染されてしまったのだ
(福島第一原発の1号機、3号機が爆発する映像)
大沢さん(61)は本宮の農家 原発からは80キロ離れている
畑で採れたジャガイモ・ナス・ネギを隣町の市民放射能測定所に持ち込んだ
原発事故以来自分で栽培した野菜は食べていない
放射能汚染を恐れたからだ
「政府の発表は、もはや信用できない
最初から事態を小さく見せようとばかりしている
『直ちに健康に害がない』の繰り返し
正確な数値も出さない まともな測定もしない
汚染問題の中にみんなを放置した」
事故後、大沢さんはすぐ作物の検査を行政に依頼したが
「畑は20・30K圏から遠く離れている。検査の必要はない」と断られた
市民放射能測定所の意見は正反対である
「汚染の無い作物はない」 特にセシウム137がひどいからだ
「こんな汚染数値の場所は、本当は絶対避難するべきです」
大沢さんのジャガイモも例外ではなかった
原発から60キロ離れた伊達市のシイタケからは
1キロあたり7000ベクレルの汚染が測定された
基準値は500ベクレルだ
「もはや食べ物ではなくて放射性廃棄物です」
汚染調査は本来県の食品衛生検査所の管轄だが
殆どパンク状態である
コンセプトもない 人手も計測器の数も追いつかない
「一般の方の検査はお断りせざるうを得ません
我々が選んだサンプルを検査し判断を出しておりますが
それだけで手一杯の状況です
市民の検査も引き受けたら、役所の仕事に手が回りません」
我慢強い日本人もだんだん食品の汚染問題に気付きはじめている
野菜、緑茶に続いて牛肉
原発を所有する東電の反応は?
今までと同様、ノーコメント、管轄外の1点張りだ
「私達の仕事は原発の中です。測定は国と地方行政の管轄で
私達はお手伝いするだけ ですからコメントできません」
(記者会見場の映像)
大沢さんの農作物検査結果について我々が質問すると
原発担当大臣はうろたえるばかりだった
危機管理担当の役人たちは長々と書類をチェックしたあげく
大臣はついに不備を認めた
「万全の監視体制のつもりでしたが、
牛肉問題で検査の強化の必要が認められました
今後、汚染食品が出回ることを防止しなければなりません」
一方グリーンピースは独自の調査結果を発表
魚も汚染されていた
「魚は相変わらず高濃度のセシウムに汚染されています。
原発から55キロ離れたところまで調査した魚の半分が
基準の500ベクレル/キロを大きく上回っていました
汚染が広範囲であることを物語っています」
日本人の主食、米も同じ運命のようだ
大沢さんの田んぼの土は二度検査所に提出された
最初の検査は合格したが二度目の結果は公表されない
「今年も作付けをできるか知りたかったので
自費で独立の研究所に検査をしてもらった
5万3千ベクレル/キロのセシウム137が検出された」
基準値の7倍だ 米作りはあきらめた
福島市のほとんどの住民は
こうした汚染数値を知らされていない
おりしも夏祭り、売られている物は何でも食べる
(トウモロコシにかぶりつく子どもの映像)
空中線量が下がって以来、人々は日常生活に戻った
子どもの被曝許容量が20ミリシーベルト/時に引き上げられたことへの怒りも忘れ去られたようだ
英国クリストファー・バズビーのような専門家は
まさにそのことに警鐘を鳴らす
「日本政府の無責任ぶりは犯罪的だと思う
子どもに平気で高い被ばくをさせている
都合がいいというだけで短期間でこれほど基準を変えてしまうとは
この判断は間違いなく多くの子どもを死に至らせるだろう
文明国のやる事とは思えない」
だがここはまさに原子力ムラの国なのだ
権力を握る電力会社、政治家、官僚が原発のあらゆるスキャンダルを隠蔽し
大したことがないように見せてきた
何兆円ものビジネスを守るために今回も同じ手段を使おうとしている
大沢さんはまさに文字通り、それを「身」をもって体験した「自分の体がどれくらい被曝しているか検査したかった」
だが、福島大学には拒否された 市民の検査はしないと
友人は隣の県の病院に問い合わせた
ところが、福島県知事から福島県民の診察を受け入れないよう
指示されているそうだ
そのような指示が出された事実はないと当局は言う
しかし、大沢さんは農家を捨てなければならない
自宅で毎時90マイクロシーベルトを測定したのだ
9日間でドイツ原発作業員の年間許容量に達する数値だ
原発から80キロも離れた場所なのに
(クリス・バスビー博士)
「これは人間の想像力を超える惨事です
制御不能の状況であることは当初から明らかだった
どうしたらいいのか誰にも分からないし、簡単な答えもない
これは人類史上最悪の惨事だと思う」
福島のいたるところに人々はヒマワリを植えた
