カンパチ!
ジウコトモニタ谷本恒治だす。
今日はその2、「裏声のクオリティを上げる」というお話。
前回お話しました通り、ミックスボイスとは、輪状甲状筋と甲状披裂筋
が引っ張り合ってる(助け合ってる)状態。
簡単に言うと、輪状甲状筋は音程を司る筋肉、甲状披裂筋は音色を司る筋肉。
つまり、リンちゃん(以下、めんどくさいんで)が頑張ると、声帯を薄く引き伸ばし、音程を上げる。コウちゃん(同様に)が頑張ると、声帯を分厚く巻き込み、豊かなトーンを作る。
ちょっと太めの輪ゴムがあれば、両側に引っ張ったり縮めたりしてみよう。
引っ張ると薄く伸びる(リンちゃん寄りの状態)、戻すと緩まり分厚くなる(コウちゃん寄りの状態)
伸びた時は薄くなり、戻れば分厚くなる、つまり、どちらかが頑張っている時は、もう一方はその力を邪魔しないように影を潜める。
そうやって双方がバランスを取り合って輪ゴムは輪ゴムとして存在する。
声帯に話を戻して。
今回の「裏声のクオリティを上げる」というのは、“いかにリンちゃんを鍛えるか”というのではなく、“いかにコウちゃんを休ませるか”というのがポイント。
リンちゃんが頑張って声帯を引っ張ろうとしても、逆方向にコウちゃんも頑張ってしまうと声帯には負担がかかる。
リンちゃん「声帯君は私のものよっ!エイッ!」
コウちゃん「何よ!私だって前から声帯君のこと好きだったんだから!エイッ!」
声帯君「や、やめて・・・い、痛い・・・」
ってな感じ。
そしてもう一つ大事なのが、コウちゃんを緩めすぎないこと。
改めて、ミックスとは、リンちゃんとコウちゃんが助け合ってる状態。
リンちゃん80%、コウちゃん20%で合計100%
これもミックス。
(これを分かっていない人がとても多い!)
当然、リンちゃん50%、コウちゃん50%でも合計100%でミックス。
それを、リンちゃんサイドに寄らないと、という意識だけになってしまって、リンちゃん80%、コウちゃん0%、合計80%、になっている人が非常に多い。
これは極端に言えば、それぞれの筋肉をフルに活用できていないので、何ボイスとかの前に“声”として成り立っていない。
そして、コウちゃんを完全にオフってしまったら、次に低音域にさしかかった時に上手くバトンタッチができない(フリップ)
逆もしかり。
どちらか一方を鍛えるのではなく、このリンちゃんとコウちゃんの仕組みを頭に入れて練習しないといけないのです。
何度も言うけど、閉鎖筋はこの話には関係ないよ。
リンちゃん100%、コウちゃん0%、閉鎖筋頑張る、は、閉鎖の強い100%裏声だからね。