$Sam Cooke Taste Hunter

2006年にデビューアルバム”James Morrison”(原題:”Undiscovered”)がイギルスで初登場1位をかざり、日本でも一躍有名になった白人シンガーソングライターの”James Morrison”。

今回彼を取り上げたのは、7月21日に発売予定の Herbie Hancock の新譜”Imagine Project ”に関わっているから。

「2010年4月12日に70歳の誕生日を迎えたジャズ界の巨匠ハービー・ハンコック。その新作がなんとソニー・クラシカルから登場します。「イマジン・プロジェクト」と題された新作は、「平和と地球規模の責任」をアルバム・コンセプトとして、音楽ジャンルにとらわれない視点から人選されたミュージシャンが参加し、世界各地でレコーディングと映像のプロジェクトが同時に行われました。」(アマゾンより抜粋)

平和をテーマにと集められたアーティスト達が半端じゃない。
Dave Matthews, Anoushka Shankar, Jeff Beck, The Chieftains, John Legend, India Arie, Seal, Pink, Juanes, Derek Trucks, Susan Tedeschi, Chaka Khan, K'Naan, Wayne Shorter, James Morrison, and Lisa Hannigan.(参照サイト
正に、ハービー版『ウイ・アー・ザ・ワールド』。
今年のグラミー間違いなしとも言われている。

全10曲ともポピュラーなヒット曲のカバーになっているが、注目したいのがこのジェームス・モリソンが歌うサム・クックの "A Change Is Gonna Come" 。

想像するに、選曲はハービー自身が前もって決めていて、後でこの曲はこのアーティストにと依頼していたのではないかと思う。
そんな中、サムの "A Change Is Gonna Come" を歌ってもらうシンガーを決める時点で、前記にあるように「音楽ジャンルにとらわれない視点から人選」加えて、「人種にとらわれない人選」という考えのもとに、あえて白人であるジェームス・モリソンに白羽の矢が立ったというように捉えた。

ハスキーで荒々しい声量。特有の歌いまわしに白人とは思えないソウルフルな歌声は、ハービーの心を掴んだと思う。

では、このジェームス・モリソンとサム・クックを繋げる一曲は何だたっか、そこを探ってみた。
セカンドアルバムまで発売されているが、これといったカバー曲も無い。
しかし、そのセカンドアルバム”Songs For You, Truths For Me”の中の一曲、”If you don't wanna love me ”を聴いていただきたい。



この曲のオープニングの歌いまわし。間違いなくサムのそれを意識して歌っている。
多分、ハービーもこの曲を聴いていて、ジェームス・モリソンを人選したと推測した。

そして、その人選が間違いではなかったと証明してくれるような素晴らしい"A Change Is Gonna Come"が出来上がった。

James Morrison - A change is gonna come (from "The imagine project" 2010)


多分歌いづらかっただろうと思うハービーのジャジーなピアノをバックに、黒人かと思うほどソウルフルでトリッキーな歌いまわしは期待通り。
後半のインストとも相まって、歌ものでは終わらないジャズを堪能できるアレンジになっている。
天国のサムも「俺に歌わせろ。」と出てきそうな雰囲気だ(笑)

デイブマシューズにデレク、ジェフ・ベックのギターなど、個人的にも楽しみな曲がてんこ盛りのこのアルバム。

う~~~~ん。早く聴きたい!(>_<)