土の中の放射能を吸収すると言われている
Die Folgen von Fukushima (7分55秒)
福島第一原発から80キロ離れた本宮の農家大沢さんは、自分の栽培する野菜の検査を市民放射能測定所に依頼した。県の食品衛生検査所では受け付けてもらえなかったからだ。検査の結果、大量のセシウムが発見される。
「これはもはや食べ物ではなく放射性廃棄物です」
<日本語字幕の書き起こし>
この美しい風景が悪夢の舞台です
日本屈指の豊かな農地福島県
都会の人の観光地としても人気だ
原発事故でその広域が汚染されてしまったのだ
(福島第一原発の1号機、3号機が爆発する映像)
大沢さん(61)は本宮の農家 原発からは80キロ離れている
畑で採れたジャガイモ・ナス・ネギを隣町の市民放射能測定所に持ち込んだ
原発事故以来自分で栽培した野菜は食べていない
放射能汚染を恐れたからだ
「政府の発表は、もはや信用できない
最初から事態を小さく見せようとばかりしている
『直ちに健康に害がない』の繰り返し
正確な数値も出さない まともな測定もしない
汚染問題の中にみんなを放置した」
事故後、大沢さんはすぐ作物の検査を行政に依頼したが
「畑は20・30K圏から遠く離れている。検査の必要はない」と断られた
市民放射能測定所の意見は正反対である
「汚染の無い作物はない」 特にセシウム137がひどいからだ
「こんな汚染数値の場所は、本当は絶対避難するべきです」
大沢さんのジャガイモも例外ではなかった
原発から60キロ離れた伊達市のシイタケからは
1キロあたり7000ベクレルの汚染が測定された
基準値は500ベクレルだ
「もはや食べ物ではなくて放射性廃棄物です」
汚染調査は本来県の食品衛生検査所の管轄だが
殆どパンク状態である
コンセプトもない 人手も計測器の数も追いつかない
「一般の方の検査はお断りせざるうを得ません
我々が選んだサンプルを検査し判断を出しておりますが
それだけで手一杯の状況です
市民の検査も引き受けたら、役所の仕事に手が回りません」
我慢強い日本人もだんだん食品の汚染問題に気付きはじめている
野菜、緑茶に続いて牛肉
原発を所有する東電の反応は?
今までと同様、ノーコメント、管轄外の1点張りだ
「私達の仕事は原発の中です。測定は国と地方行政の管轄で
私達はお手伝いするだけ ですからコメントできません」
(記者会見場の映像)
大沢さんの農作物検査結果について我々が質問すると
原発担当大臣はうろたえるばかりだった
危機管理担当の役人たちは長々と書類をチェックしたあげく
大臣はついに不備を認めた
「万全の監視体制のつもりでしたが、
牛肉問題で検査の強化の必要が認められました
今後、汚染食品が出回ることを防止しなければなりません」
一方グリーンピースは独自の調査結果を発表
魚も汚染されていた
「魚は相変わらず高濃度のセシウムに汚染されています。
原発から55キロ離れたところまで調査した魚の半分が
基準の500ベクレル/キロを大きく上回っていました
汚染が広範囲であることを物語っています」
日本人の主食、米も同じ運命のようだ
大沢さんの田んぼの土は二度検査所に提出された
最初の検査は合格したが二度目の結果は公表されない
「今年も作付けをできるか知りたかったので
自費で独立の研究所に検査をしてもらった
5万3千ベクレル/キロのセシウム137が検出された」
基準値の7倍だ 米作りはあきらめた
福島市のほとんどの住民は
こうした汚染数値を知らされていない
おりしも夏祭り、売られている物は何でも食べる
(トウモロコシにかぶりつく子どもの映像)
空中線量が下がって以来、人々は日常生活に戻った
子どもの被曝許容量が20ミリシーベルト/時に引き上げられたことへの怒りも忘れ去られたようだ
英国クリストファー・バズビーのような専門家は
まさにそのことに警鐘を鳴らす
「日本政府の無責任ぶりは犯罪的だと思う
子どもに平気で高い被ばくをさせている
都合がいいというだけで短期間でこれほど基準を変えてしまうとは
この判断は間違いなく多くの子どもを死に至らせるだろう
文明国のやる事とは思えない」
だがここはまさに原子力ムラの国なのだ
権力を握る電力会社、政治家、官僚が原発のあらゆるスキャンダルを隠蔽し
大したことがないように見せてきた
何兆円ものビジネスを守るために今回も同じ手段を使おうとしている
大沢さんはまさに文字通り、それを「身」をもって体験した「自分の体がどれくらい被曝しているか検査したかった」
だが、福島大学には拒否された 市民の検査はしないと
友人は隣の県の病院に問い合わせた
ところが、福島県知事から福島県民の診察を受け入れないよう
