傲慢と善良を読んだ。

少し前にバチェラー出演者の鈴木光ちゃんの
Xへの投稿で興味を持った作品で、
久しぶりに小説を読んだ。

真実の魅力がまったくわからない。

架は学歴も高いであろうし、
仕事経験、恋愛経験も人並み以上にあり、
友人も多く、婚期は逃したものの、
婚活市場でも人気がある男性のように思う。

対して、真実は恋愛経験もなく、
大した仕事経験もなく、私なんて…と謙虚そうに振る舞っているようで、
同僚にもお見合い相手のことで辛辣な悪口を言ってたり、
善良…というか、
ただ確固とした自分が無いだけで、
その割には男性に対する理想やプライドは高い、魅力のよくわからない女性だと思った。

清楚な印象はあるが、
特別容姿が美しいと言う描写も無く、
真実を探す過程で義家族や同僚達から
真実のいろんな過去を聞かされ、
彼女の薄っぺらさによく架は途中で冷めなかったなと…。

物語の前半で架からも結婚したい度が70パーセント(70点)と評されてる印象が強く、
もし本当にストーカー被害にあって失踪したとしても、
そんなに架が一生懸命探すほどの女性なのかな〜…?と、よくわからなかった。

なので、第一部の後半で美奈子と梓が言いたいことを全て架に言ってくれたのにはスカッとした!

…とここまで書いたけれど、
実は、真実が私自身にめちゃくちゃ重なるのだ。。

控えめで遠慮がちな性格も、
家の堅さも、
お嬢様大学出身なところも
仕事に対する感覚も、
男性に対する理想の高さも。

身の程知らずだと
真実に対する怒りを覚えつつも、
私も一緒だったな…と反省もした。

いろんな男性にアプローチもされてきたが、
ピンとこないからと、
全くと言っていいほど
まともに向き合うということをしてこなかった。
今思えば、素敵な男性も多かったと思う。

でも、なんだか怖かったのだ。
追いかけられることが、先に進むことが。

自分の薄っぺらさを知られることが怖かったのか?
自分自身がつまらない人間だということが露呈することが怖かったのか?
その人を選ぶことによって、それ以外の、その人以上の素敵な人との未来が無くなることが怖かったのか?
今となってはよくわからない。

また人を受け容れる器というものが、
ものすごく小さかったと思う。

失礼な態度もたくさん取ってきたと思う…。

自分も大した人間では無かったのにな…。

結果として夫のような、
大企業で出世コースに乗っている頼もしい男性と結婚出来たから良かったものの、

私も真実と一緒で努力していない割には、
自分が美しいしモテると高く見積もっていて、
身の程知らずだったのだろうなと。

それから、今女の子を育てている母親として、
陽子のような母親になることも気を付けなければ…と思った。

娘はとても優しくていい子で育てやすい。
だからこそ、
型にはめたり、レールを敷いたり、
私の思い通りにするようなことは
気を付けるようにしたい。

躾と自由のバランスを取ることを心がけよう。。

自分自身を客観的に見つめる機会となる、
良い作品だったな〜!