レイブンズの優勝で幕を閉じたスーパーボウル。
そのスーパーボウルで、気になっていたのがレイブンズのパンターがサム・クックという名前だということ。
なもんで勝手に「サム・クック・レイブンズ・パンター」と自分のブログタイトルと重ね合わせたりしていて楽しんでいた(^_^;)
そのスーパーボウルの裏では、黒人が開催しているスーパーボウル・ゴスペル・セレブレーションというイベントも行われていて、ゴスペル・シンガーを始め様々な黒人シンガーがスーパーボウルを祝っていた。
その中で目をひいたのは、『アメリカン・アイドル』の三代目優勝者、ファンタジア・バリノがサム・クックの"A Change Is Gonna Come"を熱唱していたこと。(Youtubeリンク)
可愛らしい声にも関わらず、豪快にシャウトを決めるステージに観客も聴き入っている姿が見て取れる。
しかし、今回の主役はそのファンタジアではなく、前回に続いてそのファンタジアも出場していたアメアイから、お決まりとなったサム・クックの鉄板曲“A Change Is Gonna Come”を選曲してきた、二人の男性をまとめて取り上げてみることに。
その二人とも選曲が同じであるだけでなく、イニシャルが"M,F"という紛らわしいものになっている(^_^;

彼は『グリー・プロジェクト』といって、海外ドラマで有名な『グリー』に出演するための、選考番組のメンバーに選ばれていただけあって、知名度は既にあった。
しかし最終的に選考からはもれて、『グリー』への出場にはならなかったこともあり、再チャレンジとばかりにこのアメリカン・アイドルに応募してきたようだ。
フェルナンデスは、原因不明の背が伸びないという障害があったために、その差が明らかになってくる青年期に酷いイジメにあい、多くの涙を流してきたという。
その為に歌うことは好きであっても、人前で歌ったり、ましてやこんなメディアに出ることすら躊躇っていたそうだ。
そして勇気を出して出場した『グリー・プロジェクト』のステップを踏み、自信を持って『アメリカン・アイドル』に挑戦してきた。
Matheus Fernandes Auditions - AMERICAN IDOL SEASON 12
歌い終えたマテウスに向かって、ニッキー・ミナージュは「私たちはユニークで特別な人を探しています。あなたはそれに見合った候補者です。」と言い、彼は審査員達の自分を認めてくれる優しい言葉に触れ、今まで流してきた涙とは違う喜びの涙を抑えられずにいた。
マライヤ・キャリーは彼の歌声に心を打たれたと、今までの彼の苦悩を感じ取り、もらい泣きしてしまう。。。
こういう一連の流れを観ていくと、ついつい番組サイドの思惑などを考えてしまいがちになるけれど、ニッキーがはっきり言っているように、この番組で勝ち上がるには、たいした苦労もせず一般的な生活してきた人がそこそこ上手く歌っても難しいということ。
その人のバックグラウンドに特別な何かが無ければ評価されないということに気づく。

マットはまだ幼い可愛らしい娘を連れてオーディション会場に現れた。
彼はアメリカ兵としてイラクに出兵していた経験があり、腕には生きて帰ることの出来なかった兵士達に敬意を表す為に刺青を入れたと語る。
彼自身も生きては帰ってきたものの、IED(即席爆発装置)の爆発によって脳を損傷する被害にあったという。
そして、娘と平和な日々を取り戻し、亡くなった兵士達に向けて歌われたのが"A Change Is Gonna Come"。
Matt Farmer Auditions - AMERICAN IDOL SEASON 12
もうオリジナルの歌い方では勝ち上がれないのか、先ほどのマテウスと同じように個性的なアレンジで歌い上げるマット。
サムの"A Change Is Gonna Come"が、それぞれのバックグラウンドを引き立てる効果的な選曲となっている。
二人共、心温まるエピソードと素晴らしい歌唱力で、次のステージの切符を手に入れることが出来た。
が、ここである問題が。。。
この番組の放送終了後にマット・ファーマーのルームメイトだったという人物から番組に連絡があった。
そのルームメイトによると、マットはイラクでIEDの爆発による負傷など一切なく、無傷で戦地から帰ってきていて、脳へのダメージについてもアルコールと薬物の摂取による発作からくるものだと暴露した。
マットは『アメリカン・アイドル』の審査員によく聞こえるように、全て嘘の話を作っていると、そのルームメイトは訴えている。
当初マットはそのことについて、番組サイドに責任の一部を負わせるように、勝手に編集されたと言っていたようだが、今は自ら嘘を白状しているという。
しかし番組がバックグラウンドに拘った為に起こったと言ってもおかしくないような、何ともお粗末な結果に(^_^;)
そう考えると可愛い娘さんや、サムの"A Change Is Gonna Come"がダシに使われたようで悲しい。
いや、嘘をついたマットですら、そこまでしないと勝ち上がれない番組の被害者とも言えるのかも。。。
折角、素晴らしい歌声をしているのに勿体無い。
ってか、今後アメアイで"A Change Is Gonna Come"を使うのは禁止にするべき(笑)
うん、それほどに名曲だって言いたいわけです、はい(^_^;)