指示されているそうだ
そのような指示が出された事実はないと当局は言う
しかし、大沢さんは農家を捨てなければならない
自宅で毎時90マイクロシーベルトを測定したのだ
9日間でドイツ原発作業員の年間許容量に達する数値だ
原発から80キロも離れた場所なのに
(クリス・バスビー博士)
「これは人間の想像力を超える惨事です
制御不能の状況であることは当初から明らかだった
どうしたらいいのか誰にも分からないし、簡単な答えもない
これは人類史上最悪の惨事だと思う」
福島のいたるところに人々はヒマワリを植えた
土の中の放射能を吸収すると言われている
綺麗な国土を取り戻すための3つの具体的な考え方
綺麗な国土を取り戻すための3つの具体的な考え方
福島を中心とした土地がすっかり汚れてしまいました。今、お米を作るときにも「大丈夫だろうか?」と心配しながら収穫をしている状態です。こんなことは長く続ける訳にはいかないでしょう。だから、きれいにしなければなりませんが、この福島の地を中心として日本人が安心して暮らすことができる手順には3つ考えられます。
1) 被曝方式(政府がとっている政策)
2) 避難方式(かつてソ連がとった政策)
3) 除染方式(私の提唱している方法)
それぞれについての具体的な方法について考えてみたいと思います。
まず、現在の民主党政府が採っている方式は「被曝方式」で、その基本的な考え方は、「これまで放射線の被曝は怖いと言ってきたし、法律でも1年1ミリシーベルトを限度としていたが、それは間違いで、本当は1年50ミリシーベルト(外部、内部を加えて)ぐらいだから、暫定基準値を実際の被曝に合わせて高くすればそのまま汚染された土地に住むことができる。政府も東電も何もしなくてもよい。」というものです。
別の呼び方をすれば、「イチカバチ方式」、もしくは名前の響きは悪いのですが、「人体実験方式」と言ってもよいでしょう。つまり、どのぐらい被曝するとどうなるか医学的にはハッキリしていないので、日本人に被曝させてその様子を見るという考え方です。10年ほど経つと福島を中心としてどのぐらいのガン患者さんがでるか、それを固唾をのんで見守り、福島医大に放射線被曝の先生を招聘して、治療に当たらせる方針です。後の述べたいと思いますが、「障害者がでることがわかっているのに、お金を優先して何もしない」ということはすでに社会的に許されないことになっていますが、日本はまだ野蛮国なのでしょう。
このような方式を定着させるために、政府は「1年1ミリシーベルトの法律の規制値は間違いだ」と主張する多くの「専門家や医師」を全面に出して、大規模なキャンペーンをやっています。法律違反を勧めているのですから、もしガン患者が出たら、それを勧めた専門家や医師はどのような責任をとらされるのか、法律的にも検討が必要でしょう。
私はとても違和感があります。医学的に正しいということはなかなか難しいのですが、1992年の環境サミットで国際的な合意に達した「予防原則」以来、政府も専門家もそろって「学問的に不確かな場合は安全サイドを採る」と言い続けてきたのに、急に変わったのです。特に環境省がなにも言わないのは、何のために環境省を国民が設置したのかということすら疑わしくなります。
政府の機構は「行け行けドンドン」という役所だけではなく、原子力安全委員会や環境省などのように「ちょっと待て」という役所もあるのですが、それが「行け行けドンドン」と一緒になって本来の役割を果たしていないのです。原子力の安全性についても福島原発事故という新しい事実を受けて、原子力委員会(推進)と原子力安全委員会(規制)とが激しく議論し、新しい考え方を決めなければならないのですが、そのような動きも全く見られません。
また、環境省は環境中の放射線が法律の枠を超えているのですから、環境を守るという側面から強く被曝量を1年1ミリに押さえるように提言するために存在する役所と考えられます。
政府がとっている「被曝方式」が万が一にでも間違っていて、従来からの被曝と病気の関係が認められたら、政府の「被曝方式」は傷害罪になるのではないかとも思います。というのは、学問的にも「一人一人の疾病」が見られる限度は1年1ミリより多くても、集団の場合、障害が見られるというのが従来の知見だからです。
ちょっと聞くと誰もが「おかしい」と思いますが、どうも「50歳過ぎのおじさん」と話をしていると、この被曝方式の本音は「除染にお金がかかるから、子供に被曝して貰う方がよい。自分の子供でないのだから、関係ない」ということのようです。政府もこのような国民の「声なき声」をくみ取って被曝方式を採用していると考えられます。
