果たして宇宙が全部見えているのでしょうか?
これを考える道具として、光円錐という概念があります。
夜空を見上げると、アンドロメダ銀河が見えます。
なので、アンドロメダ銀河は見える範囲に入っているでしょう。
それは全く正しいです。
しかし、空間の3次元に時間の拡がりの次元も加えて4次元で宇宙空間を捉えると、
また別な展開があり得ます。
例えば、今ここの私には、今のアンドロメダ銀河が見えているわけではありません。
239万光年(位置)離れたアンドロメダ銀河の今(時刻)の物事や情報は、
光の速さで伝わったとしても239万年かけてようやくここに届くのですから。
今見えているのは、239万年前のアンドロメダ銀河の姿です。
今のアンドロメダ銀河の姿がここの私に見えるのは、多分239万年後です。
注:世界線とは?
特定の物や光や情報が、時間の流れにつれてどのような行程をたどるかをあらわす軌跡を
世界線と呼びます。
例えば上図のように縦を時間の流れ、横を空間の拡がりとした場合、
あまり動かない私やアンドロメダ銀河は、縦棒に近い世界線をとります。
一方、光のように高速に動くものは、大きく傾いた世界線をとります。
さて、239万年前の情報に限って考えましょう。
まず、アンドロメダ銀河ぐらい(239万光年)離れたところの情報は、
光の速さで来れば、ちょうど今ここにいる私に届きます。(下図中央の矢印)
すばる(400光年)など、アンドロメダ銀河より近いところの情報は、光の速さで来れば、
今までの間のいつかに既に届いています。
(下図左端の矢印)
今はもう通り過ぎてどこか遠くに行ってしまっているでしょうけれど、
それでも今までの間に届いたなら、今ここの私はその情報は知っていることになります。
一方で、アンドロメダ銀河より遠いところの情報は、
どんなに急いで来ても(光の速さできても)、今ここの私にはまだ届きません。(上図右端の矢印)
では届く届かないの境目はなになのでしょうか。
「ここ」を中心とした半径239万光年の円の内部の情報は、
今までの間にここの私のところに届いていると言えます。
対比的に、この円の範囲外の出来事は、今はまだ決してここには届いていません。
さて、このことを、239万年前だけではなく、過去の色々な時点について考えてみましょう。
100万年前の情報なら半径100万光年の円の内部のことが私にはわかっています。
1億年前の情報なら、半径1億光年の円の内部のことがわかっているでしょう。
これを過去の時刻すべてについて一般化すると、
今ここにいる私がわかっているのは、以下の円錐状の範囲内のこととなります。
一方、この円錐の外部のことは、今ここの私には全く知るすべがありません。
未来についても同じことが考えられて、
今ここにいる私から出た情報は、円錐状に拡がっていきます。
このように、今ここを中心として、
過去のどの範囲の物事を知り得たか、
未来にはどの範囲に物事が伝わり得るかを表現した図を、
光円錐といいます。
光円錐の内部は、 今ここの私と相互作用が可能な物事の範囲とも言えます。
光円錐の外部と今ここの私は、いかなる相互作用や干渉をも決して起こすことができません。
まとめ:
四次元の宇宙空間のうち、私から見える認識可能な部分空間は、光円錐の表面と内部です。