今からわずか72年前、当時誰もが信じてやまなかった太平洋戦争での勝利が、「玉音放送」によって無条件降伏という形で終焉を迎えた。
「鬼畜米英」と叩き込まれ、国のために命を捧げ、4年もの間戦い続けた男たちは、この日をどう迎えたのだろう。
東京大空襲、広島・長崎への原爆投下で、自分の妻が殺され、自分の母が殺され、兄が、息子が、友が殺され、仇を取るまで戦うと誓った人がどれだけいただろう。
戦争はいけないこと。今さら言うまでもない当然のことだが、当時は武力で己を守る、国を守る時代。
どんな思いで「玉音放送」を聞いたのだろう。
「まだ戦いたい」と思う人、「やっと終わったんだ」と思う人。
色んな人の手記を読んだ。
どちらの思いもリアルで胸に突き刺さり、涙が止まらなかった。
日本という国は美しい。
日本人は強い。
たかだか42年、この誇りを胸に生きてきた。
家がある。ご飯が食べられる。大切にすべき仲間がいる。仕事ができる。
今日もその喜びを感じられる。
僕らの祖父達が戦地で国のために勇敢に戦ってくれたこと。
72年前の今日、数々の惨劇に対する「報復」ではなく、「平和」を選んでくれたこと。
家族を失い、仇を取るというエネルギーを未来の発展へと向けてくれたこと。
「許す」「受け入れる」ということが勇敢なことだと教えてくれたこと。
日本の高度成長期を支えた数々の勇気、そして、戦禍に散った数々の勇気が、今の僕を作ってくれている。
谷本恒治