$Sam Cooke Taste Hunter

サム・クック関連のブログでありながら、サム本人の話題は避けていたんですが、画像のCDを手に入れてしまったので少し感想など。

購入前にネットで色々評価を見ていたが、その殆どが酷評。
しかし、CDもすでに廃盤と手に入りにくい状態であったため、中途半端なファンではあるがその音が聴きたくてしかたがなかった。

サム・クックともなれば、手に入りにくい音源ならそこそこ高値になってもいいところだが、その評判のせいかあまり高値で取引されていない。
そんな中、お手ごろな値段で購入したこの”HIT'S OF THE 50's”。
収録曲は、こんな感じ。

side 1
1.Hey There
2.Mona Lisa
3.Too Young
4.The Great Pretender
5.You,You,You
6.Unchaind Melody

side 2
1.The Wayward Wind
2.Secret Love
3.The Song from Moulin
4.I'm Walking Behid You
5.Cry
6.Venus

早速聴いてみた。

うん、なるほど、中途半端なファンの僕でも酷評されるのが解らなくもない内容だった。

まず一つにすべてがポピュラーなヒット曲のカバーであることもあるのだが、まま、そんな事はタイトルを見れば百も承知。
だが、全体的に静かな選曲。
50年代のヒット曲であるなら、もっとノリのいい曲も加えればいいようなもの。
サム・クックのスタジオ盤でさえ物足りなさを感じて『退屈』と表現するソウルファンもいるが、そんな人にしてみたら、それ以上に『退屈』なアルバムかもしれない。

何だろう、この物足りなさは。

解りやすく説明出来るか解らないが、サム・クックの歌を『塩ねぎま』に例えてみることに。
あの独特のメリスマが『ねぎ』であり、綺麗に通る声の裏に響く少しハスキーな枯れ具合、これが味のスパイスとなる『塩コショー』ってとこか。
このアルバムを録音する時のサムは、相当自前の声を温存して、喉の調子がクリアな状態で挑んだように思う。
白人聴衆のウケを狙っていたのかどうかわからないが、綺麗過ぎる声。
そう、そのメリスマである香ばしい『ねぎ』と、鼻に抜けるように程よく辛い『塩コショー』が無いのだ。
単に、モモ肉だけを串に刺し、甘ったるいタレをかけられた何の変哲もないタダの焼き鳥って感じ。
(それはそれでウマいけど・・・。)

そうは言うものの、このアルバムをキッカケにあの名曲”Chain Gang”が生まれたと思えば、ある意味新しいスタイルの構築のヒントになった重要なアルバムなのかもしれない。

あぁ、あまり酷評とかしたくなかったんですけど・・・ちょっと調子に乗りました(^_^;)

でも、選曲が静かなぶん、寝る前に聴くアルバムとしてはチョーお薦めです(笑)

ではその中の1曲、”Secret Love”などを。

Sam Cooke- Secret Love