$Sam Cooke Taste Hunter


サム伝記映画化までの道のりなんですが・・・例によってサム役に決まったレイ・ラベンダーの近況報告です(^_^;)

前回、新曲を発表していよいよ映画作成に本腰かと思われていたレイ・ラベンダーは、今秋までにシングルを何枚かリリースして、それらを収録した初アルバムを秋にリリースする予定だということを、とあるインタビュー記事で確認した。

そのスケジュールからすると年内に上映というのは困難なように感じる。
ヘアースタイルも相変わらずのベリー・ショートだし、サムを思わすような体作りもされていないようだ。

ストーカー的にチェックしているツイッターでは、フォロワーから「サム・クックの映画は、いつ頃上映の予定ですか?」とか「映画の撮影は進行中ですか?」の質問をされているが、それに対しては相変わらずのスルーで、新曲の宣伝をしてくれているフォロワーのツイートをリツイートするばかり。

そんなことで相変わらず進展は伺えないが、面白い映像を見つけてきた。

それはそのレイ・ラベンダーが、ステージ上でサムの"A Change Is Gonna Come"を歌う姿。

最近行われた何かのイベントでのステージングだが、彼が公の場所でこの曲を歌うのは初めてではないかと思う。
映画を彼の地声でいくのか、サムの歌声を被せていくのかの判断材料になりそうな動画だ。

では、その歌声をじっくり聴いてみることに。。。

Ray Lavender - A Change Is Gonna Come


さて、どのような感想を持たれたでしょう?

確かにビブラートが多めで巧く歌っていて悪くはない。しかしサムを忠実には歌っていない。
本人もここではサムとソックリに歌おうとはしてなかったのかもしれないし、多少照れもあったのかもしれないが、およそストーリーテラーとしてのサムのステージングには程遠い。

彼には期待しているが、やはり映画のステージ・シーンでは本当のサムの歌声である方が理想のように思う。

一先ず、上映までにはまだまだ時間がかかりそうなので、それまで何だかんだといちゃもんを付けながらも楽しんで気長に待つことに(^_^;)


それから映画ついでに、以前サム・クックの曲が映画で使われているものをまとめた"Sam Cooke Soundtracks"(リンク)で、取り上げていなかった映画"Houseboat"の紹介を。

$Sam Cooke Taste Hunterこの映画は、邦題を『月夜の出来事』といい(同名のオカルト映画とは別)、1958年に上映されたロマンティック・コメディ。

映画のあらすじを簡単に紹介すると、法律に関する仕事にたずさわる敏腕の中年男トム(ケリー・グラント)が、離婚した妻が事故死したために、急に狭い独身アパートに3人の子供たちを引き取ることになる。

なかなかなつかない子供たちの一人が家出をし、その子を家まで連れて帰ってくれたイタリア娘のシンチア(ソフィア・ローレン)を家政婦として雇う。

彼女は子供たちを手なずけてくれたものの、自由奔放な性格で家事全般に疎く、騒動を引き起こす。

しかし、トムは次第に大らかな魅力を持つ彼女に惹かれていく。
さてさて、その後の一家の行く末はいかに。。。

というように、家政婦のミタさんとは正反対の家事が出来ないシンチアだが、伸びやかに子供たちと接し、厳粛で頭の固いトムまで心を惹かれていく様は、まるでサウンド・オブ・ミュージックを思わせるストーリーだ。


そんな映画の中で、トムとシンチアのダンス・シーンに使われていたのが、サムの"Almost In Your Arms"。

サムはこの映画用にカバーされた"Almost In Your Arms"を含むEPをリリースしていて、それがトップ画像のジャケ。
この"Almost In Your Arms"が録音されたのは58年の3月で、ちょうど初めてのコパ公演が失敗に終わった2週間後のことだった。
その時のサムはコパの失敗を悔やんでる暇も無く、ニューヨークに滞在中に映画用の録音とテレビ出演をブッキングしていて、慌ただしく動き回っていたという。

その"Almost In Your Arms"は、後に別でシングルとしてもリリースされているが、この映画で使われていたのは別ヴァージョンで、シングルのものより演奏もサムの歌声もソフトにアレンジしてあり、映画のチーク・ダンスのシーン用に仕上げられている。

そのシーンがこちら。

Sam Cooke - Almost In Your Arms (Houseboat)


『刑事ジョン・ブック 目撃者』の"Wonderful World"でハリソン・フォードが踊るダンス・シーンも素晴らしかったが、このケリー・グラントが外部の声も耳に入らないほど、野性的な美しさを持つソフィア・ローレンに恋していくダンス・シーンも素敵だ。
映画『マルコムX』の"A Change Is Gonna Come"が死を予見するものであれば、この"Almost In Your Arms"は二人の愛を予見するもの。
サムが優しく歌う"Almost In Your Arms"が二人の仲を取り持つように劇中に流れてくると、やはりサムの歌う曲はロマンティックなムードによく合うものだと改めて実感できる名シーンの一つと言える。

こんな風にサムの歌声がスクリーンから流れだすと鳥肌どころの騒ぎではなくなりそう(^_^;)

気長にサムの伝記映画を待つと言っていたけど、このような映画を観ると待ち遠しくてたまらなくなってきた(笑)



そそ、最後についでと言っては何ですが今月の『ブルース&ソウル・レコーズ105号』の特集はサムとも面識があり今年亡くなったジョニー・オーティスで、ツイッターやアメブロでお世話になっている山本慎也さんがサム・クックのアルバム・レビューを書かれていますので、是非ご購読を(リンク)。。。m(__)m 

$Sam Cooke Taste Hunter
                            (Sam Cooke with Johnny Otis)