(参考)
外部被曝 1年20ミリまで暫定的にOKとすると、
内部被曝 呼吸によるものが1年20ミリ
食材被曝 5ミリから20ミリ
となりますから、合計45ミリから60ミリ程度の被曝になる可能性を含んでいます。また、2)および3)の方法については次の機会に書きたいと思います。
中部大学武田邦彦
(平成23年8月30日)
福島を中心とした土地がすっかり汚れてしまいました。今、お米を作るときにも「大丈夫だろうか?」と心配しながら収穫をしている状態です。こんなことは長く続ける訳にはいかないでしょう。だから、きれいにしなければなりませんが、この福島の地を中心として日本人が安心して暮らすことができる手順には3つ考えられます。
1) 被曝方式(政府がとっている政策)
2) 避難方式(かつてソ連がとった政策)
3) 除染方式(私の提唱している方法)
それぞれについての具体的な方法について考えてみたいと思います。
まず、現在の民主党政府が採っている方式は「被曝方式」で、その基本的な考え方は、「これまで放射線の被曝は怖いと言ってきたし、法律でも1年1ミリシーベルトを限度としていたが、それは間違いで、本当は1年50ミリシーベルト(外部、内部を加えて)ぐらいだから、暫定基準値を実際の被曝に合わせて高くすればそのまま汚染された土地に住むことができる。政府も東電も何もしなくてもよい。」というものです。
別の呼び方をすれば、「イチカバチ方式」、もしくは名前の響きは悪いのですが、「人体実験方式」と言ってもよいでしょう。つまり、どのぐらい被曝するとどうなるか医学的にはハッキリしていないので、日本人に被曝させてその様子を見るという考え方です。10年ほど経つと福島を中心としてどのぐらいのガン患者さんがでるか、それを固唾をのんで見守り、福島医大に放射線被曝の先生を招聘して、治療に当たらせる方針です。後の述べたいと思いますが、「障害者がでることがわかっているのに、お金を優先して何もしない」ということはすでに社会的に許されないことになっていますが、日本はまだ野蛮国なのでしょう。
このような方式を定着させるために、政府は「1年1ミリシーベルトの法律の規制値は間違いだ」と主張する多くの「専門家や医師」を全面に出して、大規模なキャンペーンをやっています。法律違反を勧めているのですから、もしガン患者が出たら、それを勧めた専門家や医師はどのような責任をとらされるのか、法律的にも検討が必要でしょう。
私はとても違和感があります。医学的に正しいということはなかなか難しいのですが、1992年の環境サミットで国際的な合意に達した「予防原則」以来、政府も専門家もそろって「学問的に不確かな場合は安全サイドを採る」と言い続けてきたのに、急に変わったのです。特に環境省がなにも言わないのは、何のために環境省を国民が設置したのかということすら疑わしくなります。
政府の機構は「行け行けドンドン」という役所だけではなく、原子力安全委員会や環境省などのように「ちょっと待て」という役所もあるのですが、それが「行け行けドンドン」と一緒になって本来の役割を果たしていないのです。原子力の安全性についても福島原発事故という新しい事実を受けて、原子力委員会(推進)と原子力安全委員会(規制)とが激しく議論し、新しい考え方を決めなければならないのですが、そのような動きも全く見られません。
また、環境省は環境中の放射線が法律の枠を超えているのですから、環境を守るという側面から強く被曝量を1年1ミリに押さえるように提言するために存在する役所と考えられます。
政府がとっている「被曝方式」が万が一にでも間違っていて、従来からの被曝と病気の関係が認められたら、政府の「被曝方式」は傷害罪になるのではないかとも思います。というのは、学問的にも「一人一人の疾病」が見られる限度は1年1ミリより多くても、集団の場合、障害が見られるというのが従来の知見だからです。
ちょっと聞くと誰もが「おかしい」と思いますが、どうも「50歳過ぎのおじさん」と話をしていると、この被曝方式の本音は「除染にお金がかかるから、子供に被曝して貰う方がよい。自分の子供でないのだから、関係ない」ということのようです。政府もこのような国民の「声なき声」をくみ取って被曝方式を採用していると考えられます。
(参考)
外部被曝 1年20ミリまで暫定的にOKとすると、
内部被曝 呼吸によるものが1年20ミリ
食材被曝 5ミリから20ミリ
となりますから、合計45ミリから60ミリ程度の被曝になる可能性を含んでいます。また、2)および3)の方法については次の機会に書きたいと思います。
中部大学武田邦彦
(平成23年8月30日)