$Sam Cooke Taste Hunter

この人もサム・クックのフォロワーとしてよく紹介される、”Lotsa Poppa”。
フォロワーではあるが、サム・クック節が聴けるようなシミラーではないようだ。

ディスコグラフィーは次のように少ない。

LOTS A POPPA - I FOUND A LOVE/THAT'S WHERE IT'S AT (TRIBE 8305)(JET STREAM 710)
LOTS-A-POPPA - Look In Your Mirror /Tribute To Sam (Jet Stream 714)

そして確認は出来てないものの、Specialty Records から"That's Where It's At"と "The Bachelor" というシングルも1964年の11月に出されているよう。
"THAT'S WHERE IT'S AT"などの曲名を見て思ったのが、同じサムの曲をカバーしていた"Modern Soul Trio"など、発表された曲は少ないアーティストでも、サムの曲をカバーしたり、サムへの追悼歌を歌っていれば、マイナーであれどもサム・クックのフォロワーとして名前が挙がるのだなと感じた。

そんなポッパも経歴を見れば、けっしてマイナーなものではないと思ってもらえる。

体の大きかったポッパは、別名を”Julius High Jr”といい、幼い頃から聖歌隊に入り歌に親しみ、Bobby “Blue” Bland や Sam Cooke に影響を受けて、10代の頃には”Royals”という黒人ボーカルグループを作り、白人ばかりの会場で働いていたそう。

黒人がビールをバーで飲めないような時代で、彼らの控え室は台所だったそうだが、実力のあるポッパは次第に有名なホテルで公演を行えるようになり、Jackie Wilson, Gatemouth Brown, Jimmy Witherspoon, Little Willie John などと共演するように。

その後、James Brown や Jimmy Reed の前座もこなし、”Lee Moses ”というプロのグループを組み、Sam Cooke ともツアーを回ったり、アポロシアターの舞台にも2度立った経験があるとか。

サムとのツアー中の滑稽なエピソードがあり、前の晩にポッパとサムはポーカーで賭けをして、ポッパが勝ち大金を手に入れたので、サムが親切にもそのお金を家に送ったほうがいいと言ったが、ポッパはそれに応じず、次の夜に今度はサムが勝ち全額取り戻したそう。

その他にも、ソウル、ブルース、R&B界の有名なアーティストとも共演を果たしており、体や名前だけの大物でなく、バイオグラフィーもメジャー級だったようだ。

さて、そんなポッパのサムテイストな一曲となれば、やはり親交の深かったサム・クックへの追悼歌、”Tribute To Sam”になると思う。



サムは、1964年12月11日に亡くなっているが、この曲はサムを惜しんで1965年の3月に出されている。
Bobby Harris も同じように素晴らしい追悼歌を歌っているが、ポッパのこの曲もどことなく、O.V.Wright の”That's How Strong My Love Is”を思わせる名曲であるように思う。
お世話になってる、NAOYA氏曰く「バックの滲む様な音色のギターはROBERT WARD(オハイオ・アンタッチャブルズ)を思わせますね。」とも。
映像のステージに腰をかけながら歌う姿は、今年来日した Solomon Burke にも見え確かに巨漢(^_^;)

すでに2002年に引退して、2人の兄弟と2人の姉妹の5人兄弟と2人の息子がいるアトランタの療養所で暮らしているそうです。(↓画像)

$Sam Cooke Taste Hunter


病気の治療中でもあるせいか、かなり痩せられたと思う。
この8月(2010年現在)で75歳の誕生日を迎えられるそうだ。

もう歌声は聴けずとも、サムとのポーカーゲームの話など一度聞いてみたいと思いますよね。